AMASHINと戦慄

~STARLESS & AMASHIN BLOG~
日々ブログレッシヴに生きる

アセンス

2018年10月14日 | 名所ガイド、巡礼記
入院前、どうせ手術するからと、なかばヤケぎみで放蕩三昧しに大阪ミナミに繰り出したんであるが、ちょっと気になることがあってとある書店に寄ってみた。

その書店の名はアセンス。

探究心旺盛だった学生時代、心斎橋に行ったら必ず立ち寄っていた書店で、心斎橋筋とヨーロッパ通りが交差する十字路の角のビルがまるまるアセンスだった。
たしか1階は雑誌コーナー、2階が文庫と洋書、3階がコミックコーナーだったっけか。
アメリカ村のパチンコ屋の上階にも店を構えていて、なかなかの規模で展開していた本格派の本屋だった。

私自身、若い頃、都会のでっかい本屋に行かないと売っていないあやしい本やアート本をわけもわからずガムシャラに買い求めていたので、アセンスはまさにうってつけの本屋だった。
あの頃はタイトルが面白そうなのとジャケ買いが多かったなぁ。いちおう読破はしていたが全く頭に入ってなかったっけ。

まぁ最近はめっきり本を読まなくなって全然立ち寄ってなかったけど、実は姉から悲しい情報を聞いていたので今回久々に足を運んだのであった。

そう、こういうこと。



まぁ時代は常に流れて行くのであって、何ひとつとしてずっと同じでいられないのは仕方がない。
ネットも普及し、もうわざわざ交通費かけて都心に出向いて本を買う必要もなくなった。

ただ、今回アセンスが閉店するに至ったのには、近年におけるここミナミ、心斎橋筋の事情におおいに関係があるのはほぼ間違いないかと。

そう、爆買い外国人旅行者の過剰なまでの増加である。
もう心斎橋筋は今や日本人よりも外国人旅行者でごった返しの状態にある。
どこを歩いていても外国語の会話しか聞こえてこず、日本語は客引きのホストかホステスの口くらいからしか聞こえてこない。
で、心斎橋筋にある店舗が今や三軒に一軒は爆買い外人旅行者の為のドラッグストアに変わってしまっているという、なんとも風情のない嘆かわしい有様なのだ。

アセンスのビルの1Fと2Fもすでにマツモトキヨシに浸食されてしまっていた・・・・(泣)



で、書店は3Fの1フロアだけに・・・・(泣)



まぁそれでミナミは大変潤っているのでしょう。いいことだ。
ただ、どこに行ってもパンパンになったビニール袋をいくつもぶらさげた外人旅行者が我がもの顔で通りを闊歩したり、たむろして通行人の道をふさいでいる様は、見ていて気分のいいものではない。
てゆーかもっと日本橋の方にも分散させたらどうなんや?
私もよっぽど用事がない限りミナミには寄りつかなくなったけど、ライブとか行く時はなるべく御堂筋を歩くようにしている。


1フロアに縮小されたアセンスであったが、閉店間際「アセンス 選書フェア」や、奥のギャラリールームでは、映画『寝ても覚めても』のパネル展を展開するなど、最後まで本格派でオシャレな本屋というスタンスを貫いていたように思う。


で、アセンスでの最後の買い物とばかりに、今更なぜか夏目漱石の小説『こころ』を購入。
こいつは高校の国語の教科書に一部掲載されていて、大変おもしろかった記憶があったので。
入院期間中にこの完全版を熟読しようと買ったのだが、まだ全然読めてない(手術後の状態が想定以上に不安定で、あまり読書する余裕がなかった)。




あと、家帰ってから気づいたんだが、「そういえばあの物差しとしても使えるアセンスオリジナルのオシャレな銀のしおりをもらうのを忘れとった!」と思ったら、店員さんが買った本にちゃんと挟んでくれていた。
よかった、ありがとう。




今日の1曲:『Something Inside Of Me』/ Fleetwood Mac
コメント
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