1974年 12月発売のアルバムは
後に友達のM浦君のうちで
初めて聞かせてもらったのだが
このアルバム発売と合わせて
よしだたくろうさんが
ニッポン放送
オールナイトニッポン 火曜深夜1時から
前者 カルメンさんから
バトンタッチして
1部を担当するようになった。
このアルバムから精力的に曲をかけていた。
年が明けて半年後には
あの伝説のつま恋コンサートに向けて
雰囲気が盛り上がっていくのだった。
だから75年は一切ツアーは行われず
つま恋コンサートのみで
このアルバムの曲は全て
つま恋で演奏されている。
このアルバムをレコード店で買った時に
貰えたポスターがこれで…
レコードの中には
このポスターが入っていた。
どちらも僕の勉強部屋に貼られていて
アイドルのポスターより
拓郎のポスターが
カッコよかった。
つま恋コンサートの模様をラジオを録音したものを聞いて
そこからレコード音源を辿る僕の拓郎ファンへの道の第1歩が
「今はまだ人生を語らず」だったかもしれない。
時同じくして
「明日に向かって走れ」のLPを買って
それから
このアルバムを買った順番だった。
聞いたのは
M浦君のうちで早くに聞いていたけど
イマイチ、その時はピンとこなかった。
1曲目 ペニーレインでバーボン
ロックだ。
よしだたくろうはフォークじゃなかったの?
結婚しようよ
のあの拓郎は?
すっかり変貌してしまった
歌い方 何か見えないものに怒りを
ぶつけるかの如く
やりきれなさと
そこから湧き上がるエネルギーが
叩きつけるようなシャウトする
歌い方に聴く僕達にこれでもか
というくらいに
言葉の速射砲が
畳み掛けてくる。
よくよく歌詞を冷静にきいているとね……
単なる酔っ払いの戯言の歌なのかな?
と可愛く思えたり
でもあの時の時代背景
閉塞感の中で抜けきれない
何かにもどかしさに
発散できずにいるエネルギーは強く感じた
歌だった。
2曲目 人生を語らず
これも続きのような 1曲目からの流れを受け
ハモンドオルガンの響きがなんともスケール感を広めてくれて
松任谷正隆グループを中心にレコーディングしたなかで
アルバムタイトル曲のこの歌は
後々に至るまで
聞き継がれ
歌い継がれていく
歌となった。
あまり時代背景が色濃く出てない
スケール感のある作品なので
色褪せることのない
作品だともいえた。
これもやはりシャウトする拓郎さんがかっこいい!
🎶超えて行けそこを
超えてゆけそれうぉ~
ぇ 今わぁ まだぁ じぃんせいうぉ
人生うぉ かたぁらずぅ〜
あのパワフルなシャウトする歌い方
拓郎さんのピークだった気がする。
いわゆる第1次ピーク。
が74年からつま恋コンサートまでだと思う。
3曲目 世捨人唄
森進一さんの
襟裳岬 とカップリング曲
両A面扱いになっていたようだ。
世捨て人?
当時意味が分からず
何となく分からず聞いていた子供だった僕
大人になり、
その意味を知り
この歌の渋さを理解する。
かなり 時間をかけて噛み締めなければ
深みを持った
味のある作品が多いのも
このアルバムの特徴だ。
4曲目 おはよう
後に知る 提供曲でもあった。
櫻井久美 さんがこの曲を歌っていた。
テレビドラマ 「おはよう」とは関係なかったようだけど……
夜明けはいつもの 薄茶色
始発電車が走ってく ぅぅぅ うう
って
歌い方が 可愛い。
5曲目 シンシア
シングルカットにもなった
三拍子のカントリーフォーク
の名曲。
かまやつひろしさんとの
コラボ
シンシア?
南沙織さんの事だったのね?
後々知ることにもなり、
この歌の
かまやつさんの粘り気のある歌い方
がなんともいい味を出しつつ
拓郎さんの歌うパートになった時
拓郎さんの声が入ってくるパートに
カッコよさが増して
男同志のデュエット?
もいいなぁと思った。
ギターを始めた頃の教則本に必ず載ってた
歌だった。
歌って よしだたくろうに
なれた 1曲でもあった。
6曲目 三軒目の店ごと
A面最後の曲
このアルバムはかなり酒にまつわるテーマが多いのかな?と思うほど
酔っ払いの歌がまた1つ。
まぁだ まだぁ 〜よっちゃあ~
ないだろぉ
って
あんた酔ってるし……
とツッコみ入れたくなる
当時あまり好きじゃない歌で
よくこの歌飛ばしてた。
7曲目 襟裳岬
B面1曲目
天下の襟裳岬 レコード大賞曲は
拓郎風の襟裳岬だ
不思議な感覚で
軽く歌われてるのに
当時違和感があった。
森進一さんの熱唱の襟裳岬と
サラリと聞かせる拓郎さんの
襟裳岬
どちらも同じ作品なのだけど
アレンジ
歌い手
歌い方で
変わる楽しみを味わえた。
8曲目 知識
アルバムアレンジはアコースティックな感じなのだがつま恋コンサートでのアレンジ
そして79年のツアーアレンジのイントロの方が好き。
思春期の反抗期にありがちな 上に対しての苛立ちと自我の目覚めでの
戦い
を上手いこと発散できる歌だった。
🎶どこへ行こうと 勝手だし
何をしようと勝手なんだ
髪の毛を切るのもいいだろう
気疲れするのは自分なんだ~
人を語れば
世を語る
語り尽くしてみるがいいさ〜
理屈ばかりをぶら下げて
首がとんでも
血も出まい!
鮮烈な歌詞を聞くにつけ
結構 強烈な印象が残った
「首が飛んでも 血も出まい!」
の箇所。
9曲目 暮らし
当時の私生活での少しの苦悩?
が歌詞に現れてる
そんな等身大の拓郎さんの歌だったような気がする
正直な人だからこそ
言葉に響きがあり、
リアリティもある。
拓郎さんの当時の武器は何より
説得力ある歌詞
と歌い方だった。
10曲目 戻ってきた恋人
「猫」の提供曲
作詞家 安井かずみさんの
経験を反映した歌詞になっているのじゃないか?と推測されたりもした。
オシャレな
イタリア映画のワンシーンを見るかのような
そんな粋な作品。
ピアノが弾む 特徴あるアレンジが
また、いい!
11曲目 僕の歌はサヨナラだけ
フルバンド での迫力あるアレンジが
また音の厚みでこの歌の重さを表している。
これも私生活でのリアリティある描写?
だったのだろうか?
突き刺さるように
言葉が重い。
R&Bの雰囲気のアレンジがまた、この歌
をかっこよくしてる
サックス ストリングス
が奏でるこのサウンドは本来
よしだたくろうさんがやりたかった
音楽だったのだろうと
後々知っていく訳だが
当時は
歌謡曲っぽく聞いていた。
その後ライブでも演奏されたり
アコースティックバージョンとかも披露されてけど
なんといってもアルバム 「今はまだ人生を語らず」バージョンが1番カッコいい!
この時が、やはり
ベストテイクだ。
12曲目 贈り物
アコースティックアレンジで
せつなくこのアルバムを終わられてる印象。
もうゆくよ…
もう何も言えなくなった……
去りゆく男の寂しさだけ残して
何かに後書きの手紙のような
終わり方が
やっぱりこのアルバムは
当時 勢いのあるエネルギッシュな面と
少し 寂しさを押し殺して
前へ進もうとする男の決意を表している
そんなアルバムなんだと
知ることができる。
45年たったいまでさえ
聴きごたえのある
凄いアルバムなのである。