AMASHINと戦慄

~STARLESS & AMASHIN BLOG~
日々ブログレッシヴに生きる

銀の鍵の門を越えて

2013年06月03日 | まったり邦楽
前記事で紹介したPerfumeの『Fan Service -Prima Box-』を入手する際において、実はひとつ大きな思い違いをしていた。
このボックスには、あの『bitter』のDVDがセットになっているものだと勘違いしていたのだ。
正直『bitter』が目的で購入したと言っても過言ではなかったので、「そんなバカな」とボックスの中を何度も確認した。帯裏を見たら、確かに『bitter』は別売り扱いで(表示がまぎらわしいねん!)またしても自分の軽率さを呪った。
どうりで定価が安いと思った。世の中そんなに甘くはない。

で、近所のブックオフにあったので、さっそく購入して鑑賞。

『Fan Service bitter』は、Perfumeが徳間とメジャー契約してからリリースされた初のライブDVDで、2006年12月21日原宿アストロホールでのライブを収録した映像。大ブレイクしてからの後追いファンでもこの時期の映像に魅了されてる人はけっこういるようだが、そういう人はいわゆるPerfumeヘンタイの域に達した人なんだと思っている。
箱のキャパは400人収容程度のもので、この頃のPerfumeって、ヘタしたら人間椅子より人気がなかったのかもしれない。
この頃の人間椅子といえば、『瘋痴狂』をリリースした頃。なんで人間椅子と比べるのかというと、同じ徳間ジャパン所属だったからだ。
にしても、銀色に『Fan Service bitter』とタイトルが印字してあるだけって、えらい愛想のないジャケットでんなー

この時期のスリーピース両者に対する徳間の扱いは、なんとなく似ている気がする。
あ~ちゃんが言っていたように、やはり経費削減のもとだったのか?


ただ、このライブDVD制作においてはけっこうお金をかけてるみたいで、カメラの設置台数はなんと11台。アングルや画面分割やタイトルテロップのエフェクト演出など、編集が凝りに凝っていて展開もスピーディーで、ハッキリいって『First Tour GAME』のライブ映像よりデキがよろしい。

某音楽雑誌に掲載されていた本作紹介文には、「オープニング3曲でフロアはすでにモッシュの嵐」などと書かれていたが、映像を見る限りそういった場面は確認できなかった。つか、筆者はどういうのをモッシュといっているのであろうか?スラッシャーの私としては、ハードル走みたいに手足を振り上げるか、フロアを走りまわらなきゃモッシュとはいえん。
ま、それはおいといて、セットリストはこの時までリリースされたシングル曲とカップリング曲をほぼ網羅した内容で、「スーパージェットシューズ」、「イミテーションワールド」、「カウンターアトラクション」などのCD未収録曲も披露されていて、ファンならば持っていて損はないだろう。
個人的には、広島限定アイドル“ぱふゅ~む”時代の2ndシングル曲「彼氏募集中」が聴けたのはかなり貴重だった。いきなり演歌調で始まるイロモノ然としたオープニングにはどん引きしたと同時に、パッパラー河合の編曲センスに辟易したが、ドタバタコント的振り付けに昭和テイストなアイドルソングを熱唱するPerfumeの姿に、腹をかかえて笑ってしまったと同時に、なんだか不可思議にも新鮮なものを感じてしまった。
昨年のライブでぶっ倒れそうになった「ジェニーはご機嫌ななめ」にもすでに免疫がついており、なんの疲労感もなくこのDVDを最後まで見通せたのは、私もいよいよヘンタイの領域に達しつつあるということなのか。

この頃の3人のライブの雰囲気は、すでにステージ慣れしてる感じがあり、そこそこの固定ファンも獲得しているようで、けっこうアットホームでリラックスした様子。現在もそうだが、媚を売ったりガツガツした様子もない。
本ライブ初披露となった「Twinkle Snow Powdery Snow」にいく前の、あ~ちゃんの「うちらは経費削減のもとじゃけぇな」という自虐的MCの開き直り加減といい、事務所からうるさく指示されてるようなアイドルのあるべき姿という気負いが全く感じられないところに好感がもてた。


この時彼女たちは、1年後に大ブレイクすることを、まだ知らない。




ディストーションギター音のきいた割とロック色の強い「エレクトロワールド」は、ライブ映像を通して好きになった楽曲のひとつ。
シングルがリリースされた当時は、想定をはるかに下回る売り上げだったという。
確かに大衆ウケするには、歌詞内容が手塚マンガばりにダークだし、少しクールすぎる楽曲ではあるが、近未来的エキセントリックな振り付けといい、Jポップソングというには革新的すぎる名曲。
時代はまだ彼女たちに追いついていなかったのだ。

彼女たちは、確かに、この道を走り進み進み進み続けていた。


今日の1曲:『エレクトロワールド』/ Perfume
コメント
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