にあるものは、見ようとしないとなかなか見えないものですよね。子どもたちにとって「勉強の向こう側」とか「努力の向こう側」にあるものは見えないものです。そして生きてきた年数が短いので経験値もありませんから「こんな景色かな?」とかもわかるものではありません。
私たち指導者は、その向こう側の景色を見せるために努力を強いるのです。ただただ苦行を強いたところでできるものではありませんから、スモールステップにしてみたり、小さなことを誉めてみたり。という指導の上の努力をするわけです。
そろばんという習い事は、努力が結果に結びつくという経験を比較的早めに体感できます。そして努力しないことにはその結果を得ることが難しいということもまた、経験できる場合が多くあります。
私が子どもたちに指導するうえでそろばんを選んだのは、技量をものすごく鍛えたいとか、有段者をたくさん育てたいとか、日本一の選手を輩出したいとか。そんなことではありません。そろばんは確実に子どもたちの能力を伸ばします。しかしながら「競技大会や十段・名人」というのは誰でも結果をだせるものではありません。そして、競技大会に至っては「優勝者は1人」という厳然たる事実があります。
ところが、検定試験は「受験者全員合格」ということが可能です。子どもたちに「努力の向こう側」をまず見てもらうには検定試験が最適だとすら思っています。
底力を伸ばして、努力の向こう側にあるものをみてほしい。そろばんに力を入れているのは、そして競技大会ではなく検定試験の指導に力を入れているのはこんな理由があるからです。