東大阪でそろばん教室を運営しているの先生のブログ 関西珠算瓢箪山教場・石切教場

子供たちから教えられたこと、感じたことを想いのままに綴ります。

「面倒見のよい塾」という表現について思うこと

2020-01-27 14:11:48 | 学習・塾に関する中身
 私は高校受験を対象とした学習塾もひっそりと運営しております。この受験前の時期は基本的にお休みはなく学習塾の教室を開けております。公立高校入試が終わるまでは大体毎年75~80連勤程度になってしまいます。ただし、朝の9時~開けるのであれば夕方まで。22時まで開けるのであれば早くても午後からしか開けません。入試の直前であっても「朝から晩まで丸一日教室を開ける」ということはしないようにしています。
 
 聞こえてくるお話では、入試前の日曜日は朝は9時前から、夜は22時を過ぎても開けている塾さんもあります。また学校帰りにそのまま塾によってお勉強できる塾さんもたくさんあります。試験当日は朝6時くらいから学校が始まるまで直前特訓のようなことをされている塾さんもあります。

 私はそれぞれの塾さんの考え方なので否定はしません。私のスタンスは「自分でできることは自分でする」なんです。でも自分ですることには限界がある。だからわからないときには質問できる環境は必要だと思います。そして入試が近づいてくると、やはり大なり小なり受験生はお勉強と向き合いますから、質問したいことが出てくるまでのサイクルが短くなります。そうなると毎日対応することが必要になるだろうから教室を開けます。それでも「自分でお勉強すること」も大切にしてほしいので、一日中は教室を開けないのです。

 もうひとつ。私は「生徒のためになるのであればできる限りのことをする」という考え方です。この「できる限り」というのがポイントだと思っています。やりすぎてこちらが体を壊しては本末転倒ですし、生徒が頑張りすぎて体調管理ができなくなってもいけません。さらに「教室が開いていることが当たり前」になってもいけないと思うのです。先生には先生の生活があります。(幸いにして私の教室の保護者の皆様からクレームをいただいたことはありませんが)、「どうして入試前に一日中開けてくれないのですか?」「子供が一生懸命頑張っているのに子供がかわいそうだと思いませんか?」よ聞かれれば私はこう答えると思います。
 「では、お仕事はどうして休日を取られるのですか?顧客の皆様が困っているとは思いませんか?でしたらそちら様もお休みなく一日中顧客への対応をされているんですよね?」と。

 面倒見をよくするためには人材を増やすしかありません。さすれば少なくとも経営側は人件費が増えますから授業料を値上げしなければなりません。指導する側の善意が明らかにコストを超えるような要求はすべきではないと思っています。
 授業を提供する側としては「お値段以上(←ニトリさんではないですよ)のものをご提供する」気持ちを持ってはいます。これは「提供する側の意識」であって「要求する側の意識」であってはいけないと思うのです。要求する中身が高くなればなるほど必要なコストは当然高くなります。日本が資本主義経済である限りここは絶対の原理です。お値段以上のことを繰り返し要求すれば、提供する側は絶対に疲弊します。そうすれば質の高いものを提供し続けることは不可能になることは自明です。提供する側は、自分が提供できる質を担保できるように授業時間・内容を考え、妥当だと思えるお値段をご提示しているのです。お値段に提供するものが見合わなければ退場となるわけです。

 面倒見がよいこととお値段は反比例の関係にあると思います。面倒見は提供する側の善意に依るところが大きすぎるのです。面倒見がいいことは当たり前ではないと思うのです。面倒見をよくすればするほど、提供される側に「これが当たり前」という意識が芽生えてしまう。これは仕方のないことです。せめてお互いに感謝の心を持つこと。これがお値段以上の面倒見を継続していくためには必要なのではないかな?なんて思うのです。

 塾の先生でお話をしましたが、学校の先生でも同じことが言えます。いやこれ以上に「先生に求めすぎてはいけない」と思います。学校の現場は崩壊寸前です。要求することが当たり前になってしまいそれが行き過ぎれば「学校現場に誰も残らない」という事態になりますし、実際にそうなる寸前です。今、学校は先生方の善意で成り立っています。

 求めすぎないこと。指導者が面倒見よく子供たちをみるためには、これが一番大切なのではないか。そんなことを考えます。
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学力=語彙力+興味関心なのかな?

2020-01-25 10:25:45 | 日記
そろそろ高校受験が迫ってきました。中3が少しずつ受験生の雰囲気を醸し出しています。この時期に足踏みし、伸び悩む生徒の共通点は「語彙力が圧倒的に足りない」ことにつきます。

中1時点よりもはるかに前、そろばんで指導しているときから語彙力を意識して指導しているです。

待合室には本をたくさん。児童書から小説、さらには専門書まで。幼稚園~低学年は絵本の読み聞かせ。ひらがな・カタカナを教えているときは、その文字から始まる言葉を言ってもらいます。ピンとこなければタブレットで画像や動画を検索して見てもらいます。漢字の指導では、意味調べをさせて辞書を閉じても説明できるようにしてもらいます。

ここまでやってもなかなか身に付かない生徒も少なくありません。その差はなんなのかとずっと考えているのですが、

物事への興味関心

これにしか考えが及ばないのです。お勉強ができる生徒、ひいては学力が高い生徒は例外なく「物事への興味関心」が高いのです。「自分に必要かどうか」で判断しないのです。

私はよく「無駄話」をするのですが、学力が高い生徒は絶対に聞いています。他の生徒にしている指導も聞いていますし、私が読んでいる本などにも興味を示して聞いてきます。

中学生になっても「試験範囲外はやらない」という姿勢かどうかが違います。学力が伸び悩む生徒は「いるかいらないか、損か得か」で判断する傾向が強く、学力が伸びていく生徒は「なんですかそれ?知らないんで教えてください‼️」という傾向が強いと感じています。

お勉強の学力は中学生になってから如実に見えます。が、その遠因は小学校低学年、下手をするとそれ以前からついているとも思います。小さい間にこそたくさんの「無駄」を経験する「余裕」が必要なんだと思うのです。

だから私はそろばんの指導をするときに、無駄を伝える余裕を入れておきたいのです。そうすることで「お勉強だけでは身に付くことのない」バックグラウンドとも言えるような「知識(知性?)」が身に付くのではと考えながら指導しています。
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最近そろばん・塾で指導していて感じる子供たちの学力低下について

2020-01-22 12:34:26 | 日記
 ここ5年くらいで、恐ろしいくらいに子供たちの学力が落ちていると感じます。学力と言うより正確に言えば「語彙力」なんだと思います。

 年越しそば、除夜の鐘、初詣、お節料理、お雑煮、注連縄、門松、三が日、松の内、七草がゆ、元日と元旦の違い…。お正月休みの期間だけでもこうした「普段は聞かない言葉」にたくさん触れるはずなんですが、小学生低学年はいたしかたないとしても、小学校高学年、中学生でも知らない生徒が多いことに驚きます。知っているのは「お年玉」だけなんて、とてもじゃないけど笑えません。

 確かに、生活様式がそして時代が変化してきましたから、いつまでも旧態依然ではいけないのは分かります。でも、日本が受け継いできた文化をすべて否定するのもまた違う気がします。

 こうしたお話をするとスマホ・タブレット・YouTubeなど、子供たちの学力を奪う原因をこうしたデジタル関係に求める方々が多いような気がします。もちろん「一つの側面」であることは否定しませんし、おそらくそうだと思います。しかしながら、子供たちの学力つまりは語彙力が低下してきた原因はいくつかあると思うんです。

 まず一つ目が「小学校での英語教育スタート」ですね。数値的な裏付けはありませんが、私自身が子供たちの語彙力低下を感じ始めた時期は英語教育スタートしてから3年くらいたってからです。じわじわとこの影響が出てきているとは考えすぎでしょうか?

 二つ目は「親御さんとの他愛もない会話の減少」です。これはご家庭が悪いという意味ではなくて「他愛のない会話をするような無駄を楽しむ余裕」がなくなってきているという意味です。これ以上は政治のお話になってくるのでやめておきますね。

 三つめは「子供たちが何事にもインスタントを求めている」ということです。たとえばゲームでは途中で失敗したり結果が気にらなければリセットをかけることができます。途中で攻略に詰まれば攻略本を買って読み込むのではなくググればすぐに解決します。YouTubeでは途中を見るのがめんどくさければ終わりまで簡単にスキップできます。お勉強でも教科書や参考書、辞書といった紙の媒体を読み込まなくても結果だけをネットで調べることが可能です。
 そして(すべてとは言いませんが)、塾においては「定期試験の過去問を暗記する」「定期試験の予想問題でお勉強することを徹底的に絞り込む」なんていうことが横行しています。
 というわけで子供たちから「試行錯誤する体験を奪っている」のです。

 こうしたことが積み重なると「必要なこと以外に興味を示さない」ようになるのです。他愛もない会話を無駄と切り捨て、試験範囲から少しでも外れると「要らない」と拒否し、めんどくさいことには最初から取り組まない。こういうことが積み重なっていくわけです。
 そして小学校の現場では「読み・書き・そろばん(計算)」という基礎的リテラシーのお勉強に割かれる時間がどんどんと減らされています。さらには英語やプログラミングといった「教員免許を取得するためにお勉強していたこと」以外の専門性を、多忙な業務片手間で教えなければいけないのです。質の高い教育が担保されるわけがないのです。

 質の高い教育が提供されることなく、子供たちから試行錯誤の経験が奪われ、思考過程を放棄した結果を追い求める「暗記」だけが子供たちを支配する…。そりゃ子供たちの本質的な力が低下しないわけがありません。

 教育とはとんでもなくめんどくさく、そしてとてつもない時間がかかるのです。そんな途方もない努力を教える側が積み重ねることで、受け取る子供たちは少しずつ育っていくのです。その語彙や常識や社会性は一朝一夕になんか身につくものではないのです。

 だから私は基礎的リテラシーの習得にとことんこだわります。他愛もないお話も必要だと考えます。ボケることもツッコむことも、子供たちに豊かな語彙を身に付けてもらうためには必要なのです。もしかすると本質的には「無駄」が子供たちを育てるのかもしれません。

 そんなことを今日も考えながら子供たちとかかわっていきたいと思うのです。
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本日より授業再開です~本日の授業について~

2020-01-08 12:18:32 | そろばんに関する中身
瓢箪山・石切両教場とも本日8日より授業を再開いたします。みなさんの元気な姿を心待にしております。

なお、本日は天候が荒れ模様です。暴風警報が発令されましても、当教場は授業を実施いたします。これは、休校にした場合に生徒が行くところがなくなり、かえって危険となることを防ぐためです。

もちろんお子さまの安全を第一に、天候やご家庭の付近の様子によってはお休みください。その際はご連絡をいただけるとたいへんありがたいです。

なお、天候が急激に悪化しお迎えが必要な場合、お迎えに来られるまで最大19時50分まではお待ちしますので、ご遠慮なくご連絡ください。
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正月三ヶ日の授業について想うこと

2020-01-03 21:25:00 | 日記
当教場はこそっと学習塾もしておりますが、そろばんも含めて三ヶ日に授業をしたことはおろか、自習開放など教室を開けたこともありません。

私は「お正月三ヶ日もお勉強しなきゃ受からないなら辞めといた方がいいよ。(塾)」
「お正月三ヶ日も休まず練習しなきゃいけないようなそろばんならしない方がいい(そろばん)」という考えです。

わたしは大阪トップの高校に合格者をなにがなんでも出したいなんて考えたこともありません。でも、生徒がやってみたいと言えば出来る限りの指導をします。
なにがなんでもそろばん十段取得者や競技大会優勝者を出したいと考えたこともありません。でも、生徒がやってみたいと言えば出来る限りの指導をします。

そうなってもお正月三ヶ日に教室を開けて授業をすることはありません。

お正月を特別な日にする必要はないという論調を目にすることも増えました。私は強く反対の考えです。

ただし、これには大切な考え方が共存しております。それは

本人がやりたいと思う気持ちを止めるものではない

ということなんです。家庭でお勉強をすること、そろばんの練習をすることを禁止するものではありません。

私はせっかくご縁をいただいた生徒さんに対して「お勉強やそろばん以外の教育」も伝えたいのです。この1つが「ハレとケ」の考え方なんです。

お正月は「ハレ」である。この考え方を私は捨てたくないのです。ただお正月三ヶ日を休みたいから理由をつけているのではありません(だって4日から、公立高校の入試終了まで、毎年70日以上この時期は連勤しますから、もし休みたいならこの期間にもお休み作りますよ)。

きちんと「ハレ」としてのお正月三ヶ日を意識においた上で、当人が必要なのであればお勉強なりそろばんなりを頑張ってほしいのです。

(私は中学受験も大学受験も指導していないのでこういう考え方になります。もし中学受験や大学受験の指導をしていれば、質問対応だけはするんだろうなとは思います。)

私は今年も、生徒に「強制する」ことをしない指導をしたいと思っています。

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