駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

木に竹を接ぐ

2010年04月07日 | 政治経済
 与謝野馨氏が平沼赳夫元通産大臣と共に新党を立ち上げると報道されている。なんだか木に竹を接ぐようで実りのない企みだと思う。
 どうも焦りと怒りで視野狭窄に陥り、目先のことしか見えなくなっているのではないか。自分の目の黒いうちに己の主張を通そうと齢七十の人が俄仕立ての筏で荒海に漕ぎ出すのは無謀だ。
 与謝野さんは賢い人だと思っていたが、問題が大きいとなまじの知力が災いして却って間違えてしまうのだろうか。自分が党首になるならまだしも、平沼さんとでは水と油ではないか。お得意の碁でも、先に打った手を生かすように打ち継がなければ駄目とされているはずだ。鳩山首相に対する愚劣な質問といい、今回の行動といい、本筋を見通す力を持っていた与謝野さんも乱心かと思う。
 誰が可哀相と言ったって、それは谷垣さんだ。誠実な良い男が、梯子を外されて立ち往生している。もし自民党に再生があるとすれば、それは谷垣さんが蒔いた種からだろう。誇り高き没落、栄誉ある消滅からやがて芽が出る。いつか誰も彼の凡庸に隠れた男気を見付けるだろう。
 政治記者は素人の私でも気付く問題点を分かりやすく大きく報道してほしい。政治家は何を考え何をしようとしている人かが最も重要な情報と思う。 
コメント
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