超人日記・俳句

俳句を中心に、短歌や随筆も登場します。

#俳句・川柳ブログ 

神学と中世の頭脳

2019-10-12 13:08:23 | 無題
買ってひと月ぐらい読めずに寝かせておいた
「なぜ神は人になり給いしか(クール・デウス・ホモ)」アンセルムス作を読破する。
岩波文庫。旧字体で、旧仮名遣いで、旧漢字で読みづらい。
以下は、その要旨である。
〇罪を放置することは神の正義にふさわしくない。

〇人間が神の意志に反したならば、負債は返さないといけない。

〇アダムは神の意志に反したのだから神に負債を負っている。

〇イエスは自分が罪を犯していないのに、神に命を贈り物として
与えたのだから、その報酬を受ける権利がある。

〇けれどもイエスは満ち足りた者であるから、その権利を
人間に譲ってくれた。

〇そのため、イエスは捨て身の献身で与えられた報酬を人間に
譲ることで、人間を原罪から解放した。(=罪滅ぼし)

以上がアンセルムスの贖罪論のまとめである。
ちなみに、煉獄の話は出てこない。
また、個人の犯した罪の償いの話も出てこない。
他人の説明ではわからなかった、アンセルムスの贖罪論の実態がわかった。
この知見を法と宗教の探求に生かしたい。積読も時が実れば役に立つ。
まだ、できない作業も多いが、ひとまず、完読を喜びたい。

法律を書く手さばきで神学の問題を解く中世の頭脳
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