今年の桜は予期せぬ早咲きで、あっという間に満開になった。桜を迎える心の準備が出来て居らず、寒かった冬が去ったと思ったらもう咲くのという感じで、例年のような感慨が湧いてこない。いつもは桜を見ると小学校の校庭を思い出して、半世紀以上昔の思い出がわっと湧き上がって来るのだが、今年は残念ながらちぐはぐで桜に桜を感じない。
勿論、桜に何の罪もないのだが、桜は卒業式の花ではなく、入学式の花の印象が抜けない私には、3月20日の開花は早過ぎた。それに医院の職員の退職補充という、心を忙しなくする出来事が重なったせいもあるだろう。
少し落ち着いて見直そうなどという余裕を与えてくれないのが桜で、次の週末には散ってしまいそうだ。しかしまあ、それが桜なのだ。
それでも散る花弁は Man is mortal と告げて行く。