AMASHINと戦慄

~STARLESS & AMASHIN BLOG~
日々ブログレッシヴに生きる

FIONA APPLE @心斎橋クラブクアトロ

2006年10月13日 | コンサート
前回見逃してしまって、約6年間も待ち望んでいたフィオナ・アップルのライブをついに体感した。

開場30分前にクラブクワトロに着き、リハーサルの音が会場から聞こえてきた時は、「彼女は今大阪に来ているんだ!」との実感がフツフツと沸いてきた。
整理番号も若かったので、最前列にも余裕で行けたのだが、ステージ全体をゆったり眺めたいと思ってカウンター席の中央を陣取ったのだが、それは私の大きな誤算であった。
ステージが低いのでフィオナがピアノ席に座ってしまうと、ピアノと客にフィオナの顔が隠れてしまい、かなり見づらいことになっていた。
フィオナは登場するや客席には目もくれず、すぐにピアノ席に座り、真剣な眼差しで他のサポートメンバーと目配せしていきなり“GET HIM BACK”、“TO YOUR LOVE”、“SHADOW BOXER”の3連チャンを披露。もうしょっぱなから感情剥き出しのドスの利いた歌唱でオーディエンスを圧倒する。
え?今日は機嫌が悪いんか?と思うほどの気迫であった。

今回は、各作品からの曲がまんべんなく披露されて、ファン泣かせの選りすぐった代表曲のオンパレードだった。
演奏が始まると彼女は、もう湧き上がる感情が抑えきれないのか、始終ステージを右往左往している。歌の部分じゃないところでもマイクをはずして、なにやらハミングしたり、シャウトしたりと。ほんと近くにいたら胸ぐらつかまれてひざ蹴りされるんじゃないかというくらいの勢いで、私は彼女の気迫にただただ圧倒されるばかりであった。
そして今回もうひとり注目に値したのが、ドラマーのチャーリー・ドレイトンさん。キース・リチャーズなんかとも共演しているセッションドラマーさんらしく、“LIMP”の間奏では見事なまでのドラムソロをかましてくれていた。泡立て器などを使ってのトリッキーな技も珍妙。

今回のハイライトはなんといっても“SLOW LIKE HONEY”であろう。
この時のフィオナはマジで何かが憑依したかのごとく凄かった。レコーディングのアレンジをさらにムーディーに、そしてあの魂に揺さぶりをかける官能的な歌い回し・・・
これほどまでに神々しい女性の歌を、私は今まで体感したことはない。もうジャニスを超えていると思う。
ただ、ずっとしゃがんで歌ってはりましたので、フィオナの姿がほとんど見えないという・・・
ラストはデビュー曲“CRIMINAL”で締め。全18曲の2時間弱の感無量のライヴでしたが、なんか時間たつのがもの凄く早く感じられた。

そして、この後思いがけないサプライズが私を待ち受けていた。
ライヴ終了後、姉がクアトロの出待ちスポットを教えてくれたので、ちょっとでもフィオナの姿を拝めればいいかなという思いで待ってたら、間もなくハイヤータクシーが進入してきてフィオナが裏口から出てきて、すぐタクシーに乗り込んでしまわれた。
そこにいた連中は誰もアクションを起こさなかったので、最初に私が思いっきり手をふってみたら、フィオナがすぐ私に気付いてくれて手を振り返してくれた時は本当にうれしかった。
タクシーはさっさと発進して行ってしまったんだけど、はじめの信号で車が停車すると、そこにいた連中がいっせいに車の方に走り始めたのにはア然とさせられた。
私はそこまでの醜態は曝したくないと、はじめはその様子をその場で眺めていたのだが、なんとフィオナが車の窓を開けて皆に握手を交わしたり、サインを書いてやっているではないか!!
「こらアカン!」と、私も我を忘れて車の方まで一目散に走っていき、ちゃっかり持参していたブックレットをカバンの中からなんとか取り出し(この時の私の無様な焦りようといったらなかったな)、長年憧れ続けてきたフィオナのサインをゲットしたのだった。
しかし、この時ほど「備えあれば憂いなし」という言葉を痛感したことはなかったな・・・
逆手ながら握手も交わし、その時のフィオナの私に向けた眼差しと、あの華奢な手の感触と「Thank You」というステージ上のフィオナからは想像もできないキュートな声は今でもクッキリと私の脳裏に焼きついている。
その後、私は感激のあまり足がワナワナと震え出し(足にくるとはこのことか)、立っていることもままならず、しばらく地べたにへたり込んでしまっていた。
至上の幸福感・・・・もう今死んでもいいって思ったもん。



今日の1曲:『Slow Like Honey』/ Fiona Apple
コメント (1)
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