昨日はオフにかこつけて、久々の劇場映画鑑賞のため、怪しい雲行きの中京都に赴く。
劇場は一度も行ったことのなかった四条烏丸にあるミニシアター京都シネマ。
京都駅一歩手前の東寺駅で降りて、そこから東本願寺の横を通って六条分歩いて四条まで行くという、中学時代からのウォーキングコースを選択(行き帰りしめて400円も違ってくるからバカにならないのだ)。
しかし、京都盆地特有のこのクソウンザリさせられるベタベタ感は久しぶりだ。
(私のつまらない映画レビューをご覧になりたくない方は、私の青春時代の軌跡と共に、夏の京都の風景写真でもお楽しみくださりませ。)
東本願寺の向こうに聳え建つは、懐かしの我が学び舎、代々木ゼミナール。
浪人時代、勉学に疲れると息抜きがてらよく訪れていた憩いの場所。境内で寝そべろうとするとすかさず坊さんがとんできて注意を受けたっけ。
四条通はすっかり祇園祭りムード。聞こえてくるは、ピーヒャラプースカ笛太鼓。
うだる暑さの中、ようやく京都シネマに到着(しかし、昔っから思うんやけど五条と四条の間って、なんであんなに長く感じるんやろ?味気なーい灰色のオフィス街だからか)。
昔タワーレコード一号店の店舗があったビルの真向かいのオサレなビルジングの3階にあって、入居している飲食店や雑貨屋もオサレでめっさ高そうな感じ。
入場したら、スクリーンはけっこう小っさめで「あらら」となった。まぁミニシアターやからこういう劇場にもたまに出くわす。ベストポジションだなと思った席に座るやいなや、後ろの初老のオッサンが「わー前に座られたぁ」と、声に出して露骨に嫌がってきやがったので、殺意を押し殺し、ひと睨みして引き止めにかかったオッサンの声を尻目に席を前の方に移動。
で、今回鑑賞した作品はロシアのアレクサンドル・ソクーロフ監督(巨匠なんだって)の『ファウスト』。
ロシア映画だからロシアが舞台かと思って観てたんだが、後で調べると19世紀初頭のドイツの町だった。てことはロシア語だと思ってのはドイツ語だったのね。
本作はタイトルの通り、ドイツの作家ゲーテ原作の戯曲『ファウスト』をソクーロフ監督の解釈で実写化したものであるが、文学作品の嗜みなしなしの私がなんでこんな映画を鑑賞したのかといえば、学生時代(やっぱこれも浪人の頃かな)に手塚治虫の『ファウスト』三部作を読んで感銘を受け、昔からなんやかんや興味があって無謀にもゲーテの原作本にも手をつけて読了したほどである。もちろん原作はチンプンカンプンで、もうこれはギリシャ神話とか戯曲にそこそこ精通してんとしんどい世界であった。
手塚治虫の晩年の傑作『ネオ・ファウスト』。メフィストが悪魔の契約書を交わさせるシーン。
で、この映画作品自体もいささか文学的すぎて、ファウストとメフィストフェレス(ここでは高利貸マウリツィウス)との押し問答も字幕読んでてなんだか面倒くさかった。
この町に登場する人物たちもどこか狂人めいていて、怒りっぽく、むさくるしいオッサンどもがやけにもつれ合うシーンが多くサブっぽくて辟易させられた。
いかにも中世ヨーロッパ的なグロテスクさも苦手だし、延々灰色がかったぼやけた映像が眠気を誘った。
まぁそれでも原作の概要はそこそこ把握していたのでメチャメチャ退屈というわけでもなかった。メフィストの妖術でありえざる所から酒が溢れ出す酒場のシーンや、助手のワーグナーがビン詰めのホムンクルス(ここでは人間の精子とハイエナの肝臓を混ぜ合わせたのだとか)を取り出すシーンなどには「オオー!」っと、ちょっと興奮させられた。
オススメ度:★★★
今日の1曲:『悪魔のしるし』/ Black Sabbath
劇場は一度も行ったことのなかった四条烏丸にあるミニシアター京都シネマ。
京都駅一歩手前の東寺駅で降りて、そこから東本願寺の横を通って六条分歩いて四条まで行くという、中学時代からのウォーキングコースを選択(行き帰りしめて400円も違ってくるからバカにならないのだ)。
しかし、京都盆地特有のこのクソウンザリさせられるベタベタ感は久しぶりだ。
(私のつまらない映画レビューをご覧になりたくない方は、私の青春時代の軌跡と共に、夏の京都の風景写真でもお楽しみくださりませ。)
東本願寺の向こうに聳え建つは、懐かしの我が学び舎、代々木ゼミナール。
浪人時代、勉学に疲れると息抜きがてらよく訪れていた憩いの場所。境内で寝そべろうとするとすかさず坊さんがとんできて注意を受けたっけ。
四条通はすっかり祇園祭りムード。聞こえてくるは、ピーヒャラプースカ笛太鼓。
うだる暑さの中、ようやく京都シネマに到着(しかし、昔っから思うんやけど五条と四条の間って、なんであんなに長く感じるんやろ?味気なーい灰色のオフィス街だからか)。
昔タワーレコード一号店の店舗があったビルの真向かいのオサレなビルジングの3階にあって、入居している飲食店や雑貨屋もオサレでめっさ高そうな感じ。
入場したら、スクリーンはけっこう小っさめで「あらら」となった。まぁミニシアターやからこういう劇場にもたまに出くわす。ベストポジションだなと思った席に座るやいなや、後ろの初老のオッサンが「わー前に座られたぁ」と、声に出して露骨に嫌がってきやがったので、殺意を押し殺し、ひと睨みして引き止めにかかったオッサンの声を尻目に席を前の方に移動。
で、今回鑑賞した作品はロシアのアレクサンドル・ソクーロフ監督(巨匠なんだって)の『ファウスト』。
ロシア映画だからロシアが舞台かと思って観てたんだが、後で調べると19世紀初頭のドイツの町だった。てことはロシア語だと思ってのはドイツ語だったのね。
本作はタイトルの通り、ドイツの作家ゲーテ原作の戯曲『ファウスト』をソクーロフ監督の解釈で実写化したものであるが、文学作品の嗜みなしなしの私がなんでこんな映画を鑑賞したのかといえば、学生時代(やっぱこれも浪人の頃かな)に手塚治虫の『ファウスト』三部作を読んで感銘を受け、昔からなんやかんや興味があって無謀にもゲーテの原作本にも手をつけて読了したほどである。もちろん原作はチンプンカンプンで、もうこれはギリシャ神話とか戯曲にそこそこ精通してんとしんどい世界であった。
手塚治虫の晩年の傑作『ネオ・ファウスト』。メフィストが悪魔の契約書を交わさせるシーン。
で、この映画作品自体もいささか文学的すぎて、ファウストとメフィストフェレス(ここでは高利貸マウリツィウス)との押し問答も字幕読んでてなんだか面倒くさかった。
この町に登場する人物たちもどこか狂人めいていて、怒りっぽく、むさくるしいオッサンどもがやけにもつれ合うシーンが多くサブっぽくて辟易させられた。
いかにも中世ヨーロッパ的なグロテスクさも苦手だし、延々灰色がかったぼやけた映像が眠気を誘った。
まぁそれでも原作の概要はそこそこ把握していたのでメチャメチャ退屈というわけでもなかった。メフィストの妖術でありえざる所から酒が溢れ出す酒場のシーンや、助手のワーグナーがビン詰めのホムンクルス(ここでは人間の精子とハイエナの肝臓を混ぜ合わせたのだとか)を取り出すシーンなどには「オオー!」っと、ちょっと興奮させられた。
オススメ度:★★★
今日の1曲:『悪魔のしるし』/ Black Sabbath
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