教育業界(学習塾・習い事・語学系など)においては、新年度の生徒募集に向けてすごい数のチラシが折り込まれています。
そろばんのチラシはあまり見ないんですよね。最近は多数教室を展開している法人さんでもホームページでの発信が多いようですね。
一方、私もこっそりとお勉強を教えていますので、学習塾のチラシも気にしてみていますが、本当に「それはあかんやろ!」というチラシがあります。
最悪なのは「◎週間で□□点アップ!」 え~とね、最悪です。極悪と言ってもいいと思います。
一応言っておきますが、普通の能力がある塾講師であれば定期テストの予想問題は70点分くらいは当てます。そこに過去問を組み込めば、「
みかけの5教科400点オーバー」は取らせることは可能です。
ただし、このやり方は入試には通用しません。
まず、理解をしていませんから、次の定期試験の時には前回の覚えた中身はほとんど定着はしていません。
次に、定着していないので実力テストでは、普段の定期試験の点数とはずいぶんかけ離れた点数を取ることが多くなります。
さらに、このやり方を続けると、予想問題と過去問がないと点数が取れない生徒になっていきます。
そして最終的に挑むことになる入試では、「入試の予想問題を7割以上的中」させるなんて不可能ですから(もし出来る講師がいればすごいですよね。もちろん、普段の定期試験対策と同じ量で7割以上当てるんですよ。B4のプリントで100枚以上させて7割的中なんて詐欺ですからね)、入試当日の問題には、普段の点数から期待される結果は出にくいということになります。
ちなみに私は自分の生徒には「100点取るのは簡単です。試験範囲を全部理解して覚えればいいんです」と言っています。中学校の定期試験程度で予想問題や過去問に頼っているようでは絶対に真の力はつきません。
つまり「◎週間で□□点アップ!」 ってのは「今だけとりあえず点数を上げたい」という方のニーズにのみこたえるものです。まあいわゆる〇〇ザップみたいな感じですね。普通は持続しないんです。
つまり、努力も何もあったもんじゃないからリバウンドがえげつないってことですね。
本当の力をつけるためには「お勉強の本質」を理解することが必要です。そして子供たちを指導する指導者はその本質を理解していなければなりません。お勉強の本質はたったの1つ
わからないをわかるにする
これだけです(覚えていないことを覚えている状態にすることを含む)。そろばんは「わからない」状態では進級しません。わからないを分かる状態にもっていって初めて進級します。そしてこの分かる状態に自らたどり着く経験が、あとあとの学習習慣を確立していくのです。
だから、私の自慢の教え子たちは、過去の自分を少しでも超えていく結果を出し続けてくれるのです。「自分の過去を乗り越えた」結果ですから、偏差値に関係なく、自分の教え子が出した結果は誇れるし、尊重できるわけです。
きれいごとを並べる前に、営業成績を考える前に、子供たちと向き合うなら子供たちの未来を本気で考えろ! というのが私の嘘偽りのない気持ちです!