買ってから長いこと開封しなかった、カラヤンのニーベルングの指輪をついに開封する。
私が買ったのは七年ほど前だが、その間円高デフレで値段が下落した。今買う人が羨ましい。
カラヤンの指輪だが、これがなんとも美しい。
爛熟の美を磨かせたら天下一品。
ラインの黄金から聞いたが、ショルティの時も音響の凄さにびっくりしたが、カラヤンは歌が極美。
これが何とも言えないそう状態でスリル満点。とにかくアッパー系なのである。
このテンションが14枚続くのかと思うとちょっと怖い。
ヤノビッツ、フィッシャー・ディースカウなど歌手陣は脂ののった超一級。テンションがなかなか下がらない。私はそのまま昇天。
第二巻ワルキューレの4枚目、ワルキューレの騎行は地獄の黙示録のテーマですな。
地獄の黙示録は悪徳将校の机にフレイザーの金枝篇をさりげなく置いたり、コンラッドの闇の奥を原案として使ったり、ワルキューレの騎行を好戦的ないかれた空気で使ったり確信犯ですな。
カラヤンの指輪とカラヤン・シンフォニー・エディションとギュンター・ヴァント・ライヴを並べて置いてとっかえひっかえ聞いている。
ほんとうはバレンボイムのリングだとか、ロリン・マゼールの言葉抜きリング組曲のDVDをタワーレコードのモニターで見て魅かれている。
インターネットで見て興味を持ったジョルジュ・ジョルジェスク指揮エネスコフィルハーモニーのベートーヴェン交響曲全集が天然の美でけっこうお勧めなのだが、すぐ廃盤になりそうな気がする。楷書の美です、楷書の美。
興味のある人は早めに一聴をお勧めする。第九の合唱はルーマニア語でたまげたが、それもまたよし。
あとはゲルギエフのマーラー全集やクレンペラーのブルックナー選集を心待ちにしている。
クレンペラーは曲を大きく見せる指揮者だからブルックナーには合っている。
最近は一日一回ジョルジュ・ジョルジェスクを聞かないと落ち着かない。
今一つ力が出ないそんな日はドイツ歌劇で遠くまで行く