6月といえばまずアジサイなのでしょうが、へそ曲がりなので、しばらく野草をやります。
最初は ヤグルマギク。

えっ、ヤグルマギクって野草なの?
そうですよ、ちゃんとwiki に書いてあります:「ヨーロッパ原産。
もとは麦畑などに多い雑草だった…」(wiki「ヤグルマギク」より、太字引用者)

もともとの花の色はいまでも一番よく見る青紫色でした。
上のwiki のつづき
「もとは麦畑などに多い雑草だったが、園芸用に改良され紫、白、桃色などの品種が作られた。」(同上)
和名の「矢車菊」は 鯉のぼりの竿先に付ける「矢車」に花の形が似ていることから。

「日本には明治期に導入されたが、現在では帰化植物として野外でも多く見られる。原産地同様に麦畑に侵入すると、収量を5割から9割も減らす強害雑草となるため恐れられている。」(同上)

えっ、このヤグルマギクの画像、実は麦畑に生えていたのを撮ったんですよ (@_@)

このヤグルマギク、名前の通り「キク科」の花でたくさんの小花が集まってできている頭状花序なのですが、いわゆるキクの花と比べちょっと変わっています。

ここでキク科の花についておさらいすると 花の形態には 3つのタイプがあります。
・キク亜科 中心が筒状花で、周囲が舌状花
・タンポポ亜科 すべての小花が舌状花
・アザミ亜科 すべての小花が筒状花で構成されています(一部例外もあります)
ヤグルマギクは上の3つのうち、花弁のようにみえる部分も中央部分もすべて筒状花で構成されるアザミ亜科のグループなのです。

ということで、この矢車の風車のように横に出ている小花も、中心部の黒い棒が伸びている小花も、どちらも筒状花と呼ばれる花なのですが、そうはいっても、やはり違いはあります。横に放射状に延びている筒状花は雄しべ・雌しべが無いというのです。

なら、別の呼び方すればいいのに (´・ω・)
まあ、花冠が筒状になっているから(シベがあっても無くても)筒状花なんだと言えばそうなのですが。(舌状花というのは花弁の1枚だけが肥大化した花)

さて、ここからようやく本題です。
ヤグルマギクの「雄しべと雌しべ」についてです。
上のにょきにょき出ている黒っぽい棒が「雄しべ」(雄ずい とも)です。たくさんの雄しべの花糸が合着して筒になっているのです。筒の内側の壁には花粉が出ています。

あるとき、黒い棒の先から未成熟の雌しべが 花粉を押し上げながら出て来ます(花粉期)。キク科(や アオイ科の花)に特徴的な雄しべと雌しべの構成です。

雌しべの花柱は伸び切ると2つに割れ内側に柱頭を成熟させます(雌性期)。

花は花粉期と雌性期(柱頭期、受粉期)を時間をずらすことにより自家受粉が起こらないように工夫しています。
柱頭や花柱についている白い粒々は両方とも花粉なのでしょうが、由来は違うと思われます。花柱についているほうは この雄しべ筒の中を未成熟の雌しべが上がってくるとき付着させた花粉で、他方、中途についている花粉は雌しべが成熟して柱頭を開いてから付いた花粉と考えたほうが自然と思われます。(もちろん実際は分かりませんが)

白い花にセイヨウミツバチがやってきています。

ミツバチは花粉を採りに来ているのでしょうか、蜜を漁りに来ているのでしょうか?

花粉放出について、にわかには信じられませんが、面白い話があります。
中心の筒状花に「指や昆虫の脚などがふれると刺激された葯から花粉が押し出される」(松江の花図鑑「ヤグルマギク」)というのです!

「指で触れても」ということで、そのまねごとをしてみましたが、どういう状態のシベにそうしたら花粉が出て来るのか分かりませんでした (ToT)
こちらは 成功例です(↓)
ヤグルマギクの面白い実験
〔参考〕
それと今回撮ったヤグルマギクの筒状花には、雄しべ筒の中の花粉を押し出した状態があまり見られませんでした。「押し出す前の状態」か「押し出した雌しべが成熟して柱頭が展開している状態」がほとんどだったのです。
他のアザミ(の仲間)では 以下に示すように「雄しべ筒の中の花粉を未成熟な雌しべ棒が押し出した状態」がよく見られます。

5月12日、於大公園にて

ノアザミ?

ノアザミ?

アーティーチョーク?
.
最初は ヤグルマギク。

えっ、ヤグルマギクって野草なの?
そうですよ、ちゃんとwiki に書いてあります:「ヨーロッパ原産。
もとは麦畑などに多い雑草だった…」(wiki「ヤグルマギク」より、太字引用者)

もともとの花の色はいまでも一番よく見る青紫色でした。
上のwiki のつづき
「もとは麦畑などに多い雑草だったが、園芸用に改良され紫、白、桃色などの品種が作られた。」(同上)
和名の「矢車菊」は 鯉のぼりの竿先に付ける「矢車」に花の形が似ていることから。

「日本には明治期に導入されたが、現在では帰化植物として野外でも多く見られる。原産地同様に麦畑に侵入すると、収量を5割から9割も減らす強害雑草となるため恐れられている。」(同上)

えっ、このヤグルマギクの画像、実は麦畑に生えていたのを撮ったんですよ (@_@)

このヤグルマギク、名前の通り「キク科」の花でたくさんの小花が集まってできている頭状花序なのですが、いわゆるキクの花と比べちょっと変わっています。

ここでキク科の花についておさらいすると 花の形態には 3つのタイプがあります。
・キク亜科 中心が筒状花で、周囲が舌状花
・タンポポ亜科 すべての小花が舌状花
・アザミ亜科 すべての小花が筒状花で構成されています(一部例外もあります)
ヤグルマギクは上の3つのうち、花弁のようにみえる部分も中央部分もすべて筒状花で構成されるアザミ亜科のグループなのです。

ということで、この矢車の風車のように横に出ている小花も、中心部の黒い棒が伸びている小花も、どちらも筒状花と呼ばれる花なのですが、そうはいっても、やはり違いはあります。横に放射状に延びている筒状花は雄しべ・雌しべが無いというのです。

なら、別の呼び方すればいいのに (´・ω・)
まあ、花冠が筒状になっているから(シベがあっても無くても)筒状花なんだと言えばそうなのですが。(舌状花というのは花弁の1枚だけが肥大化した花)

さて、ここからようやく本題です。
ヤグルマギクの「雄しべと雌しべ」についてです。
上のにょきにょき出ている黒っぽい棒が「雄しべ」(雄ずい とも)です。たくさんの雄しべの花糸が合着して筒になっているのです。筒の内側の壁には花粉が出ています。

あるとき、黒い棒の先から未成熟の雌しべが 花粉を押し上げながら出て来ます(花粉期)。キク科(や アオイ科の花)に特徴的な雄しべと雌しべの構成です。

雌しべの花柱は伸び切ると2つに割れ内側に柱頭を成熟させます(雌性期)。

花は花粉期と雌性期(柱頭期、受粉期)を時間をずらすことにより自家受粉が起こらないように工夫しています。
柱頭や花柱についている白い粒々は両方とも花粉なのでしょうが、由来は違うと思われます。花柱についているほうは この雄しべ筒の中を未成熟の雌しべが上がってくるとき付着させた花粉で、他方、中途についている花粉は雌しべが成熟して柱頭を開いてから付いた花粉と考えたほうが自然と思われます。(もちろん実際は分かりませんが)

白い花にセイヨウミツバチがやってきています。

ミツバチは花粉を採りに来ているのでしょうか、蜜を漁りに来ているのでしょうか?

花粉放出について、にわかには信じられませんが、面白い話があります。
中心の筒状花に「指や昆虫の脚などがふれると刺激された葯から花粉が押し出される」(松江の花図鑑「ヤグルマギク」)というのです!

「指で触れても」ということで、そのまねごとをしてみましたが、どういう状態のシベにそうしたら花粉が出て来るのか分かりませんでした (ToT)
こちらは 成功例です(↓)
ヤグルマギクの面白い実験
〔参考〕
それと今回撮ったヤグルマギクの筒状花には、雄しべ筒の中の花粉を押し出した状態があまり見られませんでした。「押し出す前の状態」か「押し出した雌しべが成熟して柱頭が展開している状態」がほとんどだったのです。
他のアザミ(の仲間)では 以下に示すように「雄しべ筒の中の花粉を未成熟な雌しべ棒が押し出した状態」がよく見られます。

5月12日、於大公園にて

ノアザミ?

ノアザミ?

アーティーチョーク?
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