超人日記・俳句

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#俳句・川柳ブログ 

徒然草の本音と世の機微

2022-03-13 06:41:52 | 無題
「眠れないほどおもしろい徒然草」板野博行著を読む。
これを読むと吉田兼好には、法師としての建て前と
人情の機微の両輪があることがわかる。
この世は無常だ、物事に執着するな、独り身こそ自由だ、
と法師としては言っておきながら、
辛い恋に思い悩むことこそ、貴いとも言う。
友だちにしたくないのは、身分の高い人、
友だちにしたいのは、旨いものをくれる人とも言う。
いちばん名言だと思うのは、今日を人生最期の一日
だと思って、今日できることをするのが肝心という一節。
スティーヴ・ジョブズも同じことを言っていた。
徒然なるままに日暮らし、というのは、暇な呑気暮らし
かと思ったら、このつれづれは、無一物の境涯を
理想とする兼好法師の矜持を示しているとわかる。

兼好は無常を知れと言いながら辛い思いも貴いと足す
コメント
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