超人日記・俳句

俳句を中心に、短歌や随筆も登場します。

#俳句・川柳ブログ 

マドレーヌの代わりにわらび餅で遠き日に飛ぶ

2019-07-25 19:30:27 | 無題
SDカードでリボル・ペシェク指揮のマーラーを数曲続けて聞いている。
仕事を終えて冷えたお茶を飲んで、わらび餅を食べるのは幸せだな。
今日はいいことも、そうでないことも一杯あった。
ハンカチを忘れて仕事場で汗だくだったり。
最近、人と思想 プルースト 読み終えた。
「失われた時を求めて」の粗筋と読みどころが判って収穫だった。
プルーストの特殊な性癖も詳しく書いてあった。
忘却と戦いながら、非・意図的な記憶を細部まで記述してゆく快感があるようだ。
マドレーヌを紅茶に浸していると幼少の記憶がよみがえってきて、
という導入部は有名だが、全部読むにはあまりの超大作。
結局幼少の記憶から始まって、筆に任せて人生が細部まで
丸ごとたどり直される。老いてきて、子どもの頃思っていた町並みが
実はこんなふうになっていたのだ、と真相を知って喜ぶ後半生に至り、
話は大団円を迎える、ということらしい。
筆に任せて書いているので、同じ単語が一文に何度も出てきたり、
ナイル川のように蛇行する文章らしい。それでも作品の構想は
よく練られていたようだ。小説を丸ごと読む時間がないので、
疑似体験だが、プルーストの世界に一歩近づいた。
私の好きなワルター・ベンヤミンがプルーストの翻訳家なので、
二重に楽しい読書体験だった。
今年前半もラストスパート。光が見えてきた。

マドレーヌ代わりに冷えたわらび餅お茶を片手に遠き日に飛ぶ

コメント
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