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岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

キンミズヒキとダイコンソウ - バラ科

2023-09-11 16:00:00 | みんなの花図鑑
キンミズヒキとダイコンソウにはひとつの共通性があります。
両方ともバラ科という共通性の他にです。

キンミズヒキ

キンミズヒキはバラ科キンミズヒキ属の多年草で、
こちらは於大公園(東浦町)の薬草薬木園のキンミズヒキです。



なぜ薬草園にあるのかと調べると、
「全草のエキスは、血小板増加による血液凝固促進と止血作用がありますので、強壮収斂(しゅうれん)止血剤とされていて、喀血(かっけつ)、血便、子宮出血などの止血に用います。」(e-yakusou.com 薬用植物一覧表「キンミズヒキ」より)



花の咲いた状態を金色の水引に見立ててこの名前があります。



さて本題の花後の果実です。そうです、ひっつき虫になるのです。



「くっつく正体は果実を包むように付く萼です。萼は無数のトゲのようになっており、さらに先端がフック状にくいっと曲がっています。マジックテープⓇ(面ファスナー)と同じ原理で体毛や服の繊維にトゲの先端が引っかかってくっつく仕組みです。」(ヤサシイエンゲイ「キンミズヒキ」)




ダイコンソウ

ダイコンソウ(Geum japonicum )はバラ科ダイコンソウ属の多年草。
「全草を干し乾燥したものをスイヨウバイ(水楊梅)といい生薬として使用します。」
「ダイコンソウの由来は地上すれすれに出ている根生葉がダイコンの葉に似ていることから付いたそうです。属名のGeumはギリシャ語のGeuo(美味)の意味で根及び花に由来し名付けられたそうですが、本草書として有名な本草網目には性味:辛、温、無毒と記載されているので、古代のローマ人は辛いモノを美味としていたのでしょうか。」(日本薬学会 生薬の花「ダイコンソウ」)




「この植物の特徴は花頭にあり、多数の雌しべそれぞれに腺毛が生え、先端がかぎ状に曲がっていることです。」(同上)



「そう果は開花後に落下し動物にくっつき果実が散布されるので、この花頭こそがダイコンソウ繁殖のカギになっているのです。」(同上)



「国内には類似の植物であるオオダイコンソウG. aleppicumやミヤマダイコンソウAcomastylis calthifoliahaが見られますが、花頭はダイコンソウとは違い、オオダイコンソウの花頭は斜め横か下向きで、腺毛がありません。更にミヤマダイコンソウの花頭は関節がなく真っ直ぐに伸びているためダイコンソウ属と区別されているようです。」(同上)



ベニバナダイコンソウ

西尾市憩の農園で以前撮ったものです。



「西アジア(トルコ)、南ヨーロッパ(アルバニア、ボスニアヘルツェゴビナ、ブルガリア、ギリシャ、マケドニア、モンテネグロ、セルビア)原産。英名はdwarf orange avens , red avens , avens。別名はセイヨウダイコンソウ。」(三河ン植物観察「ベニバナダイコンソウ」)



園芸センターのものなので、花後の姿が見られません。





セイヨウダイコンソウ

こちらは以前、岡崎の山里で撮ったものです。



名前が判らず Google Lens で検索したところ、セイヨウダイコンソウと一点張りでしたので、それに従って「セイヨウ」をつけて呼んでいます。
でも、私には判別点は分かりません。



「果実は痩果で球形に集まってつきます。
痩果にはかぎ状に曲がった花柱が残り、服などについて運ばれます。」(EVERGREEN植物図鑑「セイヨウダイコンソウ」)




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