超人日記・俳句

俳句を中心に、短歌や随筆も登場します。

#俳句・川柳ブログ 

与謝野晶子源氏の吐息

2024-12-19 20:02:37 | 無題
到着した、伊勢光著「一冊で読む与謝野晶子訳『源氏物語』」を
読んでいる。
与謝野晶子の訳は思いのほか現代文寄りで、今でも通用する。
ただ、描写がサラッとし過ぎていて、背後にある情念や
確執を知っていないと、何も気づかずに素通りしてしまう。
私は、事前に、王様文庫の由良弥生編『源氏物語』で、
背景のどろどろした部分や嫉妬や呪いや情愛をおさらいしていた
ので、与謝野源氏の意味もわかる。
与謝野晶子訳は、どろどろしていないし、情交も生々しく
描かない。そのまま、病弱で帝に過度の寵愛を受けた
桐壺の更衣の子、源氏が、母親そっくりの藤壺を思慕して、
正妻の葵上に情愛を示さず、六条御息所に閨の手ほどきを受け、
葵上は、六条御息所の執着の生霊に取りつかれ、
出産後まもなく急死してしまい、光源氏は藤壺に似た少女、
紫の上を庇護し、一人前に育て上げ、恋心を納得させ、
二人で餅を食べる婚礼の儀式を内々に済ます。
光源氏は朧月夜の君と密通し、須磨に流される。
明石の君と結ばれ、謹慎を解かれて、
明石の君の娘を紫の上の養女とし、
自分は上皇の地位を得る、という所まで
読んだ。この辺りが光源氏の物語のピークで、あとは徐々に
終焉へ向かっていく。

花たちを渡り歩いた耽美派の光源氏の艶やかな息


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徒然俳句・冬山河

2024-12-19 00:03:12 | 自作俳句
人の住む町にそびえる冬山河
七沢の蟹の歩きし冬野行く
人急ぐ町の背後に山眠る

朝寒に遠くの人ぞ思わるる
寒暁の底冷え深し服着込む
数え日や哲科の友と年忘れ

夕寒に重ね着をして友と遭う
通販の歳末出荷滞る
年の瀬に命を咲かす野紺菊

身も凍る冬好みつつ春を待つ
かくまでも夢誘ういろ冬の雲
近頃は黒き冬服着込む友

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