超人日記・俳句

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#俳句・川柳ブログ 

<span itemprop="headline">フルトヴェングラーの音楽曼荼羅</span>

2011-04-15 15:46:21 | 無題

待望のフルトヴェングラー・ザ・レガシー宅配で来る。
凄い量。作曲家別にボックスがさらに小分けされている。
まずは定番のベートーヴェンから聞く。交響曲第一はコンセルトへボウ。リマスタリングに手間は掛けていないようだ。
「英雄」など古雅な光を放つ歴史的名演で、買ってよかったと思う。
録音が元々劣悪な第二番の響きでさえいとおしい。ノイズはリダクションされず、そのまま収録されている。
終戦後復帰公演三日目の1947年5月27日の衝撃的なベルリンフィルハーモニーとの「運命」の爆演も生々しくいい塩梅で収録されている。
未曾有の国難を背負って指揮棒を振るフルトヴェングラーの響きが骨身に沁みる。
歴史的音源独自のアウラがある。同日録音のエグモントも収録されている。序曲がどれも秀逸だ。
テンションの高い七番、余裕の八番に続いて、神品と呼ばれたバイロイトの第九。
神品と言われるだけの神々しさが十分録音から伝わって来る。
交響曲好きの私としてはハイドン、モーツァルトのいくつかと、シューマン、チャイコフスキー、ブルックナーの代表曲、ブラームス全集、リヒャルト・シュトラウスの数曲、未完成・グレートなどが一気に聞けることが悦ばしい。フルトヴェングラー・ファンは多大な労力をつぎ込んでこれらの音源を差し替え、買い増したことだろう。それを思うと申し訳ないが、レコード史の金字塔を聞く思いである。
モーツァルトやワーグナーのオペラの音源が充実している所もオペラファンには嬉しい所だ。
同曲異演がこのセットの背後には無数にあって、フルトヴェングラー・マニアを完全に満足させるには程遠い。
けれども量的にも、音質的にも一般の音楽ファンには十分過ぎる内容である。
今日を乗り越える友として、掛けがえのない名演揃いである。
フルトヴェングラーの演奏に優劣はない、今聞いているフルトヴェングラーこそ最高で、永遠にフルトヴェングラーの音楽曼荼羅を聞き続けるのだと「スジガネ入りのリスナーが選ぶクラシック名盤この一枚」に書いてあった。よくぞ言ったものだ。
命運を背負った者の重たさを確かに刻む音の曼荼羅



コメント
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