突然の冷たい北風が吹き荒れている。まるで不意打ち選挙の公示日に合わせているかのようだ。
フライングスタートを切って、足並みの乱れる野党を尻目に逃げ切ろうとする安陪首相肝いりの師走衆議院選挙が今日公示される。
アベノミクスを争点と掲げる絡繰りを見抜きたい。現有議員数を減らしても過半数を確保すれば、それを信任付託と見得を切って、アベノ政治を断行しようという魂胆があるのだ。本当は安陪さんは自分一人ではアベノミクスを断行しかねている、そのために、過半数は確保できる今を周到に選んで選挙に打って出たと見る。直近の選挙で過半数を得ればそれを付託として、アベノミクスが失敗しても国民の選択だったことになる。
本当はアベノミクスではなく集団的自衛権、特定秘密保護法、法人税減税・・など安陪政治を問わなくてはいけないのだが、言葉として響きの良いアベノミクスを争点に掲げ、全体を見えにくくしている。
アベノミクスの第一の矢には、デフレ脱却という意味合いから反対しにくい側面があるし、経済政策には妙案はないのを見越しているのだ。本当はトリクルダウンではなくトリプルダウンしかない経済に、夢のような対案はあり得ない。
そうしたわけで、ちょっと立ち止まって考えて今回の選挙ではアベノミクスではなく安陪政治を問わなくてはならない。
政治評論をされるおじさん達が「批判のための批判は駄目ですね」と肯き合っている。えっ、では「賛成のための賛成はどうなの」と聞きたい。勿論、批判のための批判をしているわけではない、拙い批評を試みたまでだ。
こっちの水は甘いぞと言葉巧みな政治家が殆どだ。立て板に水で分かったような言葉の羅列だが、よく考えると何も言質を与えていない。相手の言葉尻には・・言いましたね、言いましたねと畳み掛ける。とても信頼尊敬できない。
遠い昔に孔子が教えてくれている、巧言令色鮮し仁。枝葉末節を捨てて、根幹で選びたい。