超人日記・俳句

俳句を中心に、短歌や随筆も登場します。

#俳句・川柳ブログ 

藤原定家の暗号本

2022-07-23 08:38:50 | 無題
関裕二著「百人一首に隠された藤原定家の暗号」(廣済堂文庫)読む。
太田明著「百人一首の暗号」など類書は多いが、中古で2千5百円もするし、
数合わせの魔方陣が仕組まれているという説もこじつけらしいので、
類書のこちらを買った。
内容的には、承久の乱で配流された後鳥羽院への結界として、
百人一首が編まれたというもの。
それから藤原氏の守護神、天智天皇と持統天皇を頂点とした、
失われつつある王朝文化、摂関政治への鎮魂歌、レクイエム
としての意味を百人一首は持つという。
また、武士の台頭に対する雅による抵抗、
刀に対する歌の勝利を込めた選集だという。
時代は末法思想が現実味を帯びてきた世で、
後鳥羽院を切り捨てた定家は、天変地異や激動の世に
後鳥羽院の祟りを実感していた。
それに対する結界として、自分たちの文化の
花形を守護神として配した、百人一首が編まれた。
意図が優先で歌の優劣は二の次だったという。
どこまで妥当なのか定かではないが、魔方陣の数合わせより
有益に思えた。

春が過ぎ真夏の陽差し照るなかを白い衣で町を闊歩す
コメント
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