駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

日本医師会長交代

2010年04月02日 | 医療
 日本医師会長選挙があり、医師会長が現職の唐沢祥人氏から新人で茨城県医師会長だった原中勝征氏に変わった。日本医師会会長は代議員によって選ばれるので我々一般会員には自分の所属する職能団体の代表選挙という感じはしなかった。今回は三つ巴の接戦で辛勝の原中氏は現政権と意思疎通ができると報道されているが、これからどうなって行くのか何ができるのか、未知数だ。
 医師としての職歴があっても県医師会長や代議員になっておられる方は、それなりの政治志向政治感覚があり、一般の臨床医と医療に対する感覚が微妙に違う。それに、政治的な立場にあれば様々な意見を集約して、自分が代表する団体の意向を実現してゆくのが仕事になるから、前線の臨床医と多少の認識乖離は避けられないのかもしれない。
 一般会員の共通の願いだと思うが、学術的な背景もある原中氏が地盤沈下してきた日本医師会の影響力を回復し、機能を高め、真っ当な発言力を増してゆくことを願いたい。
 日本医師会に対しては開業医の利益を守る強突張り団体のようなイメージが作られているがそれは針小棒大に一部の動きを戯画化した曲解で、公益団体として医療の質を高めるため地道な活動をしていることを一般市民に浸透させて頂きたい。
 今は昔、武見太郎という強力なリーダーが居た。優れたリーダーであるだけでなく極めて有能な人だったのだが、功罪はあるにせよ、喧嘩太郎だとか戯画化して伝えられたのは遺憾なことだ。原中氏もそうしたイメージが作られやすい素地がありそうに見えるが、中央突破で日本の医療を守り育てるように力を尽くして頂きたい。敗れた陣営もこれからノーサイドで協力しなければ。内部で足を引っ張る状況にはない。それが市民でもある一般会員の願いだと思う。
 
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