アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

ニシキギ - 翼というオブジェ

2025-02-08 07:00:00 | みんなの花図鑑


葉も落ちて枝のコルク質の翼が一層目立ちます。
冬芽と冬芽の間の枝を割って翼が伸びているのが分かります。




私は こういう模様を見ると、大西洋や太平洋の海嶺から縞状に産まれ延伸する海洋プレートを連想します(↓)


© 2002 Gifu University, Shin‐Ichi Kawakami, Nao Egawa.




このように、短い間隔で 90度方向を変えて出ている翼もあります。





このニシキギの翼、強度増加に役立っているわけでもなく、光合成に役立っているわけでもなく、機能がよくわかっていません。




「一般に生物の形態の進化は、用不用説で考えすぎない方が妥当です。」(日本植物生理学会・みんなのひろば・植物Q&A「ニシキギの翼について」)




「コルク層の発達が特に生存・繁殖にとって不利でも有利でもなかったため、いわゆる中立的変異として集団の中で振るまい、たまたま蓄積したのがニシキギだと思います。」(同上)





「加えて、鑑賞価値が大変高いため、人為的に繁殖を助けられたこともあり、世の中に広く分布するようになったのでしょう。」(同上)






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