東大阪でそろばん教室を運営しているの先生のブログ 関西珠算瓢箪山教場・石切教場

子供たちから教えられたこと、感じたことを想いのままに綴ります。

初制覇の報を聞いて

2013-11-04 00:36:39 | 日記
 楽天が今日、プロ野球日本一になったそうです。私はプロ野球に興味はありませんが、一応12球団の名前くらいは分かります。ある程度のスター選手もわかります。楽天ができた当時弱小球団と言われたことも覚えています。

 と「弱小球団」で思い出したことがあります。私はそろばん教室を開設して、来月で丸13年になります。開設してすぐに私は今も所属している東大阪珠算協会に入会しました。そこで出会った女性の先生(今はもう退会しておられます)にこう言われたことを思い出しました。

 「こんな時代に、そこそこの経歴を持っていてそろばんの先生をしようと思うとは、ちょっとアホちゃうか?」←キツイでしょ(笑)

 当時はとても腹が立ちました。あとあとその先生を理解してわかることですが、その先生なりの言い方でした。「悪いこといわへんから、やめとくなら今のうちやで」というニュアンスだったようです。

 13年前といえば、日商検定の受験者数がピークの年間100万人だったころからおよそ8分の1に激減した「そろばん冬の時代」でした。確かにそんな時代に30手前の若造が教室を開くなんざ、今の私でも当時の私には「やめとき」と言うでしょう。でも若いってすごいですね。走ってしまいました。

 でも私には思うところがありました。その当時のそろばんの先生は、本当に若い人がいませんでした。全国の珠算協団体に加盟している30未満の先生ってほんとに10名くらいだったんではないでしょうか?

 そして年上の先生方は「もうそろばんは…」という感じでした。でもお話を聞いていて「なんでやねん!」と思うことがあったんです。それは「そろばんのよさを全然情報発信していない」ということでした。

 昔は「そろばん教室」の看板を上げれば、100名からの生徒が押し寄せたそうです。そりゃそうです。習い事といえば「そろばん」か「お習字」。そして「ピアノ」。スポーツといえば「ソフトボール」か「水泳」が王道でした。でも今は様々習い事があふれています。そして「そろばん」はそのうちの一つにしかすぎません。

 でも、古来「寺子屋」の時代からずっと受け継がれてきたそろばんには、長い年月をかけて培ってきた日本人の「叡智」がつまっています。これをアピールせずにどうしてあきらめるのか!

 若い私たちの世代がそろばんの灯を灯しつづけないければ、そろばん文化が廃れてしまうではないか!(と当時は本気で思っていました。ほんとにおこがましいですね)

 そして私は、教室のお手紙で情報発信に努めました。そろばん教室では珍しい「個人懇談会」をご希望に応じて毎月行っています。今年度からは「検定試験の結果報告書」の発行も始めました。

 そろばん冬の時代に、生徒9名からスタートした「弱小」教室は、先日開設から268人目の生徒を迎えることができました。楽天は9年かかって日本一の座をつかみました。なになら「9」に縁がありそうです。

 情報を発信すること・子供たちに本気で向き合うこと。そんな当たり前のことをひとつずつ正直にしてきた13年。楽天の初制覇の報に触れて、ちょっと思い出してしまいました。

 明日は祭日で更新お休みするかもしれませんが、次回からはそろばん学習の素晴らしさを改めてご紹介しましょう!
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作文

2013-11-03 00:21:07 | 日記
今日は土曜日、少しばかりお勉強も教えていますが、今月は土曜日の回数が多いので作文大会を実施しました。

 今日の作文は、本当にランダムな単語を学年に応じた枚数ひいて、その言葉を必ず入れた作文を作るというものです。

 ちなみにその単語の例をいくつかあげますね。

 そろばん・ドラえもん・ケチャップ・暗算・お風呂・おかあさん・おじいさん・焼肉・うどん・たこやき・トラック…。

 なんの脈絡もない単語を一つの作文の中に詰め込むには言葉のセンスが必要です。


もう一つの課題は「鉛筆削りの説明書を書く」というものです。こちらはたとえば「穴に差し込む」と書いてあればわざとねじ穴に指を差し込んでます。「鉛筆を」とも「真ん中の穴に」とも書いていないのでわざと意地悪な行動をしてあげるのです。
 「レバーをまわす」とかいてあれば、レバーの軸をまわしたり、鉛筆削り本体をまわしたりして、意地悪をしてあげます。

この授業で伝えたいこと。それは「言葉を紡ぐ」ということ。すべての人に自分の意思を誤解されることなく正しく伝えるには、
「主語・述語の関係をはっきりさせる」「て・に・お・はなどの助詞を正しく使いこなす」「言葉を省略しない」「一つの文に複数に主語・述語を入れないようにする(重文・複文をさける。一文一意とも言えますね)
といったことが、自然にできるようにならねばなりません。そのためには知っている言葉を上手につなぎあわせること、つまり「言葉を紡ぐ」ことが必要になります。

 今日は8名が挑戦しましたが、それぞれが「書くこと」に慣れたような気がします。特に4年生の女子生徒が、1回目と2回目の作文でみちがえるような出来の違いを見せてくれました!。こういうときに伝えてよかった!。と思うわけです。はい。あっ、ほかのみんなもよく書けていましたよ!!!。

 特にこうした「課外授業」では、私が必要と思うことを教科書を無視して伝えていきます。いつの日かこの経験が役に立つことを祈りながら、今日は眠りにつこうと思います。

 そろばんに興味を持ったドラえもんが、ケチャップを10個買うといくらになるかと、お風呂に入りながら暗算に挑戦していたら、お風呂の順番待ちをしていたおかあさんとおじいさんに「今日の晩御飯は焼肉だからはやく上がりなさい!」と怒られました。ぼくはうどんかたこ焼きが食べたかったのに。とぶつぶつ言いながらお風呂からでました。

 あっ、トラック…。

 という夢を、陸上競技場のトラックを走りながら思い出してニヤニヤしました(えっ、トラックってそっちか)。

 今日も無理やりオチを付けたところで、おやすみなさい。
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基礎基本の徹底~めざせわりざんマスター~ 3

2013-11-02 00:35:50 | そろばん学習で得るものは?
またまた前回の続きです

 わりざんの計算が上手になる以外の目的。そのふたつ目が

 
自分自身に勝つ


 これです。よく保護者の方から聞くお言葉に「うちの子はやればできると思うんですがやらないんです」というものがあります。

 その通りです。だって「やらない」のですから「できなくて当たり前」です。

 できないという子供の90%以上が「やらなければいけない当たり前のことをしていない」ということです。残りは、子供がもつ個性が原因である場合です(たとえば軽度発達障害やLDといったものがあてはまりますがここでは触れないことにします)。

 では「やらなければいけない当たり前のこと」とはなんでしょうか?。それはずばり「できるまでやり遂げる」ことなんです。

 たとえば、間違いを直すことがこれにあたります。でもただ「正しい答えを赤で書けばいい」のではないんです。九九を間違って覚えているのか?、引き算を間違っているのか?、÷3の問題で問題の3を答えにしてしまったのか?。その原因を突き止めて改善すること。これが間違い直しです。正しい答えを赤で書いたって、次に正しい答えになるわけではありません。ここに

正しい答えを出す!


という本人の意思がなければ、なかなか百点にたどり着けるものではありません。そしてこの

間違いの原因を自分で見つける


ことが、これから先の学習において本当に必要な能力であり、「できないままほっておくことが気持ち悪く感じる」ように成長してくれれば、しめたものです。こんなにうれしいことはありません。

 そしてまさに今日、そのことを体現してくれた生徒が一人出ました。5年生の彼女は、6年生の漢字テストで満点を取りました。納得いくまで書いて覚え、自分でテストに挑戦し、間違いがないか繰り返し確認することをおうちでやってきたのです。答案・テキストを見ることで、彼女の家庭での勉強が手に取るように見えました。そして自分に甘い数人に「これを勉強というんだ!。5年生でここまでできる○○さんは本当にすごい!」と褒め称えました(彼女は若干とまどっていましたが。だって彼女はこうすることを当たり前と感じていますから)

 というわけで、3日分に分けて書き連ねましたが、たかだかわりざんの計算を毎日することが、たかだかな内容ではないんだということが少しは伝わりましたでしょうか?。プリントは÷1桁=2桁とあまりのレベルD・÷2桁=1桁とあまりのレベルE・÷3桁=1桁とあまりのレベルFまで用意しています。ちなみにこの女子生徒はレベルF60問を2分以内でこなします。

 ここまで伸びてくれれば、あとは勝手に自分で伸びていきますから、私はその彼女が伸びていくためのヒントを伝え続ければOKということです。

 自分に打ち勝てと書いていて、私が自分のおなかのお肉に打ち勝っていないことに気づきました…。私もがんばります(オチつきました?)
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基礎基本の徹底~めざせわりざんマスター~ 2

2013-11-01 00:23:32 | そろばん学習で得るものは?
前回の続きです

 わりざんの計算が上手になる以外の目的。そのひとつ目が

学習習慣を育てる


というものです。この学習イベントは「毎日」の宿題であることが肝です。毎日続けることがどれだけ面倒なことか。みなさんにも経験があると思います。でも、お勉強はこの「めんどくさいことをどれだけこなしていくか」にすべてが凝縮されているといっても過言ではありません。

 毎回のように忘れる生徒もいます。はなからやる気がないのです。「ノートを忘れました」「やったけど記録するのを忘れました」「点数まだつけていません」など、まあよく毎回言い訳を考えるものだと感心します。しかしながら、努力は結果に正直です。やっていない生徒はタイムの伸びが悪いのはもちろん、百点が取れないのです。

 本来、こんなことはそろばん教室ならクリアできて当たり前!と思われる方も多いかと思います。そんなことはありません。塾に入れただけですべての生徒がよい成績になるでしょうか?。スポーツクラブに入れただけでみんなが運動神経がよくなるでしょうか?。

 子供たちの「うまくなりたい!」という気持ちと、指導者の「うまくしたい!」という気持ちが化学反応を起こした時、子供たちの能力は飛躍的に伸びます。でも伸びるためには伸びるための助走が必要です。その助走が「毎日訓練する」ということなんです。

 そして、その努力が「4分以内百点」という結果に結実した時、それまでの苦労を振り返って感動を手に入れることができます。達成感・自己肯定感など、学習の正の好循環を生み出すために必要な体験を獲得するのです。

 そのためには、さぼりを見抜く指導者のスキルも問われます。

 ☆やっていないのに、タイムと点数を適当に書く「嘘書き」
 ☆とりあえず答えは書くが、タイムもはからず採点もしない「鉛筆の芯の無駄遣い」
 ☆やるのを忘れた分をまとめてやってしまう「要領よいさぼり」
 ☆答えを写した答案でごまかす「アリバイ証明」

 などいろいろな「ズルい」やり方があります。4つめなんてそれならちゃんとやればいいのにと思いますよね。

そして一番だめなのが

いやいややる


なんですね。これはもう繰り返し諭すしか方法がありません。とにかく「できた」という体験を経験しないとこの「いやいや」を乗り越えることは本当に難しいです。しかしながら「できた」ステージへ導くのがこの学習イベントの目的ですから、こちらも手を変え品を変え、子供たちに本気で向き合います。

 わりざんが上手になり、そろばんが上手になり、いつの日かそろばん教室を卒業した時、この毎日頑張る時間をお勉強に廻せばいいのです。そうすることで、積み上げた学習習慣が華開くことになるのです。<またまた次回へ続きます>
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