A&K の NOTES

あちこちスケッチ行脚 。映画館で映画を見ることが楽しみ。いつか何処かでお会いしましょう。

トゥールーズ・キャピトル国立管弦楽団

2012-12-14 | 音楽

 

★トゥールーズ・キャピトル国立管弦楽団
指揮:トゥガン・ソヒエフ
京都コンサートホール

 

ベルリオーズ: 序曲「ローマの謝肉祭」 op.9
サン=サーンス: ヴァイオリン協奏曲第3番 ロ短調 op.61 (ヴァイオリン:諏訪内 晶子)
   ***
ストラヴィンスキー: バレエ「火の鳥」組曲(1919年版)
ラヴェル: ボレロ


席は2階Lの一列、ハープ奏者の真後ろ辺り。
指揮者の表情がはっきりわかり、オーケストラ全体をも見渡せる絶好のポジションです。
京都コンサートホールでは一番好きなところなんです。
反対側のチェロの後ろの2階あたりも好きですが。


始まりは、ベルリオーズの序曲《ローマの謝肉祭》。
音が出たとたん、
《おっ!これは行ける!音が澄んで明るい!》
と今日のコンサートへの期待が急にヒートアップ。

 

華やかな幕開けで、会場はぐぐっと引き締まった感じ。
実は、この席あたりからは会場をぐぐーと見渡せるので、
場内の雰囲気もよく掴めます。
かなり気分が浮ついたところで、
次は諏訪内 晶子のサン=サーンス: ヴァイオリン協奏曲第3番。
彼女はきらびやかな衣装で登場、
僕の席からは後ろ姿を観ながら聴くことになります。
静かな出だしであり、
バイオリンの音は前のほうには飛んでいきますが、
後ろの方にはなかなか響いて来ません。
オケのメンバーの表情も何となしに手探り状態に見えました。
が、第2楽章の終わりあたりから気が上昇し始め、
3楽章はスケールの大きな音楽になりました。


ストラヴィンスキー: バレエ「火の鳥」組曲。
これは凄い迫力。
ぼくの席からは打楽器や金管、木管、そしてピアノ、ハープなど音の粒がびしびし聴こえます。
演奏者の表情はもちろん、指揮者の顔、そして指先までしっかり見え、
ついぐいぐい惹きこまれ2階席から引き落とされそうになります。
何とか耐えながらも酔いしれました。
演奏終了後、満足感からか彼らから柔らかな笑顔がたくさん見えました。
僕はつい溜息です。

《ラヴェルのボレロ》。
出だしはほんとに興ざめなくらいな感じでした。
前の《火の鳥》の興奮が残っているので、
静かというよりは気乗りのない気配を感じたくらいです。
《どうなるのー?》と想いながら聴いていると、
次第に何者かが動き出すようなざわめき感が大きくなり、
指揮者トゥガン・ソヒエフは
ちょっと酔っ払ったような上半身をふらついてるような指揮ぶりに変わっていきます。
休憩にワインを一杯やったかとおもったくらいに顔も少し紅潮。
ボリュームは更に大きくなり、
そしてしだいにオーケストラ全体が波のような大きなうねりを見せ始めました。
特に弦楽器奏者の動きは大きく、
しかもそれぞれが自由奔放な酔うが如くのような動きです。
打楽器奏者たちだけがまっすぐ指揮者を見つめ直立不動でした。オーケストラ全体が笑ってるような印象を持ちました。


終了、思わず《わ~っ!》と溜息の声が漏れてしまいました。
そうか、《ラヴェルのボレロ》は酔っぱらいの音楽かと思ったしだいです。
いいものを聴かせてもらいました。

 


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