史実に基づいた物語(フィクション)だということです。歴史男としては、一応観ておきましょうということで、遅ればせながら、劇場で観てきました。そうそうたるメンバーですのでさてさてどれだけのドラマに仕上がっているか興味深い思いで観ていましたが、《これは値が高くついた学芸会》という印象です。
メガホンに二人いるという何とも中途半端なものづくりです。劇場映画というより、セット多用のテレビ・ドラマの趣。内容はNHK大河時代劇というより、朝ドラ時代劇のような戯画的爽快感溢れています。されど、最後まで興味を引っ張ってくれ、それなりに楽しませてくれました。前向きな人間群像の描き方と一人かけ離れた野村萬斎の超人的演技力?のおかげです。
攻められた側は何としても守りたいというのは当然としても、攻める側は圧倒的数的有利を生かして如何に見事な勝ち方をするか苦心するもの。当然、戦術には総大将の性格が表れる。《のぼう》に焦点が当たりすぎて、攻めた石田三成の人間性が見えなかった。大将の心情に上手く突っ込むと、《歴史物として上等な作品》になったのでは。惜しい。
原作の本の方に興味が湧いて来ました。
●のぼうの城
監督:犬童一心、樋口真嗣
キャスト:野村萬斎、榮倉奈々、成宮寛貴、山口智充、上地雄輔、山田孝之、夏八木勲、芦田愛菜、市村正親、佐藤浩市、他
2012/日本