徒然俳句・今の雪

この冬に数々の山越え終わる
間違えて買った割には読める冬
行き違い多々あるけれど冬に着く

歯科助手に卒業証書もらう冬
進捗の滞る冬詫びられる
冬巡り全集の輪の閉じる音

夜に降り朝には溶ける今の雪
雪の夜遠くの家の窓灯り
思い出は冬の星座の仲間入り

半天を夜に着込んで冬時雨
杣径を歩み続けて深き冬
道程を幾つも越えて冬ぬくし
白銀や空に広がる冬の雲

冬路面ささら電車が走り出し
雪靴に見えぬ冬靴何気なく
部屋炬燵足の指まで暖まる