いつもこの時期は、所属する珠算団体にたくさんくるボランティア授業の依頼を担当の先生が割り振り、各小学校にそろばんを出前授業します。今年も私は3年生5小学校・15クラス、4年生2小学校6クラスの指導をさせていただきました。
まったくそろばんをさわったことのない子供たちに、2時間の指導でそろばんを使いこなせるように指導することは難しいので、2時間の授業の中で私の指導のめあては
① 全員がそろばんでつくる1~9の数字を読めるようになること。
② 全員がそろばんで1~9まで数字おけるようになること。
③ 全員が、基礎のたしざん・ひきざんができるようになること(専門的に言うと2桁までの合成・分解なしの計算)
これが、そろばん指導のめあてです。
そして、このあとで次のプリントの音読指導を行います。
このときに
○ 姿勢を正して大きな声で読むこと
○ お友達の声をよく聞き、合わせて一つの大きな声にすること
を課題として与えます。このとき、少々クラスがざわざわしていても、何度か繰り返すことで「ビシッと」音読の声がそろうもんなんです。それは、クラスの中に支援学級のお友達がいてもみんなが支えますし、普段先生の指示に従わない問題児であってもほぼ間違いなくやってくれます。中には担任の先生をして「あの子があそこまで乗ってくれることは珍しいです」と言わしめる場合もあります。
これは、担任の先生の指導力不足ではありません。決定的なのは私が「ゲストティーチャー」だからです。その先生がこうして突然来るわけですから、普段とは違う空間が出来上がります。まさにこれが子供たちにとって「変わるきっかけ」なんですね。
こうして子供たちが変化する瞬間を間近で見せていただけるボランティア授業は、私にとってもカンフル剤になるんです。学校には様々な生徒がいます。よくできる子供がいれば、お片付けひとつ満足にできない子供もいます。でもすべての子供に可能性はあるんです。その当たり前の気持ちを再確認させていただけるボランティア授業は「しんどい」けれども「実りある」時間です。
今年もこの経験を授業に還元しながら頑張って行こうと思っています。