駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

寒い涼しい暖かい

2022年10月19日 | 診療

             

 

 毎日気温が変わり青空が少ない。天気に身も心も影響される。やはり穏やかな秋晴れだと気分が良い。天候は人間の力では変えようがないので、お天気がはっきりしませんねと患者さんと言い合っている。

 聞く力を売りにしていた人が居たが、内科臨床医には聞く力は必須のものでそれがなくては仕事ができない。患者さんは人には言えないことを医者に話して多少は心が軽くなるようだ。まあ、知りたくもないことを聞かせていただいたと感じることもあるが、それを誰にも話すことなく胸にしまっておくのが我々の仕事だ。私の秘密その秘密には大抵どこか苦い後悔の気持ちが含まれていることが多い。そうした秘密をいくつも聞かされてきた。なんでも伺うが、愚痴のような訴えを何度も聞かされるのは本当は楽しくない。唯、世の中は上手くできているもので、毎日数名楽しい患者さんが何人か混じっている。ほんの二言三言お話しするだけなのに心が和んでほっとする。自分も病気の時はああした患者さんでありたいと思う。時には先生のお陰で長生きできたと過大な感謝の言葉をいただくこともある。

 内科医は外科医と違って手術のようなはっきりしてわかりやすい治療手段を持たないが、長い目でどうしたらよいかという微妙な指導で仕事をしていると感じる。

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