初めて異性の子に電話をかけたのは
いつの頃だったか?
今どきの子は既に小学校低学年でもスマホ
携帯電話をもっている
そんな時代になっている
昨今
僕らの時代は
まだ家電
しかも黒電話
辛うじてその風景を確認出来るのは
「サザエさん」でしか
今は当時を忍べない。
家の廊下
玄関脇
寒いところに置いてあった
家電。黒電話。
ベルがなる
けたたましく響くあの呼び鈴は
なんとも
ドキッする
中学の頃になると
プッシュホンが少しお金持ちの家には
登場しつつ
呼び鈴も優しい電子音だった気がする。
さてさて
初めての電話なのだが……
小学五年生の頃
隣町からの転校生のS子ちゃん
少し活発な垢抜けしたスレンダーな
長い髪を横で左右に縛っていたツインテールの女の子だった。
その子に一目惚れの僕は
行動が早かったのか
彼女の電話番号を聞いた。
確か
そう、
冬休みだった。寒い玄関脇の電話で
冬休みの朝
S子ちゃんに電話をした覚えがある。
「もしもし、あ、僕。冬休みの宿題やった?」
気の利かない第一声だった。
僕は先生じゃないんだから
彼女の宿題をやったか
やらないのかはどうでもよくて、
促してどうする?
と自分にツッコミを入れたくなるほど
間の抜けた第一声だった。
たいして話題もなく
突撃テレホン宜しく
とにかく彼女に電話したい
の一心で
電話したようだった。
「何してたの?」
彼女も少しはにかんで
なんて言ったか覚えてないけど
多分 テレビ見てたとか?
答えたんじゃないかなぁ…
異性と面と向かって一体一で話す機会が
あるようでない小学五年生頃
男子も女子も固まってワイワイしてる
頃だから
個人的に
話す事や話す場面はほぼ 皆無だった。
個人的に話したいと強烈に思ったのが多分S子ちゃんが初めてだったのだと思う。
今思うと
あの頃もし、今みたいにスマホやケータイ
がそれぞれ手元にあったのなら
距離感とかどうだったのだろう
……
あの寒い廊下玄関脇までの電話までの
距離。
そして、ダイヤルを回すあの時間
ダイヤルを間違わないように
指で丁寧に回す。
そして、次に呼び出し音 コールしてる
あの待ち時間。
お父さんが出たらどうしよう?
お母さんだったら?
ドキドキしながら
本人が出てくれるように願って待つ
呼び出しコールの何秒間。
いわば
おみくじやくじ引きのドキドキと変わらないあの瞬間。
ガチャ
「はい もしもし 〇〇ですが?」
で、でた!お母さんだっ……
焦る第1関門!
「あ、あの こんにちは 同じクラスの〇〇と言います。S子さんいますか?」
ここで、家の人が
すぐ取り付けてくれる所と
居ても居留守を使われ居ないことになって
電話を切られることがある。
さてここはどちらだ
……
固唾を飲んで 待つ。
「お待ち下さいね」
優しいお母さんで
意地悪されなかった。
多分父親なら
いないと言われ
電話は切られていただろう。
ここでの運試しは吉と出た。
遠くから階段を降りてくる足音が聞こえてきた。
「もしもしぃ?」
彼女の声が耳元に響いた
こんな近くで初めて聞いた彼女の声
一瞬誰か分からなかった。
間違いなく彼女に電話してる僕なのに
電話の先の声に
日頃の彼女とは認めるのに
タイムラグが生じた。
なんのために
何故
彼女に電話したのか
その目的
その達成すべき
ミッションが
彼女の電話口の声を聞いた時から
全て吹っ飛んだ。
それで
いきなり
「冬休みの宿題やった?」
から始まる僕の第一声。
彼女の声が聞きたかったのか?
彼女に電話する
事だけで良かったのか?
彼女に冬休みの宿題をやったか?確認したかったのか?
何が何やらわからずに……
でも彼女とたわいもない話しを途切れ途切れしていたあの時の僕は……
異性に電話を初めてした割には
こなれた感じで話せていたような気がする。
その後
彼女が話したのだと思うけど
僕が彼女に電話したことがクラスで広まり
僕は彼女と出来ている
という
いわゆる
ヒューヒュー熱いぜ!
状態になったのだ。
彼女はそれを望んで電話の件を女子仲間に
話したのか?
迷惑だったのを打ち明けで話したのか?
でも
まんざら嫌いでもない手応えは彼女からは
感じられたから
やっぱり
嬉しかったんだね…
と僕は少し自己満足しつつ
ウワサの二人ともてはやされるのに
優越感に浸っていた。
その後 彼女とは進展することも無く
同じクラスで距離は縮まることも無く
電話もむしろ遠慮がちになり
五年生六年と同じクラスになりながらも
何も無かったように
関係は進まなかった。
僕の中には
騒がれたかったのか?
ウワサになりたかったのか?
その手段に電話と彼女だったのか?
恋に恋する
まねごとの年頃だから
どうしていいかも分からずに……
好きだとも言えず
そのままの状態だったのだと
…
きっと思ったほど
僕は器用ではなかったんだ。
恋愛には不器用で
その後そのまま
彼女はずっと出来ずにいくのであった。
恋のテレフォン
ナンバー
6700
この歌流行ってた。
この歌に煽られた僕。
いつの頃だったか?
今どきの子は既に小学校低学年でもスマホ
携帯電話をもっている
そんな時代になっている
昨今
僕らの時代は
まだ家電
しかも黒電話
辛うじてその風景を確認出来るのは
「サザエさん」でしか
今は当時を忍べない。
家の廊下
玄関脇
寒いところに置いてあった
家電。黒電話。
ベルがなる
けたたましく響くあの呼び鈴は
なんとも
ドキッする
中学の頃になると
プッシュホンが少しお金持ちの家には
登場しつつ
呼び鈴も優しい電子音だった気がする。
さてさて
初めての電話なのだが……
小学五年生の頃
隣町からの転校生のS子ちゃん
少し活発な垢抜けしたスレンダーな
長い髪を横で左右に縛っていたツインテールの女の子だった。
その子に一目惚れの僕は
行動が早かったのか
彼女の電話番号を聞いた。
確か
そう、
冬休みだった。寒い玄関脇の電話で
冬休みの朝
S子ちゃんに電話をした覚えがある。
「もしもし、あ、僕。冬休みの宿題やった?」
気の利かない第一声だった。
僕は先生じゃないんだから
彼女の宿題をやったか
やらないのかはどうでもよくて、
促してどうする?
と自分にツッコミを入れたくなるほど
間の抜けた第一声だった。
たいして話題もなく
突撃テレホン宜しく
とにかく彼女に電話したい
の一心で
電話したようだった。
「何してたの?」
彼女も少しはにかんで
なんて言ったか覚えてないけど
多分 テレビ見てたとか?
答えたんじゃないかなぁ…
異性と面と向かって一体一で話す機会が
あるようでない小学五年生頃
男子も女子も固まってワイワイしてる
頃だから
個人的に
話す事や話す場面はほぼ 皆無だった。
個人的に話したいと強烈に思ったのが多分S子ちゃんが初めてだったのだと思う。
今思うと
あの頃もし、今みたいにスマホやケータイ
がそれぞれ手元にあったのなら
距離感とかどうだったのだろう
……
あの寒い廊下玄関脇までの電話までの
距離。
そして、ダイヤルを回すあの時間
ダイヤルを間違わないように
指で丁寧に回す。
そして、次に呼び出し音 コールしてる
あの待ち時間。
お父さんが出たらどうしよう?
お母さんだったら?
ドキドキしながら
本人が出てくれるように願って待つ
呼び出しコールの何秒間。
いわば
おみくじやくじ引きのドキドキと変わらないあの瞬間。
ガチャ
「はい もしもし 〇〇ですが?」
で、でた!お母さんだっ……
焦る第1関門!
「あ、あの こんにちは 同じクラスの〇〇と言います。S子さんいますか?」
ここで、家の人が
すぐ取り付けてくれる所と
居ても居留守を使われ居ないことになって
電話を切られることがある。
さてここはどちらだ
……
固唾を飲んで 待つ。
「お待ち下さいね」
優しいお母さんで
意地悪されなかった。
多分父親なら
いないと言われ
電話は切られていただろう。
ここでの運試しは吉と出た。
遠くから階段を降りてくる足音が聞こえてきた。
「もしもしぃ?」
彼女の声が耳元に響いた
こんな近くで初めて聞いた彼女の声
一瞬誰か分からなかった。
間違いなく彼女に電話してる僕なのに
電話の先の声に
日頃の彼女とは認めるのに
タイムラグが生じた。
なんのために
何故
彼女に電話したのか
その目的
その達成すべき
ミッションが
彼女の電話口の声を聞いた時から
全て吹っ飛んだ。
それで
いきなり
「冬休みの宿題やった?」
から始まる僕の第一声。
彼女の声が聞きたかったのか?
彼女に電話する
事だけで良かったのか?
彼女に冬休みの宿題をやったか?確認したかったのか?
何が何やらわからずに……
でも彼女とたわいもない話しを途切れ途切れしていたあの時の僕は……
異性に電話を初めてした割には
こなれた感じで話せていたような気がする。
その後
彼女が話したのだと思うけど
僕が彼女に電話したことがクラスで広まり
僕は彼女と出来ている
という
いわゆる
ヒューヒュー熱いぜ!
状態になったのだ。
彼女はそれを望んで電話の件を女子仲間に
話したのか?
迷惑だったのを打ち明けで話したのか?
でも
まんざら嫌いでもない手応えは彼女からは
感じられたから
やっぱり
嬉しかったんだね…
と僕は少し自己満足しつつ
ウワサの二人ともてはやされるのに
優越感に浸っていた。
その後 彼女とは進展することも無く
同じクラスで距離は縮まることも無く
電話もむしろ遠慮がちになり
五年生六年と同じクラスになりながらも
何も無かったように
関係は進まなかった。
僕の中には
騒がれたかったのか?
ウワサになりたかったのか?
その手段に電話と彼女だったのか?
恋に恋する
まねごとの年頃だから
どうしていいかも分からずに……
好きだとも言えず
そのままの状態だったのだと
…
きっと思ったほど
僕は器用ではなかったんだ。
恋愛には不器用で
その後そのまま
彼女はずっと出来ずにいくのであった。
恋のテレフォン
ナンバー
6700
この歌流行ってた。
この歌に煽られた僕。