東大阪でそろばん教室を運営しているの先生のブログ 関西珠算瓢箪山教場・石切教場

子供たちから教えられたこと、感じたことを想いのままに綴ります。

30年

2025-01-17 05:46:00 | 日記

 私は大学4年生で「断層活動(地震)は予測」を最終目標として「断層活動年代測定(断層が動いたのが今から何年前かの測定)は可能か?」を卒論のテーマとして取り組んでいました。

 1995年1月17日、兵庫県淡路島の野島断層の活動を起因とした「阪神淡路大震災」(正式には『平成7年兵庫県南部地震』)が起こりました。日本はプレートが複雑に絡み合うことでプレート境界にも、またプレート内にも応力がかかります。このことが原因で、非常に地震が起こりやすくなっています。だからこそ、私はこのテーマに興味を持ち研究をしていました。

 京都大学の教授ともつながることができ、修士時代にはさらにこの研究を進めました。結果的に「断層活動年代を測定することは難しい」という結論になりました。ただかなり安価に「活断層(おおよそ千年以内に自信を引き起こす活動をして、今後も引き続き自信を引き起こすおそれのある断層)かどうかの簡易的判断」は可能であろうとの結論をもって、無事に修士論文を審査を通過しました。

 結果的に地震予知に何か貢献できたわけではありません。でも「地震」というものを深く学ぶことができました。たかだか一人の学生・院生が深く学んだところで世の中が何か変わるわけではありません。でも私は今、子供たちに教えることができる立場になっています。地震を予知したり、地震被害を減らしたりすることはできません。でも地震とは何か、どうすればよいか、命を守るためにどんな知識を持っておくべきかなどを「伝える」ことはできます。

 地震を含めた自然災害について学ぶ教科は理科です。そして高校では「地学」として、また大学以降では「地球惑星科学」として学んでいくわけですが、その入り口となる「高校地学」が実際に高校ではほぼ選択されていないという現実があります。中学を卒業すると、地学の学びに触れない生徒もたくさん存在するわけです。

 日本は地震大国といわれます。またその特殊な地形のせいで火山活動もまた活発な国です。台風も通過するし雪も降ります。地震に限らず日本人は常に自然災害と向き合ってきました。そんな日本人が身を、命を守るために様々な言い伝えがあります。そしてさらに先人が積み上げてきた知識を「地学」という形で学ぶことができるようになっています。

 でも現状はどうでしょうか?入試に有利なことだけが選択され、コスパ・タイパが重視され、地学の灯は風前の灯火です。だからこそ、こうした知識を持つ大人が子供たちに少しでも伝えることに意義があると思うのです。

 だから私は今年も伝えます。子供たちの命を未来へと。微力も微力ですが…

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今年1年の指導を振り返って(そろばん・学習共通です)

2024-12-30 01:24:05 | 日記

 今年は指導の上で大きな問題は起りませんでした。禍も落ち着きをみせてくれたことで、指導もイベントもほぼ元通りにできたと思います。

 そろばん指導においては「読上げ」を復活させました。読上げの練習は「聴く力」と「集中力」を育ててくれます。このことからできるだけ速く読み上げの練習をしたかったのです。とはいえ、生徒数がそこまで多くないことで、クラス編成も完全に能力別というわけにいかず、異なる技量の生徒が混在する中での読上げ指導に躊躇していました。ところが実際におこなってみると、想像以上に生徒達の「読上げ」への技量が低下していたので、全く新しい気分で導入することになりました。今後は検定試験などの合間に力を入れていきたい指導の1つになりますね。

 また、検定試験の受験においては日商検定受検者が少なくなっていました。これは禍が始まったときに生徒募集を一時停止したり、受け入れ人数を制限していたときの低学年が高学年になってきたことに原因があります。そもそも現在の4~6年生の在籍者数が少ないということもあります。それでも3級以上の練習生徒が増えてきたので、数年ぶりに受験者数が前回受験者を大きく上回ることになりました。ぜひともたくさんの生徒に合格をしてほしいものです。

 

 一方学習指導においては「生徒の学力格差」を成績から感じることが増えました。特に「英語」と「数学」においては教えている各中学校において、成績分布が「M字型」になりつつあります。これは生徒達に学力が上位層と下位層にはっきりと分かれ始めていることの表れといえます。

 当教室はそろばん教室ですので、「数学」の成績に関して言えばそこまで困ることもなく、数学の状態については学校からの成績分布を見るまでは気がつきませんでした。英語に関しては指導していても「小学校英語」と「中学校英語」のつながりの悪さを感じることが多く、ここ数年で小学生の英語授業を大きく変更していたのですが、それでも英語の定着の悪さは実際に感じているところです。

 現状では私が見ている生徒は全体的に言えば学校平均を超えていますので、そこまで授業のしんどさを感じるものではありません。しかしながら、授業をしていて「え?これも指導されていないの?」と感じることが少なくありません。生徒に聴くと「アクティブラーニング」をなんとか行おうとしている先生方の苦悩を感じます。それでも「基礎的な知識」すら身につけていない状態で「アクティブラーニング」が成立するわけもなく…。私は教科書内容の充実と身につけるべき知識をなんとかして伝えているのが現状です。

 このような現状で「自律(自立)学習」(アクティブラーニングに近しい)ことを行っても、一握りのできる生徒以外には効果があまりないことは明白です。「自律(自立)学習」といえば聞こえはいいですが、本来身につくべき基礎的知識が身についていない状態での「自律(自立)学習」は、キャッチボールも満足にできない状態で野球の試合に挑むようなものだと考えます。まずは基本的な知識の習得を、そして基礎的な勉強を確実に身につけてもらうこと。これを念頭において指導をしていますので、私が「自律(自立)学習」を行うことは当面ないと思います。

 

 当教場は「そろばん指導」の中に当たり前の指導として「漢字の読み書き指導」を取り入れています。これをして「読み書きそろばん(計算)」といわれる「基礎的リテラシー」を身につけることができるような授業をおこなっています。

 教科書が、指導要領が高レベルを要求するようになり、学習にも「コスパやタイパ」が求められる。これが現代社会では当たり前かもしれません。しかしながら、子供達の成長に「コスパやタイパ」を求めること。これ自体が大きな大きな間違いだと思うのです。

 私は来年も「コスパ・タイパ」とは対極にある「そろばん」というアナログな教具を用いて、そして「読み取り・書き取り」というデジタルデバイスを無視したやり方で、子供達の基礎力の底上げに腐心しようと考えています!

 

 今年も1年間、当ブログにお付き合いいただいた皆様に厚く感謝と御礼を申し上げます。更新頻度は多くありませんが来年もぼちぼち更新していく所存です。よろしければどうぞ来年もゆるくお付き合いくださいませ。

 

 それでは皆様、どうぞ良いお年をお迎えください!

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クリスマスパーティーです‼️

2024-12-11 14:38:53 | 日記
本日より3日間、クリスマスパーティーを実施します‼️



初日は石切教場からです。

なお、本日より3日間は「瓢箪山教場」「石切教場」ともに、通常授業はお休みとなります。お間違いなきようお願いいたします。

※この3日間も入学に関するお問い合わせは受付しております。
※この3日間は、体験授業は受付できません。ご了承ください
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そろばん週3回は多いのか?②

2024-11-14 11:30:45 | 日記

  前回の記事(ずいぶん前ですが…)の続きです(クリックで前回記事へ飛びます)

 

 そろばんで週3回は多い

 

 という声はお聞きすることが少なくありません。しかしながら「技術を習得する」ものごとは、単純に接触回数が多いほど上達します(もちろん個人差はあります)

 そろばんは「反復練習」が不可欠な習い事です。が、同時に「間違った方法で反復練習してしまうと、その間違いを矯正するのに倍以上の時間がかかる」ことも事実です。単純に週あたりの授業回数を多く確保することで、指導の際に間違いに気がつく回数も増えることになります。「無駄な反復練習」をしてしまう確率を下げることができます。

 別の側面で言えば、子供達の様子を見る回数が増えることで些細な変化に気がつく回数もまた増えるという利点もあります。挨拶の声や返事の声、取り組みの様子や書いている文字など、子供達の様子を映すものはたくさんあります。単純に接触回数が多いことで、こうした変化に気がつくこともまた多くなるのです。

 習い事の練習は、時に耐えるだけの時期があるのも事実です。接触回数が多いと話しかける回数もまた多くなります。その中で良い兆候を誉めたり、良くないことを諭したりすることで、気持ちの持ちように影響を与えることもできます。

 そうして、長い期間をかけて子供達との「信頼関係」を構築していくのです。

 私の教室では、「そろばんという習い事を通して長い期間子供達に関わる」ことが大きなことだと理解しているつもりです。長い生徒であれば小学校入学前後~大学入学くらいまでのお付き合いになっています。現に最長の生徒は小2~大学院修了くらいまでの期間かかわりました。足かけ10年を超える生徒でいえば全体の2割を超えています。

 

 こうして築いた「信頼関係」のおかげで、社会人となった教え子とよく合うようになりました。就職の報告、結婚・出産の報告などをたくさんしてもらえるということに喜びを感じています。接触回数が多いことは子供達の能力を伸ばしていく上でかなり重要な事柄の1つです。でも同時にご家族の時間を頂戴することでもあります。

 「預けて良かった」と言っていただけるような教室作りを絶えず追求していくことで、「週3回って少ないですよね」と言っていただけるような教室を目指していきたいと想っています。

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そろばん週3回は多いのか?

2024-09-19 15:39:53 | 日記

 週3回と聞くと回数が多いと思われるかもしれません。でも、こうお聞きするとどうでしょうか

 

 ・野球を上手くなりたいです。

  ★あるチームは週1回の練習で朝から晩まで10時間行います。

  ★別のチームは平日90分程度の練習を3回と、土日に3時間の練習をそれぞれ行います。

 どちらのチームのほうが野球が上手くなるでしょうか?

 

 ・お勉強の成績を上げたいです。

  ★平日と土曜日は家庭での勉強はしません。日曜日に終日勉強します。

  ★平日は毎日1時間は勉強します。土日どちらかはお休み。どちらかは5・6時間勉強します。

 どちらの方法のほうが成績が上がりやすいでしょう?

 

 どちらのたとえでも「回数の多い方が良い結果になりやすい」という方が多いのではないでしょうか?

 また、ピアノの習い事は「週1回」が圧倒的に多くなっています。しかしそれは「ご家庭で反復練習をする」という前提があってこそです。基本的に楽器の習い事は同じ考え方のものが多いはずです。英語も似た側面を持ちます。

 

 そろばんという習い事は、「スポーツ」のように指先の機能訓練を含みます。お勉強のように「数の合成と分解を理解すること」を求めます。楽器の演奏のように「考えて道具を扱う」ということをしないと技量の上達が難しくなります。

 先の質問に「回数の多い方が良い結果になりやすい」とお答えいただいた方には、「そろばんも回数の多い方が良い結果になりやすい」という結論が当然に導かれることになります。

 そろばんという習い事は、単に計算が速くなるだけではありません。速く正確に計算するためには試行錯誤を繰り返して体得する必要があります。そして、集中力が育たないことには上級の試験に合格することは難しくなります。さらには「そろばん式暗算」が上達することで、暗記力や再現力の向上も期待できます(現に私の教室では、そろばん・あんざんともに上級に合格すればするほど、合格する高校・大学の難易度も上昇するという結果を生徒達が出してくれています)

 

 低学年のうちからそろばん学習を始めること。特に回数を多くして子供と接する時間が長くなることのメリットは大きいものがあります。これについては次回に詳しく書いてみたいと思います。

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