1976年のお盆映画です。マドンナは大地喜和子さん、ゲストは宇野重吉さんです。多くの人がこの作品を、「男はつらいよ」シリーズ50作中の、「最高傑作」と言います。さて、今回も映画の現場を探します。
この道路(国道6号線・水戸街道)はよくこの映画に登場します。右端から寅次郎が帰省しました。当時は江戸川土手と通じていましたが、現在は江戸川の改修工事の為に建て替わって、柵で通行できません。
<橋げたを入れようとすると、川に入らなければなりません>
<橋げたの形状が変っていますが、背景の常磐線の鉄橋が在る風景は変わりません>
映画を撮影した約50年前くらいは、寺社に自分の千社札を貼るのが流行っていました。世相が映っています。
<剥がしても貼る奴が今でも居るんですね>
参道商店街です。
<最近外国人の観光客が増えてきました。寅さん映画の人情が分かってきたのでしょうか?>
さくらが寅次郎を探して土手に来ます。
<現在は柵の形状が違いますが、入り口のコンクリートの形状はそのままです>
<この風景は変わりません>
<この場所だと思うんですが、、>
<門前の右に、約50年前からずっと倉庫が有ります。今でも更新設置されています>
寅次郎は上野の飲み屋で一緒になった見すぼらしい老人を、有名な画家(宇野重吉さん)とは知らずにとらやに連れて帰ります。画家は正体が分かった後とらやを訪ねて来ました。
<50年後もこの店が健在でした>
さくらが送ります。
<今は改装している「川チ屋」は、外国人を含めた観光客で賑わっていました。しっかりと老舗が残っています>
一方で、龍野の芸者(大地貴和子さん)がとらやを訪ねて来ます。目的は貸したお金の回収です。タコ社長の助けを借りて、貸した人との折衝を図ります。上野二丁目です。
<現在の姿です。変遷が激しい飲食店街です。同じ店・看板は当然ありません>
当時の賑わったであろう映像です。
<今でも繁華街です>
画面右に、住所表示板が写っています。
<その住所表示はここです>
<時々再開発で町名や番地が変っていることがありますが、映画の現場はここだと思います>
・・・場面は変わって、新坂です。タコ社長と一緒に、お金を貸した人が住んで居るマンションを探しに行きます。画面左端に「新坂」の道標が見えます。随分な急坂の頂上みたいです。
<東京には「新坂」が沢山在りますが、多分ここです。「赤坂」の新坂です。周囲には大使館が複数ある場所です>
<こんな謂れの坂です>
新坂の頂上の角を曲がった場所が、お金を返さない「鬼頭」が所有しているマンションです。.(余談:「鬼頭」さんて珍しい苗字ですが、小説やドラマや映画等々によく登場します。でも、善人として登場することはありませんね。この苗字の持ち主にしたら迷惑なイメージの定着ですね)
<当然、建て替わっていますが、何となくデザインに通じるものがあります。ここではないでしょうか?高級マンションです>
一方、寅次郎は画家(宇野重吉さん)がちょちょいと描いた絵を売りに行きます。神保町の古書店街です。大滝秀治さんが古書店の主人役で出ています。この映画は、時々有名役者をちょい役で使います。
<現在の神保町です。今でも日本一の古書店街です>
画家指定の古書店です。
<実際の店の名前をそのまま映画に出しません。「大野屋」がモデルとの情報もあったけど、多くの建物が建て替わっていて見つかりません。雰囲気をお届けします>
今回もあちこ探索しました。多くが変わってしまった中で、帝釈天参道商店街の老舗が残っていたのが嬉しいです。
もう一つの舞台は兵庫の龍野。
これもよく覚えています。
ひとつひとつの「今」を訪ねる。
私もそんな街歩きが好きです。
そう、龍野の風情が好いですねえ。
行ってみたいと思っていますが、なかなか。