寅さん映画「第31作 旅と女と寅次郎」は、昭和58年のお盆映画です。マドンナは都はるみさんですが、舞台の佐渡は遠いので、柴又の撮影現場の変遷をお伝えします。
当時は、細川たかしさんが歌う「矢切の渡し」が大ヒットしました。彼は、寅さん映画恒例の、冒頭の小芝居に特別出演しています。矢切の渡しで逃げる恋人の役です。
<現在、対岸の矢切にある碑です>
当時の映像です。こんな寂しい渡し場でした。
今は木と草が生い茂って、桟橋から対岸が見通し辛いです。
上流に在る「水戸街道」の鉄橋が見えていました。
今は何も見えません。
先日再放送を見る前に渡し舟に乗った時、船頭に「見通しが悪いから切ったら?」と言いました。「我々が勝手に切れないんですよ。河川は国の管理なんで」との事でした。
話を戻します。そこに寅さんが登場します。
現在の渡し場です。
ただ、標識と桟橋の位置が違う様に思います。ここだったのでしょうか?
逃げたニ人を追いかけて、多分結婚式途中の親族が追いかけて来ます(ダスティー・ホフマンの「卒業」のシーンを連想させます)。
現在の現場です。映画では背景の土手に石段が有りません。更に現在は、土手の向こうの建物が無くなりました。数年前に廃業して解体した川魚料理屋「川甚」です。寂しい風景です。
渡し場前の広場は草の原です。
現在は少年野球場になっていて、土日は賑やかです。
さて本編で、佐渡で知り合った女性が人気歌手の「京はるみ(マドンナ:都はるみ)」と知った寅次郎はその歌を聴きたくて、柴又駅前の電気屋で「ウォークマン」を無断で拝借して一騒動起こします。正面右、商店街脇に小さな祠が在ります。今でも(多分昔も)観光客は殆ど見向きもしませんが、悲しい女の子の供養地蔵なんです。
この話、続きます。