超人日記・俳句

俳句を中心に、短歌や随筆も登場します。

#俳句・川柳ブログ 

人と思想・西行をよむ

2022-07-17 05:26:18 | 無題
西行は、なぜ出家したのか。
これには諸説ある。
①厭世説。
友の逝去を前にして、世の中が嫌になったという説。
越えぬれば又この世にも帰りこぬ死出の山こそ悲しかりけれ
世の中を夢と見る見るはかなくも猶おどろかぬ我心かな
②失恋説
身分の高い女性を想って、失恋したからという説。
つらくともあわずは何の習ひにか身の程しらず人を恨みむ
身の憂さの思ひしらるることわりに抑へられぬは涙なりけり
③政治原因説
鳥羽・崇徳院の間で板挟みになり嫌気が差したという説。
あしよしを思ひわくこそ苦しけれただあらるればあられける身を

そして、花詠みの歌人として有名な旅の僧となる。

おしなべて花の盛に成りにけり山の端ごとにかかるしら雲
花にそむ心のいかで残るらむすてはててきと思ふわが身に
花さへによをうき草になりにけり散るを惜しめば誘う山水
ほととぎす深き峯より出でにけり外山のすそに聲の落ちくる
ながむとて花にもいたくなれぬれば散る別れこそかなしかりけれ

ついに、願はくは花のもとにて春しなむその如月の望月の頃
という願いを果たし世を去るに至る。

けなげにも川沿いに咲く花を見てうきよというは惜しく思われ




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