半藤一利さんが亡くなった。謦咳に接することは叶わなかったが密かに師匠のように感じていた。さほど多くの著書を読んでいるわけではないが、戦中戦後の生き証人としてかけがえのない言葉を残された。テレビに出演されたのを見たことはあり、重厚な風貌に関わらずどこか洒脱で東京の下町の雰囲気をお持ちで先生というよりは師匠と呼びたくなる。
断片的なわずかな知識しか持たない昭和史を師匠の本を通して少しは理解できたように感じている。
それにしても人間{日本人}は歴史に学ばない。果たしてどれくらいの人が半藤さんの本を読んでいるだろうか。正常性バイアスは恐ろしい。せめて「歴史と戦争」を読んでもらえればと願う。