アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

昔はクワ、今はマルベリー - 雌花

2024-04-23 15:00:00 | みんなの花図鑑
子どものころは周りに桑畑がいっぱいあったので、黒く熟した桑の実をよく食べました。
最近は桑の木をほとんど見ません。代わりに観賞用のマルベリーが青い実をつけています。


雌花(受粉前)

「クワ」を英語に直すと「 Mulberry」と出て来ますから、両者は基本同じなのですが、
「日本で生産されているは主に葉を養蚕や桑の葉茶などに利用します。マルベリーとして好まれている西洋桑は日本の桑と同じ桑ですが、葉より実の収穫を主としています。」(LOVEGREEN「桑(クワ)の実とマルベリーは同じ?品種や育て方をご紹介。」)




画像はマルベリーの雌花です。(4月16日撮影)
クワは基本<雌雄異株>だそうです。(たまに雌雄同株のものもあるそうです)(大日本図書「クワ - つぼみと花」)
マルベリーについても「雌雄異株を基本としますが雌雄同株のものもあり、同株ものでは雌花と雄花は別の枝につくのが一般的です」とあります。(メディカルハーブ辞典「植物学への招待・マルベリーの植物学と栽培」)





「風媒花で地味で目立ちません。花粉はかなり遠くまで飛ぶため、雌株だけでも結実が見られます。」(同上)
白い繊毛のような器官が受粉を待つ柱頭です。





「雌花には子房の先に2裂した白い柱頭が目立ちます。花冠は発達せず、萼と区別されずに花被と呼ばれ、雌花では子房を取り囲んでいます。」(同上)





お屋敷の方がいらしたのでお尋ねしてみましたら「熟した実はジャムにして食べる」とのことでした。




ヤマグワにくらべて 葉が少し小ぶりな気がします。





雌花(受粉後)

同じ日の撮影ですが、枝によっては子房がやや赤みがかっているため受粉後の雌花と思われます。




子房が赤みを増すとともに柱頭が萎れていきます。




果実 アーカイブ

こちらは雌花のその後です。
ヤマグワとマグワのちがいは「果実に柱頭が残り、果実の長さが短めなのがヤマグワです。 一方、柱頭があまり残らず、果実が細長いのがマグワです」と言われていますが、このマルベリーも果実になりはじめのときは柱頭がはっきり残存しています。
「花の段階で子房から伸びていた柱頭は、果実になるとホワイトマルベリー(引用者:熟しても果実が白いマグワのこと)では目立たなくなるのに対し、ヤマグワでは残ってツンツンとよく目立つので、種の識別に役立ちます。」(同上)




黒くなって食べごろになると柱頭も落ち、すべすべした肌になるようです。
「果実は雌花の尾状花序の小花が発達した多花果で椹じんやドドメなどとも呼ばれます。ドドメ色は桑の実の黒紫色から来ています。」(同上)









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