今年も夏の名物学習イベント「夏休みチャレンジ」を行いました。小学生の各学年に応じた暗誦課題を頑張ってもらう課題です。文章を諳んじる(そらんじる)ことができるようになることは、学習の基本です。繰り返し反復して身に付ける過程では、意味を理解する前にまず覚えるという作業が必要な場合があります。「門前の小僧習わぬ経を詠む」ということわざがあるくらい、日本人は古来から暗誦を大切な学習として位置付けていきました。
たとえば、アイヌ神謡などは完全な口承の物語です。文字文化が根付くまでに時間がかかった文化圏では、伝統は口承が基本となっています。日本の場合は、平安時代に仮名文字が一般化して平民レベルまで文字文化が伝わり始めましたが、平安以前の文字文化は、貴族以上の身分の高い人たちに限定されたものでした。だから、平安以前の文化には口承の芸術が多く見られます。
平安以前の文盲率はすごい数字であったと想像されますが(90%とかいくかもしれませんね)、現在の日本はほぼ0%であるといわれています。義務教育が世界でも非常に高い水準にある日本の学習環境素晴らしいものであるでしょう。だから、現代の日本では口承文化はあまりありません。落語や歌舞伎・浄瑠璃など古典芸能の世界くらいなのかもしれません。
しかしながら、子供たちを日々指導していて思うのは、こうして伝承されてきた日本古来の伝統文化が全くと言っていいほど伝わっていないことなんです。暗誦するという文化は、日本の伝統を伝えていくという側面も持ちますが、一番大事なことは「脳みそを鍛える」という一面を持つことなんです。豊かな語彙の貯金と、それを適宜使える智慧が身についたときに、その知識は化学反応を起こします。その事実を知っていたからこそ、文字文化が一般化しつつあった江戸時代にあっても(紙が貴重品であったという事実を割り引いても)寺子屋のような教育機関でも、口承授業を重視していたのでしょう。
まず覚える。語彙を増やす。これが発展学習を根底で支えているのです。
貯金がなければ化学反応はおきません。伸びと言うのは、子供たちに伸びを呼び出すだけの貯金があり、その貯金を引き出すきっかけが与えられたときにおこります。その伸びを下支えする貯金・知識・経験は、子供時代にどれだけため込んだかで決まります。
めんどくさいことから逃げ続けた子供と、全力でぶつかって貯金を続けた子供。伸びるきっかけと出会った時に、どちらが大きな伸びを示すかは明白です。私の想いは、全力で子供たちの壁を作り、まっすぐにその壁をのり超える経験をしてほしいというものです。横からすり抜ける方法や、穴をあける方法は学ぶのは、大人になってからで充分です。
今、この瞬間はとにかく逃げることなく全力でぶつかることこそ子供たちに必要です。そしてそのぶつからせ方は、子供たち一人ひとり異なります。手取り足取りすることが必要な子供もいれば、黙って見守るだけの子供、さらには突き放した方がいい子供もいます。
私は子供たちと一年限りのおつきあいではありません。預けていただける間は子供たちに寄り添うことができます。その過程で、この「しんどくめんどくさい」経験をぜひとも経験値として積み上げてほしいと想っています。
このブログを書いている時点で、クリアしていないのは両教場を通じてあと4名となりました。今年も全員逃げてしまうことなく、クリアしてくれることを信じています。そして遅れてでもまずはやり遂げることで得られる確かな自信を体験してほしいと思っています。
たとえば、アイヌ神謡などは完全な口承の物語です。文字文化が根付くまでに時間がかかった文化圏では、伝統は口承が基本となっています。日本の場合は、平安時代に仮名文字が一般化して平民レベルまで文字文化が伝わり始めましたが、平安以前の文字文化は、貴族以上の身分の高い人たちに限定されたものでした。だから、平安以前の文化には口承の芸術が多く見られます。
平安以前の文盲率はすごい数字であったと想像されますが(90%とかいくかもしれませんね)、現在の日本はほぼ0%であるといわれています。義務教育が世界でも非常に高い水準にある日本の学習環境素晴らしいものであるでしょう。だから、現代の日本では口承文化はあまりありません。落語や歌舞伎・浄瑠璃など古典芸能の世界くらいなのかもしれません。
しかしながら、子供たちを日々指導していて思うのは、こうして伝承されてきた日本古来の伝統文化が全くと言っていいほど伝わっていないことなんです。暗誦するという文化は、日本の伝統を伝えていくという側面も持ちますが、一番大事なことは「脳みそを鍛える」という一面を持つことなんです。豊かな語彙の貯金と、それを適宜使える智慧が身についたときに、その知識は化学反応を起こします。その事実を知っていたからこそ、文字文化が一般化しつつあった江戸時代にあっても(紙が貴重品であったという事実を割り引いても)寺子屋のような教育機関でも、口承授業を重視していたのでしょう。
まず覚える。語彙を増やす。これが発展学習を根底で支えているのです。
貯金がなければ化学反応はおきません。伸びと言うのは、子供たちに伸びを呼び出すだけの貯金があり、その貯金を引き出すきっかけが与えられたときにおこります。その伸びを下支えする貯金・知識・経験は、子供時代にどれだけため込んだかで決まります。
めんどくさいことから逃げ続けた子供と、全力でぶつかって貯金を続けた子供。伸びるきっかけと出会った時に、どちらが大きな伸びを示すかは明白です。私の想いは、全力で子供たちの壁を作り、まっすぐにその壁をのり超える経験をしてほしいというものです。横からすり抜ける方法や、穴をあける方法は学ぶのは、大人になってからで充分です。
今、この瞬間はとにかく逃げることなく全力でぶつかることこそ子供たちに必要です。そしてそのぶつからせ方は、子供たち一人ひとり異なります。手取り足取りすることが必要な子供もいれば、黙って見守るだけの子供、さらには突き放した方がいい子供もいます。
私は子供たちと一年限りのおつきあいではありません。預けていただける間は子供たちに寄り添うことができます。その過程で、この「しんどくめんどくさい」経験をぜひとも経験値として積み上げてほしいと想っています。
このブログを書いている時点で、クリアしていないのは両教場を通じてあと4名となりました。今年も全員逃げてしまうことなく、クリアしてくれることを信じています。そして遅れてでもまずはやり遂げることで得られる確かな自信を体験してほしいと思っています。
先生は
絶対に
絶対に
あきらめませんよ!
絶対に
絶対に
あきらめませんよ!