先日、そろばん授業が始まるまでの一時間「ちちんぷいぷい」という番組を見ていました
そこで、桜ノ宮高校の話題に絡めてこんな話題を扱っていました。ずばり「教師の待遇」
私は教育大学出身で、教員免許も所持しています。公立校に勤務する先輩・後輩・同輩もいますので、多少なりとも勤務の実態は知っています。「先生って定時で終われて気楽な商売やなあ」という世間の誤解を少しでも解いてくれたとうれしく見ていました。
たとえば、先生の定時の勤務時間は8:00~17:00です(もちろん所定勤務時間は1日あたり8時間です)。ほらもうこの時点でおかしいでしょ?。だってクラブ活動は冬場で18:00ごろまで。夏場で18:30ごろまでやってますもんね。毎日のクラブ指導ですでに勤務超過です(もちろん残業手当は基本0です)。
土曜日・日曜日のクラブ指導は4時間を超えて初めて手当がでます。大阪府の場合満額で1日3700円です。電車を使って引率しようが、昼間をまたいで昼食をとろうが、すべてこの手当に含まれます。教育委員会をして「先生方のボランティア精神でクラブ活動は支えられています」というんですから。
そして、授業の準備や通知表の作成。教育委員会からの調査の回答や保護者対応。生徒の進路相談や悩み相談などは、この合間を縫って行います。つまり、そこらへんのブラック企業よりもブラックな職場です・唯一の救いは「公務員」であるために、自分から問題を起こさない限りリストラの心配があまりないということですが、この超過勤務と引き換えにするには…ですね。
さて、「ちちんぷいぷい」で問題視していたのは、「休日や時間外に善意のボランティアで行っているクラブ活動中に体罰をしてしまった場合も懲戒の対象になるのか?」というもので、文部科学省の回答は「クラブ活動は教育課程の一環なので、たとえ時間外であっても、問題行動が起こればすべて懲戒の対象になります」というものです。もちろん私は知っていましたが、番組のパネラーさんたちの反応は、「手当も雀の涙で、何かあったら先生の責任ってちょっとおかしいですよね」というものでした。うん、普通の感覚ですよね。
でもね、ほとんどの先生方は、おかしいとは思ってないんですよ。子供たちのためになることならと思って、粉骨砕身頑張っておられるんです。保護者の皆様方にもぜひこんな目線で先生を見ていただきたいものです。
私は、好きでこの仕事をしています。市井のお教室ではましてや懇談などする必要はないのかもしれませんが、やっぱり「先生」と呼ばれる立場である以上「先生」の立場を全うするのが本来位の姿だと思っています。
先生という仕事は、先生の自己犠牲の上になりたっている。だからこそほとんどの先生は指導の仕方は違えども「子供のためになってと願って」叱っているという事実はみなさんに知ってほしいのです。
もちろん「体罰」を美化するわけでも、容認するわけでもないです。しかしながら、ここまで先生に過酷な労働を強いておきながら、本気で生徒を叱った末に多少の行き過ぎがあったときに「懲戒免職」となるのであれば、先生方が「じゃあ、何もしないで適当に流しておいたほうがいいよね」となることを危惧します。
今回の事件で先生をかばうつもりはありません。報道を信じるならば先生の行き過ぎは間違いありません。でも叱りすぎてしまった時・先生がミスをしてしまうことを世間が許さない風潮が強くなりすぎるのならば、教育委員会が「筋をきちんと通したけれども少しばかり行き過ぎてしまった先生を守る」という視点を忘れて、自分の保身に汲汲として世間の顔色を窺った処分を続けるならば、先生は必ず当たり障りのない教育に終始して、子供たちの学力や生活力は必ず下がっていくでしょう。
先生も人間です。たまにはミスをします。その時に、先生も「叱られる」ことは必要ですが、必要以上に先生を攻め立てる必要があるとも思えません。
桜ノ宮高校の先生にブレーキをかけなかった責任ある立場の方々の処分は未だ聞こえてきません。先生の頑張り損のそしりは拭えません。もちろん懲戒免職となった先生は、何度か自分自身でもブレーキをかけるチャンスはあったはずですが、それを見失った以上厳しい処分は仕方ないと思います。
でも全体として考えたとき何か「違うよな」という感覚があるので今回はこうした形で書きました。
そして、こんな大人たちのせいで、自分自身を処す選択をしてしまった彼に、大人として申し訳ない気持ちでいっぱいです。
バスケ部のキャプテンを務めきった生徒さんのご冥福を心からお祈りいたします。
そこで、桜ノ宮高校の話題に絡めてこんな話題を扱っていました。ずばり「教師の待遇」
私は教育大学出身で、教員免許も所持しています。公立校に勤務する先輩・後輩・同輩もいますので、多少なりとも勤務の実態は知っています。「先生って定時で終われて気楽な商売やなあ」という世間の誤解を少しでも解いてくれたとうれしく見ていました。
たとえば、先生の定時の勤務時間は8:00~17:00です(もちろん所定勤務時間は1日あたり8時間です)。ほらもうこの時点でおかしいでしょ?。だってクラブ活動は冬場で18:00ごろまで。夏場で18:30ごろまでやってますもんね。毎日のクラブ指導ですでに勤務超過です(もちろん残業手当は基本0です)。
土曜日・日曜日のクラブ指導は4時間を超えて初めて手当がでます。大阪府の場合満額で1日3700円です。電車を使って引率しようが、昼間をまたいで昼食をとろうが、すべてこの手当に含まれます。教育委員会をして「先生方のボランティア精神でクラブ活動は支えられています」というんですから。
そして、授業の準備や通知表の作成。教育委員会からの調査の回答や保護者対応。生徒の進路相談や悩み相談などは、この合間を縫って行います。つまり、そこらへんのブラック企業よりもブラックな職場です・唯一の救いは「公務員」であるために、自分から問題を起こさない限りリストラの心配があまりないということですが、この超過勤務と引き換えにするには…ですね。
さて、「ちちんぷいぷい」で問題視していたのは、「休日や時間外に善意のボランティアで行っているクラブ活動中に体罰をしてしまった場合も懲戒の対象になるのか?」というもので、文部科学省の回答は「クラブ活動は教育課程の一環なので、たとえ時間外であっても、問題行動が起こればすべて懲戒の対象になります」というものです。もちろん私は知っていましたが、番組のパネラーさんたちの反応は、「手当も雀の涙で、何かあったら先生の責任ってちょっとおかしいですよね」というものでした。うん、普通の感覚ですよね。
でもね、ほとんどの先生方は、おかしいとは思ってないんですよ。子供たちのためになることならと思って、粉骨砕身頑張っておられるんです。保護者の皆様方にもぜひこんな目線で先生を見ていただきたいものです。
私は、好きでこの仕事をしています。市井のお教室ではましてや懇談などする必要はないのかもしれませんが、やっぱり「先生」と呼ばれる立場である以上「先生」の立場を全うするのが本来位の姿だと思っています。
先生という仕事は、先生の自己犠牲の上になりたっている。だからこそほとんどの先生は指導の仕方は違えども「子供のためになってと願って」叱っているという事実はみなさんに知ってほしいのです。
もちろん「体罰」を美化するわけでも、容認するわけでもないです。しかしながら、ここまで先生に過酷な労働を強いておきながら、本気で生徒を叱った末に多少の行き過ぎがあったときに「懲戒免職」となるのであれば、先生方が「じゃあ、何もしないで適当に流しておいたほうがいいよね」となることを危惧します。
今回の事件で先生をかばうつもりはありません。報道を信じるならば先生の行き過ぎは間違いありません。でも叱りすぎてしまった時・先生がミスをしてしまうことを世間が許さない風潮が強くなりすぎるのならば、教育委員会が「筋をきちんと通したけれども少しばかり行き過ぎてしまった先生を守る」という視点を忘れて、自分の保身に汲汲として世間の顔色を窺った処分を続けるならば、先生は必ず当たり障りのない教育に終始して、子供たちの学力や生活力は必ず下がっていくでしょう。
先生も人間です。たまにはミスをします。その時に、先生も「叱られる」ことは必要ですが、必要以上に先生を攻め立てる必要があるとも思えません。
桜ノ宮高校の先生にブレーキをかけなかった責任ある立場の方々の処分は未だ聞こえてきません。先生の頑張り損のそしりは拭えません。もちろん懲戒免職となった先生は、何度か自分自身でもブレーキをかけるチャンスはあったはずですが、それを見失った以上厳しい処分は仕方ないと思います。
でも全体として考えたとき何か「違うよな」という感覚があるので今回はこうした形で書きました。
そして、こんな大人たちのせいで、自分自身を処す選択をしてしまった彼に、大人として申し訳ない気持ちでいっぱいです。
バスケ部のキャプテンを務めきった生徒さんのご冥福を心からお祈りいたします。