A&K の NOTES

あちこちスケッチ行脚 。映画館で映画を見ることが楽しみ。いつか何処かでお会いしましょう。

はなればなれに(1964)

2020-03-09 | chinema(欧米系映画)

ルーブルを走り抜ける快作の一本。

★はなればなれに(1964)
原題:Bande a part
監督:ジャン=リュック・ゴダール
音楽:ミシェル・ルグラン
キャスト:アンナ・カリーナ、クロード・ブラッスール、サミー・フレイ、ルイーザ・コルペイン、他。
制作:フランス/1964

冬のパリ、恋と犯罪の狂想曲。
遊びゴコロ満載の作品。
まったく無意味であろうけど、
映画でマジにやられると、こりゃぁ楽しいわい。

西部劇ごっこ。
僕らも小さいころよくやった。
今も時々やるぞ。
抜群の死にっぷりである。
まさか、ラスト現実になるとは?

ルーブル美術館を走り抜けるシーン。
まさか、まさか。

「話すことがないなら黙ろう」と言うと
映画の音声が完全に消えてしまう!
一分間は意外と長いですね。

冬のパリの景色は美しかった。
半世紀前のパリの冬景色。
セーヌを描いた数々の名画を思い出させてくれた。

三人組がカフェでジュークボックスから流れるジャズにあわせて
当時流行していたマジソンというダンスを踊るシーン。
上手くはないけど、
ほんとに楽しそうで、、、、。

三人の名前は、
フランツの名前は作家フランツ・カフカ、
アルチュールは詩人アルチュール・ランボー、
オディールはレーモン・クノーの自伝的小説『オディール』のヒロインの名。

ついでに
音楽は「シェルブールの雨傘」のミシェル・ルグラン。
監督はジャン=リュック・ゴダール 。

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セザンヌと過ごした時間

2020-03-08 | chinema(欧米系映画)

セザンヌの激情ぶりには驚いた。

 


★セザンヌと過ごした時間
原題:Cezanne et moi
監督:ダニエル・トンプソン
キャスト:ギョーム・ガリエンヌ、ギョーム・カネ、アリス・ポル、デボラ・フランソワ、他
2016/フランス


セザンヌとゾラの若かりし頃の微笑ましい交流と、
その後の断絶の顛末が描かれている。
芸術史の残る二人の足跡。

セザンヌの激情ぶりには驚いた。
彼の絵からは、《知性と頑迷》は感じられるが、
映画で描かれている激情はそんなに感じられない。
ドラマとしての表現でしょうか?

 


若かりし頃のパリでの放蕩ぶりが描かれている。
誰にもある青春のいちページ。
後世に名を残した芸術家たちの登場は愉しい。
タンギー爺さんの登場も嬉しい。


エンデイングロールはセザンヌの絵を背景に流れるが、
これはこれは美しい。
セザンヌはやっぱり天才だったんだ。
ゾラの指摘は正しい。
ただ生前に認められなかった。
セザンヌを受け止める別の才能の登場を待たなければならなかった。

 

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レッド・バロン

2020-03-07 | chinema(欧米系映画)

舞う飛行は美しく華麗です。

 

★レッド・バロン
原題:The Red Baron
監督・脚本:ニコライ・ミューラーショーン
キャスト:マティアス・シュバイグフォーファー、レナ・ヘディ、ティル・シュバイガー、ジョセフ・ファインズ、他
2008/ドイツ

戦士には、勝利あるいは敗北《死》意外には選択の余地がない。
戦争とはそういうものだ。

 


《複葉機が空を舞い散る空中戦は、美しく、華麗である》
このような映像がよくも撮れたものだと、
《ノスタルジック空中戦》にみとれしまいました。
第一次大戦中に実在した貴族出身のドイツ撃墜王の物語。
記録では、《80機撃墜》と。
びっくりしたのは、
着陸した時の衝撃というかバウンド具合です。
その姿さえも《華麗な着陸》に魅せてしまうのは、
やはり《フィクションの美しい力》。

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ローマでアモーレ

2020-03-06 | chinema(欧米系映画)

幸せ感溢れる映画です。
アモーレ!  カンターレ!  マンジャーレ!

 


★ローマでアモーレ
原題:To Rome with Love
監督:ウディ・アレン
出演:アレック・ボールドウィン、ロベルト・ベニーニ、ペネロペ・クルス、ジュディ・デイヴィス、ジェシー・アイゼンバーグ、エレン・ペイジ、他
2012/アメリカ=イタリア=スペイン


軽妙なドタバタ劇に振り回されながらも
《うん解る、うん解る》などと妙に納得するお話。

甘いも酸いも知り尽くしたアレンの小話。
人生は所詮、アモーレ!  カンターレ!  マンジャーレ!
ローマを舞台すれば、こんなお話ができましたよということでした。

イタリアの世界的なテノール歌手、
ファビオ・アルミリアートが、
ローマに住むふつうのおやじ役(奇跡の歌声を持つ葬儀屋”という意表を突いた役)で出演。
その実力はシャワー室のみで発揮されるというとんでもない設定。
「道化師」「ボラーレ」、「誰も寝てはならぬ」などを熱唱してくれた。
さすが!です。

全編イタリアづくし。
日本とは真逆のようなイタリア!
しかし、
理屈抜きで幸福感で満たしてくれました。

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6才のボクが、大人になるまで。

2020-03-05 | chinema(欧米系映画)

一人の男の成長物語.

★6才のボクが、大人になるまで。
原題:Boyhood
監督:リチャード・リンクレイター
キャスト:パトリシア・アークエット、エラー・コルトレーン、ローレライ・リンクレイター、イーサン・ホーク、他
製作国:アメリカ(2014)


撮影期間12年というとんでもない時間を費やし、
しかも初めから終わりまで同じキャストというから驚き。
押し付けがましさがまったくない、
涙ぐましいほどに凄い家族ドラマ、
人間の成長物語です。
あちこちの賞をたくさん頂き、
辛口派も甘口派も納得の仕上がり。
極上の逸品です。


一人の男の成長物語ですが、
ドキュメントではなくフィクションとして描かれているところが奇跡的。
人間の成長と衰えをカメラがしっかり捉えてます。
子どもの成長の驚きと大人の衰えの驚き。
《時間=物語》

 

一瞬を逃すな!
今ある時間を!
常に今ある時間を!

ラストの台詞がこの映画のテーマです。

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天使の分け前

2020-03-04 | chinema(欧米系映画)

これぞ天使の分け前です。

 


★天使の分け前
原題:The Angels' Share
監督:ケン・ローチ
キャスト:ポール・ブラニガン、ジョン・ヘンショウ、他
2012/イギリス=フランス=ベルギー=イタリア


ケン・ローチ監督作品。
初めは意味がわからないが、
終わりになって初めて、なるほど、、、。


スコットランドを舞台に、芸は身を助け、人生大逆転のお話。
ラスト、奉仕活動指導者でウイスキー愛好家のハリーに至極の一本。
ここでこの作品は救われた。
まさに《天使の分け前》である。

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ミステリーズ 運命のリスボン

2020-03-03 | chinema(欧米系映画)

変幻自在な時空へ。


★ミステリーズ 運命のリスボン
原題:Misterios de Lisboa
監督:ラウル・ルイス
出演:アドリアヌ・ルーシュ、マリア・ジュアン・バストス、リカルド・ペレイラ、クロチルド・エム、他
2010/ポルトガル(日本公開2012)

 

19世紀のポルトガルが舞台。
ヨーロッパの端っこの国で、
何が起こっていたのか全く知らないが、
物語の時代背景には興味がわく。
劇場での公開時観たかったが、
4時間半ばかりの長時間には
たぶん耐えられないだろうと諦めた作品である。
ところが、思いがけず、TSUTAYAでDVDを発見。
しかもご丁寧に、前編、後編と2枚のDVDに分けて。

 

回想に回想が連なって、
しだいに誰が誰やらわからなくなる。
果ては現実と回想が混濁し、
そしていつか時間そのものが曖昧になってゆく。
ついに変幻自在な時空が生まれる。
《全てが迷宮入り》
劇場で観れば、
多くの人がいわゆる観疲れするかもしれない。
いや心地良く眠ってしまうかもしれない。


ラウル・ルイス監督は2011年に亡くなっている。
2006年作《クリムト》は幻想的で興味深い作品だった。

 

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永遠の僕たち

2020-03-02 | chinema(欧米系映画)

劇場で観た作品。

もっともっと若い時代に観たかったなぁ、

 

 

★永遠の僕たち
原題:Restless
監督:ガス・ヴァン・サント
脚本:ジェイソン・リュウ
撮影:ハリス・サビデス
音楽:ダニー・エルフマン
キャスト: ヘンリー・ホッパー、ミア・ワシコウスカ、加瀬亮、シュイラー・フィスク、ジェーン・アダムス、ルシア・ストラス、チン・ハン、他
2010/アメリカ

《生と死》について、メッセージ。
けっして遅すぎるわけではないが、
できれば、もっともっと若い時代に観たかった。
絶対に記念碑的な作品になったことだろう。
完璧に練られた完璧に美しい作品である。
ガス・ヴァン・サントの演出は繊細で、
ハリス・サヴィデスの撮影する自然光は美しく、
そしてダニー・エルフマンの音楽がアコースティックでロマン的。
そして何より、
ヘンリー・ホッパー、ミア・ワシコウスカ、加瀬亮の3人の姿が瑞々しく描かれている。

 

臨死体験の若い男と余命幾ばくもない若い女の切ない恋のお話。
ここに突然登場するのが、カミカゼ飛行士の加瀬くんの幽霊。
そして、ナガサキ原爆投下。
何の説明もないので、
《あれまぁ、摩訶不思議?》

しかし、幸せなことに、僕はすんなり受け入れることができた。
これは素晴らしい、
よく考えたよく練られた物語だと感覚的に受け入れられた。


人にはそれぞれの生き方があるように、
人にはそれぞれの《死》に対する捉え方がある。
《死》はそれまで続いてきた《生》が突然停止したもの、
続きは何も無い。

 

とは言いつつも、
映画の中では、
何かがあるような曖昧さで突然停止した。
その《曖昧さがビビッド》。
あの世のことは、所詮、誰にも伝えられないのです。

 

《この世に生きた証だけが永遠に残る》

 

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サブマリン

2020-03-01 | chinema(欧米系映画)

レンタルビデオです。

 

★サブマリン
原題:Submarine
監督:リチャード・アヨエイド
2010/イギリス

1980年代のイギリスが舞台。
少年の恋と日常をユーモラスにつづった青春ドラマ。
ダッフルコートがいい。


なんともノスタルジーを感じさせるダッフルコートの二人。
この二人の距離感が近そうで遠く、絶妙な距離感がいい。
表情も互いに探るようで、一筋縄で行かぬ表情。
手を繋いでいないところがこの作品のキモではあるが。
イギリスが制作のウェールズを舞台にした青春映画。
80年代へのリスペクト作品?


ストーリィはともかくダッフルコートが印象的な作品だった。
イギリス作品らしいちょっぴりビターな香りも良かった。
リンゴ・スターとはなんの関連もなかった。
ホットレモンに関係有り。

 

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青い山脈

2020-03-01 | chinema(日本映画)

 

★青い山脈
原作:石坂洋次郎
監督;西河克己
出演:吉永小百合、浜田光夫、高橋英樹、二谷英明、芦川いづみ、他
1963/日本映画

 


1963年作。

ノスタルジーたっぷり。
実はこの作品は、
僕の持っている「青い山脈」とは少しイメージが違いますが
あの彦根でロケをやっています。
ですので、
1960年代の城下町彦根の街の様子を見ることができます。
場面が変わるたびにここは何処かな?
いまも所々に当時の雰囲気は残っています。
琵琶湖の様子は今も変わりません。
スケッチに行きたいね。


出演者の顔ぶれが懐かしい。
ヒロインの吉永小百合はゴム毬のように弾けている。
眩しいくらいに弾けている。
浜田光夫の眼がキラキラしている。
高橋英樹の学生服姿は、信じられないくらいのスリム感です。
芦川いづみの清楚な美貌にはうっとり。
左卜全にはただただ唸る。
藤村有弘、南田洋子、二谷英明などなど、
懐かしい人たちがごっそりでてくる。
完全にタイムスリップしてしまった。 

 

 

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