昨日は渋谷公会堂で栗コーダーカルテットの20周年20円ライブを聞いた。
寒空はだかさんが前説で、栗コーダーカルテットが伴奏してかつて録音した東京タワーの歌を歌った。
4時半からステージが始まる。
物販は2時からで3時半開場。
整理番号順に5番号ずつ入場する。全席自由。私は3列目(事実上2列目)の35番に座れた。
開演前にステージを見て回るツアーがあり、大勢の人が並んで楽器を見学した。
栗コーダーカルテットはスターウォーズ帝国のマーチやピタゴラスィッチのテーマなどよく知られた
おなじみの曲も多くあり、最初から、5曲などまとめてメドレーで演奏して行った。
2列目なので栗原さん、川口さん、近藤さん、関島さんの顔がよく見え、楽しく演奏している姿を嬉しく拝見した。
8割がた曲は知っていたが、なかでも「写真のなかの君」、「ワンダフルデイのテーマ」、「生きているだけで楽しい」など印象的な幸福な曲が多い。
ゲストは「たま」の知久寿焼さん。
栗コーダーカルテットを結成したのは知久さんの伴奏でリコーダーや管楽器を演奏するために四人が集まったことがきっかけだったので、ゆかりの人ゲスト。
「おるがん」「ロシアのパン」「方向音痴」を知久さんが歌い、栗コーダーが演奏する。
知久さんの嬉しそうな顔が印象的だった。
休憩を挟んで第二部で有名曲のメドレー、最近のアルバムからのメドレーなど多く曲を演奏してくれた。途中自然に会場から手拍子も鳴り出し、いい雰囲気でコンサートは行われた。
「つみきのいえ」「キョロちゃん」「ジャム・ザ・ハウスネイル」「ピタゴラスィッチ」「クイール」
など栗コーダーカルテットが関わった番組や映像も多く、「こがねむし」「夢の人」など有名曲のカバーも多いので、老若男女が楽しめる全世代型脱力系いい感じの音楽になっている。8時20分に終わった。
「蛙のガリアルド」発売当時からライブをよく見ていたし、キョロちゃんのサントラ1も2も持っているので凄い人気カルテットになって嬉しい。
それにしても渋谷公会堂20円ライブという夢の企画、どういう仕組みで実現したのか謎である。
20年栗コーダーの大花火夏の夜空に夢を咲かせる
最近逝去したロリン・マゼールのフィルハーモニア管とのマーラー・チクルスでは123番と456番が出ていて、789は録音していないのか気になったので検索すると2011年に789番と10番のアダージョと大地の歌を録り終えているということが解かり嬉しかった。
今日はハイティンクのマーラー9番を聞いた後ロリン・マゼールを偲んでウィーンフィルとのマーラー全集よりマーラー9番を聞く。ウィーンフィルの美感を生かした名演奏。
マゼールは突然テンポを変えたり、変則的な休止をしたりするので奇人とか奇才とか呼ばれていた。
だが、それはそうなのだが、ウィーンフィルのニューイヤーコンサートの常連指揮者でもあり、結構お茶目な側面もあった。岩城宏之のあと、ベートーヴェン9曲を一日で振るコンサートをマゼールがやったと思う。
カラヤンの後ベルリンフィルを継ごうと思っていたのにアバドに決まってしまい、だいぶ落胆したという。その頃から才人マゼールが奇才とか異才の道をたどっていた。
ウィーンフィルとの仲は良好で、マーラー全曲がウィーンフィルの切ない美音で聞ける貴重な素晴らしい全集を残した。
クリーヴランド管とのベートーヴェン全集は、主旋律以外がよく聞こえるように強調して演奏する、複音楽的な全集だと吉田秀和氏が絶賛したという。私はそれを意識することがなかったが、妙に枯れたいい響きの全集だと思っていた。
ロリン・マゼールの逝去を知ってから、寝る前にバイエルン放送響とのブルックナー全集を取り出して
聞いている。大見得を切るようなちょっと大げさな演奏なのだが、今聞くと微笑ましいブルックナーである。
マゼールの逝去はたいへん残念である。フィルハーモニアのマーラーチクルスは全集としてまとめて発売されるのか、それとも分売だけなのかが気になる。
廃盤のロリン・マゼールの芸術(グレイト・レコーディングス)集成盤も、廃盤のベートーヴェン全集も再生産されることを願う。
マゼール・イン・ウィーンの予約も好調なようだし、ブラームス全集ももうじき再版される。
ロリン・マゼールの録音が発掘され、再評価の機運が高まることを期待したい。
変則の休止を掛ける才人が遺していった名演の星座