アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

シモツケ、ウツギ、ストケシア - 安城デンパーク

2023-06-11 16:30:00 | みんなの花図鑑
今日は日曜日なのに 雨なので、出かけられません。
少し前に安城デンパークで撮ってお蔵入りになりそうになってた花を順不同で出しちゃいます。

シモツケ

最初はバラ科のシモツケ。
いわゆる源平シモツケ。
和名は、この植物が下野(しもつけ)(栃木県)で最初に発見されたから、と、しごく単純。



白い花のシモツケは少しだけガマズミに似ていますが、より繊細で、近づくと長いシベに鼻がムズムズしてきます。



ところで、話は脱線しますが、「下野」をなぜ「しもつけ」と読むんでしょうね?
いろいろ話を寄せ集めると、昔は群馬・栃木あたりは「毛野」(けぬ)または(けの)と呼ばれていました。
時代が下り、「毛野」を2つに分け、都に近い群馬のほうを「上毛野」(かみつ・けの)、遠い栃木のほうを「下毛野」(しもつ・けの)と呼ぶようになります。(つ)は現代語の「の」にあたります。
あるとき「全国の地名を良い字を選んで二文字に統一しよう」という意味不明な?法令が出されます(和銅6年)。
そこで「上毛野」は「野」の字を外して「上毛」(かみつ・け)としました。いっぽう、「下毛野」(しもつ・けの)も「毛」の字を取って「下毛」(しもつ・け)としようとしたのですが「下毛」(しもげ)と呼ぶ国が大分県に先行してあったため、文字は「下野」の2文字としてこれを(しもつ・の)でなく(しもつ・け)と発音するようにしたのだとか。



雄しべの花糸が長いのがシモツケの花の特徴で、その根元に蜜腺があります。



シモツケの学名は Spiraea japonica
属名の Spiraea はギリシャ語で「螺旋」を意味し、果実がスパイラル(らせん状)になっていることに由来するそうです。
種小名の japonica はもちろん「日本の」ということですが、日本にだけ分布するからでなく、日本で発見され名付けられたということです。




サラサウツギ

ウツギの園芸品種で 八重咲きバージョンです。


ウツギ の学名が Deutzia crenata
(種小名の crenata は「円鋸歯状の」の意。)
サラサウツギの学名は Deutzia crenata forma plena
(学名中の forma は 品種 の意で) 品種名の plena は 「多くの」⇒「八重の」の意味でしょう。






ウツギ・マギシェン?

学名は Deutzia hybrida 'Magicien' または
Deutzia elegantissima 'Maggicien' となります。
別名に 「ベニバナバイカウツギ」とありますが、この植物はウツギ属(Deutzia)であり、「バイカウツギ属」(Philadelphus、後述)ではないので要注意です。
ウツギ属のロンギフォリア(Deutzia longifolia)とディスコロール(Deutzia discolor)の交雑種とされています。



「マギシェン」というと難しいけど英語読みすれば「マジシャン」フランス語で「魔術者」の意です(´∀`)
ウツギ属(Deutzia)の花は 雄しべの花糸がきしめんみたいに扁平なことが特徴です。




バイカウツギ


学名 : Philadelphus coronarius
種小名の coronarius は「corona(副花冠) に属する、corona(花輪) のような成長を示す」の意味だとか?



属名は 「BC3世紀のエジプト王 プトレマイオス2世(Ptolemy Philadelphus)に由来するとする説と"兄弟愛"を意味するギリシャ語に由来するとする説がある」そうです。




Dietes bicolor(アフリカン・アイリス)

可愛いのですが、学名 Dietes bicolor をカタカナにして「ディエテス・ビコロル」との名前では、どういう花なのかさっぱり分かりません。別名がいろいろあり、中でも「アフリカン・アイリス」などは南アフリカの東ケープ州産にふさわしいかな?と思います。
種小名の bicolor は ビコロルとラテン読みすると何のことか分からないけれど、英語読みすれば「バイカラー」で意味は「2色(からなる)」であることがすぐ分かります!(^^)!




属名の Dietes を機械翻訳させると「ダイエット」と訳しちゃいます。(Dietの語源は「自分の生活様式」という意味の古代ギリシャ語diatiaを語源としています。 )
同じように ChatGPTに 「植物の属名 Dietes の由来・語源を教えて!」と尋ねると なんとやはりダイエットと同義に置き換えて ↓こんな答えをタイプしてきます:
「"Dietes"は、ギリシャ語の「δίαιτα」(dieta)から派生しています。この言葉は「生活様式」や「生活の方法」を意味します。ギリシャ語の語根である「δίαιτα」は、ラテン語の"dieta"や英語の"diet"と関連しています。」

ChatGPTのいうこと信じちゃダメですよ

正しくは
「属名はギリシア語で「2」を意味するdi-と「類似性」を意味するetesが由来である。」(wiki「ディエテス属」)
もっとも 現代ギリシャ語の「2」は 「δύο(ディオ)」らしいので、ラテン語の「2」の「di」から、と考えればOKですね(^^)/



ストケシア





ストケシア(Stokesia laevis)はキク科で、原産地は北米の南東部に繁茂する野草だったそうです。



るり色(ウルトラマリンブルー)のストケシアの花は先日観察したヤグルマギクにちょっと似たところもありますが、ずっと繊細で、花弁など透き通っていてやさしい感じです。



ハナアブやミツバチが盛んに訪れては蜜を漁っています。



ハチの写真撮るのに忙しく、シベのマクロ写真撮るのを忘れましたが、Yの字型をした白い器官が雌しべで、その基部でやや褐色の筒が 雄しべ筒です。





サネカズラ・コッキネア


学名は 「Kadsura coccinea」(安城デンパークの樹名板より)



マツブサ科サネカズラ属の黒老虎(別名:布福娜)の産地は、主に中国とベトナムの山岳地帯ですが、名前の由来は「悪魔の実のような球体の果実をつける」からだそうです。

Home of the Kadsura Dragon


何だか、名前に終始したスレッドとなりました (´・ω・)


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犬も歩けば…タチアオイ

2023-06-10 16:42:02 | みんなの花図鑑
犬も歩けば…タチアオイの季節のなってきました。
毎度おなじみ シベの観察です \(^o^)/


タチアオイが開花すると、まず雄しべが活動します。たくさんの雄しべの花糸は合着して一本の筒になっています。



雄しべ筒ですが、表面は花粉で覆われています。この状態が二日ほど続きます。




雄しべ筒の先から赤い棒状のものが顔をだして来ました。赤いものは雌しべの花柱です。



雌しべ(の花柱)は雄しべの筒の中を貫通して伸びてきます。




花柱の先が分かれて柱頭を成熟させます。雌しべ期の始まりです。



雌しべは柱頭を広げて初めの数日は虫が他の花から花粉を運んできてくれる(他家受粉)のを待ちます。



アリが蜜を吸いに来ています。



蜜は雄しべ筒の根元にあります。




ですが、他の花の花粉にありつけることは確率が低いようです。




他家受粉できないと見るや?、柱頭をくるりと下に下げ、自分の体の雄しべの花粉を採りこもうとします。(同家受粉)





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ガマズミ、アジサイ、ネズミモチ - 白い樹の花

2023-06-09 17:14:35 | みんなの花図鑑
先日、白い木の花をやりましたが、きょうはその後の白い樹の花です。

ガマズミ

ガマズミ科ガマズミ属
学名:Viburnum dilatatum
属名のViburnum のビブルヌム はよく英語読みして「ビバーナム」の名でこの属の木が出回っています。








ヤブデマリ


学名: Viburnum plicatum var. tomentosum



「やや黄色を帯びた小さな両性花が集まる花序のまわりに、白色の大きな5枚の花弁の広がった装飾花が縁どる」
「装飾花は(中略)無性花で花弁だけが広がったものだが、その5枚のうち1枚が極端に小さくユニークな形であり、他の似た種との区別がしやすい。」(wiki「ヤブデマリ」)





カシワバアジサイ

学名: Hydrangea quercifolia
この木も属名を英語読みして 「ハイドランジア」の名でたくさんの園芸品種が出回っています。





アメリカノリノキ'アナベル'


学名: Hydrangea arborescens ’Annabelle’



アジサイとアメリカノリノキの違いは、花房の大きさと色です。日本でよく見かける「山紫陽花」は15cm~20cmの青色や紫色の花房ができるのに対し、「アメリカノリノキ」は20cm~30cmの白色やピンク色の花房ができます。











イワガラミ

クリックで拡大
学名:Hydrangea hydrangeoides












セイヨウアカミニワトコ


Sambucus racemosa








ネズミモチ

学名:Ligustrum japonicum


「モチ」が付きますが、モチノキ科ではなくモクセイ科。



ネズミモチ、トウネズミモチ、イボタノキなどの花はみなこのような筒状の花をつけます。





コミノネズミモチ


学名:Ligustrum sinense
モクセイ科イボタノキ属


別名はシルバー・プリベット
別名はシナイボタチャイニーズ・プリベット
✖ セイヨウイボタ(ヨウシュイボタ)、
✖ プリベット





リグストルム ’ビカリー’


学名:学名:Ligustrum ‘Vicary’




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ニゲラ ’トランスフォーマー’ - Google Lensでヒット

2023-06-08 15:00:00 | みんなの花図鑑
きょうは ニゲラ(クロタネソウ)のお話です。

ニゲラ オリエンタリス’トランスフォーマー’

これは少し前(5月上旬)安城デンパークの秘密の花園で出会った花です。面白い形をしていますが、名前が分かりません。



まあ、名前は分からなくても、中心の緑色のモニュメントの集合みたいなのがめしべ(の花柱)でそれを下のほうで取り巻いている蓮華座みたいなのが雄しべの集合だろうということは判るのですが・・・
やっぱり名前が知りたい !(^^)!



ということで、植物図鑑を持ってない私が名前を知る方法はスマホアプリの PictureThis と Google Lens です。
PictureThis は一週間だけ無料でしたが、そのとき試した結果ヒット率がGoogle Lensよりよかったので一年使ってみることにしました。



今回もまず PictureThis で検索してみました 。ところが、ニオイクロタネソウを第一候補に挙げてきますが、参考画像のなかに私がとった写真のような黄色い花の画像がありません。そこで第2候補を見て見ると今度は「ニゲラ」と言ってきます。でもあとで出しますが、ニゲラ(ダマスケーナ)のかたちは時期によってさまざまに変化しますが、これとは違います(下図↓ 左側)

そこで、もしかしたらと思い Google Lensで検索してみることにしました。(右図)
そしたら 私が撮ったのと同じ黄色の参照画像を表示してきました。名前は「ニゲラ ’トランスフォーマー’」となっています。

ニゲラ・オリエンタリス ’トランスフォーマー’
Nigella orientalis 'Transformer' )
キンポウゲ科ニゲラ(クロタネソウ)属
ニゲラ・オリエンタリスはその種小名から分かる通り、ニゲラの分布地として東の果て、西アジア原産です。
ニゲラ唯一の黄色い花で、蜜腺状の部分に茶色い縞が入っています。
花弁は退化して蜜腺状になり、5枚の萼が花弁状に発達しています。
「トランスフォーマー(変圧器)」という品種名は、中心部(5〜8本の雌しべ)が花が開く前(1番下の写真)から目立ち、それが花の上に傘を開げたような莢に変形するからだと思います。
その後果実はオダマキと区別しがたい形の袋果(莢)に育ちます。
(以上、花日記 alpicola-blogさま「クロタネソウのトランスフォーマー」より)





ニゲラ ダマスケナ

前後しますが、よく見るニゲラ(和名 クロタネソウ)も掲載しておきます。
Nigella は ラテン語で「黒い」を意味するniger に由来しています。
何が黒いかというと種子が黒いのです。
たんにニゲラ(クロタネソウ)とよばれるものは Nigella damascena を指します。
種小名の damascena は、この植物がダマスカスからヨーロッパにもたらされたことに因んでいます。



花弁のように見えるのは5~10枚の萼片で、糸状に分枝した総苞片が花のまわりに広がっています。
’トランスフォーマー’ と同じく 中心に雌しべの花柱が 林立し(実際は5本)?、その周囲を雄しべが取り巻いています。



果実は風船状に膨らんだ楕円状の蒴果で、稜があり、 先に角が数本あります。



袋の中には 熟すと黒い種子が多数入っています。





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ペラルゴニウム展 - 安城デンパーク

2023-06-07 15:00:00 | みんなの花図鑑
安城デンパークのフローラルプレイスで、「今も昔も楽しまれるペラルゴニウム展 」をやっていました。
デンパークで保有している品種を中心に、ペラルゴニウム属65品種が展示されていますが、その一部を紹介します。
6月12日(月) まで


原種ペラルゴニウム
ペラルゴニウム テトラゴナム

「ペラルゴニウムは、テンジクアオイ属フウロソウ科に属する南アフリカ原産の多年草で、ゼラニウムの仲間です。」(BOTANIQUE「ペラルゴニウム (花)の育て方!」)


「花びらの中心に斑紋が入るものや、ストライプ状の模様が入るもの、ビオラのような2色咲きの小輪花など、ゼラニウムより多種多様な花色や模様があります。」(同上)


「「ペラルゴニウム Pelargonium 」という言葉は、ギリシャ語でコウノトリのくちばしを意味します。」(同上)



シベに注目します。このシベはゼラニウムと同じシベです。
ペラルゴニウムとゼラニウムとはどういう関係にあるのでしょうか?


調べてみると、ペラルゴニウムは、「ナツテンジクアオイ」の別名があるように春から夏にかけて咲く、一季咲です。
いっぽうのゼラニウムは四季咲きのちがいがあるようです。



センテットゼラニウム
ローズセラニウム(ローズ系の香り)

ペラルゴニウム属の植物の中には良い香りがするものがあります。



中でも特に芳香の強いグループをセンテッドゼラニウム(scented geranium)と呼んでいます。



scented は「香りのある」の意です。






センテッドゼラニウム
ブランドホルディアヌム(樹脂系の香り)









センテットゼラニウム
’フェアエレン’(樹脂系の香り)





センテットゼラニウム
’オールド・スカーレット・ユニーク’(麝香(じゃこう)系の香り)






センテットゼラニウム
’スプリングパーク’(レモン系の香り)









リーガル系ゼラニウム
ペラルゴニウム’アリスト・ビューティー’

「リーガル・ゼラニウムは学名Pelargonium × domesticum、別名「ナツザキテンジクアオイ」や「リーガル ゼラニウム(regal geranium)」とも呼ばれており、グランディフロラム種(P.grandiflorum)とククラタム(P.cucullatum)の交雑によりうまれた雑種の多年草です。」(BEGINNER's GARDEN「リーガル・ゼラニウムの特徴や育て方、増やし方等の紹介【ナツザキテンジクアオイ】」)


リーガル・ゼラニウムの最大の特徴(魅力)は、ゼラニウムの中でも最も大きく華やかな花にあります。(同上)




リーガル系ゼラニウム
ペラルゴニウム’ポップルシリーズ’





ペラルゴニウム
ペラルゴニウム(デンパーク保有品種②)








ペラルゴニウム
ペラルゴニウム(デンパーク保有品種③)





ペラルゴニウム
ペラルゴニウム(デンパーク保有品種⑪)





センテッドゼラニウム
’ジンジャー’(レモン・ローズ系の香り)





センテッドゼラニウム
’スケルトンローズ’(ローズ系の香り)





センテッドゼラニウム
’レディ・メアリ’(レモン系の香り)









伊賀川散歩 - 草木クイズ(改訂版)

2023-06-06 20:10:49 | みんなの花図鑑
岡崎の伊賀八幡宮付近の伊賀川を散歩しました。
出会った草木は(一部を除いて)よく知ってる草木ですのでクイズとしてお楽しみいただこうと思います(^_-)-☆

Q1

ごらんのとおり、キキョウの花そっくりです。別名「ダンダンキキョウ」


とくにシベが キキョウの花にそっくりです。キキョウと同じように 「雄性期」と 「雌性期」があり 雌雄時期を変えて咲きます。

答えは最後にまとめて出します




Q2

川沿いの並木なのですが、この木だけ 果実がびっしりなっていました。


果実は食用ではないのですが、真っ黒に熟せば食べることもできます。
木の名前は「ラ」で終わります。


答えは最後にまとめて





Q3

土手に生えていたイネ科の雑草ですが、今どこへ行っても見られます。


黄色くぶら下がっているのが雄しべ。


白いブラシのようなのが雌しべの柱頭です。
名前は「ホ」で始まり、「ギ」で終わります。

答えは最後に




Q4

ヨーロッパから北アフリカ、西アジアが原産のタデ科の多年草。


6月から10月ごろ、茎の上部に穂状花序をだし、赤色を帯びた小さな花を間隔をあけて輪生状に咲かせます。
名前は「ア」で始まり、「シ」で終わります。

答えは最後に





Q5

伊賀八幡宮の池にて。花が咲くのは7月ごろだそうです。


おおきな葉っぱの真ん中には茎を貫通する穴が開いていて、葉っぱにお酒を注ぎ下に伸びた茎の先からそれを飲むとこの植物の香りがほんのりする酒を飲むことが出来ます。

答えは最後に





Q6

伊賀八幡宮にて
翼果です


左右に伸びているプロペラ状の翼が ほぼ水平に出ているのが特徴です。
名前は「イ」で始まります。

答えは最後に






Q7

梅雨どきに大型で純白の6弁花を咲かせ、強い匂いを放っています。
香りはとても濃厚なため、敏感な方にとっては「リビングの近くに鉢植えを置いていたら頭痛の原因になった」というケースもあるようです。


タコの足のような部分(6本足)は役目を終えた雄しべです。雄しべは蕾のときに雌しべにぴったりくっついていてそのときすでに花粉を放出し(というか、塗り付け)ているのです(@_@)
名前は「ク」で始まります。

答えは最後に





Q8

この木には邪気を払う力があるとされるため、鬼門対策として植える伝統も根付いています。



秋には真っ赤な実をつけます。

答えは最後に






Q9 画像は2枚

畑の野菜です。


白以外に うす紫の花もあります。


答えは最後に




最後です
Q10 画像は2枚

伊賀川の土手に生えていました。とても小さい野草です。
くるりと巻いた茎の先をサソリの尾に見立てて、「さそり型花序」といいます。



葉をもむと、ある野菜の匂いがするため、この名がつけられました。ただし葉は下のほうにしかありません。
名前は「キ」で始まります。




それでは 答えです
答えは過年度に撮った画像のあとに示します

A1. キキョウソウ (20-5-21撮影)


A2. サクラ (20-5-22 東海市役所)



A3. ホソムギ (18-5-12)
参考までに ↓ これはイヌムギ です

イヌムギ(18-5-12)




A4. アレチギシギシ (21-6-14)




A5. ハス (22-7-27 伊賀八幡宮にてコンデジで撮影)



A6. イロハモミジ (23-5-04 安祥城址公園)




A7. クチナシ (21-6-17)
上の画像は開花直後のクチナシです。おしべが雌しべにくっついていた(花粉をめしべに付着させていた)跡がありありと残っています。




A8.  ナンテン
(18-6-6 スマホにマクロレンズつけて撮ったもの)



A9.  ジャガイモ (18.4.26)

A9.  ジャガイモ (18-5-09)




A10. キュウリグサ (23-4-14)
「私はこのムラサキ科の者を絶対にタビラコと認めぬゆえに、新にこれに贋(にせ)タビラコの新称を与えて置いたが、その後それにキュウリグサの名がある事を知った。これはその生なまの葉を揉めばキュウリ(胡瓜)の香がするからである。」(牧野富太郎『植物記』より)





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マンテマ、ムシトリナデシコ - ナデシコ科

2023-06-05 15:00:00 | みんなの花図鑑
むかし、♪ イヨ~マンテ~♪ なんて唄がありましたが・・・(!古!)
きょうの初夏の野草は「いよ~、マンテマ~」であります(笑)

マンテマ

これがナデシコ科のマンテマです。
仲間にシロバナマンテマ(↓)があります。


シロバナマンテマ

シロバナマンテマ(ピンク)
ピンク色をしていても 赤花マンテマと言わなくて、シロバナマンテマなんですね




マンテマというのは花弁の色が暗い赤に白い縁どりが入っている花のことです。もっとも実際は花弁の色は白であり、その中に暗い赤の斑が入っている、というのが正確なんだそうですけど。




そして、ややこしいことに、「マンテマ」は「シロバナマンテマの変種」なんです!
「マンテマは江戸時代末期に渡来し庭などに植えられていたものだ
 のちに入ってきたシロバナマンテマはマンテマに対して花が白っぽい。ということで名がつけられたが
 シロバナマンテマが基本種でマンテマはその変種なのだ」(神戸の花と木(今の花と木の様子)「シロバナマンテマ」)




マンテマもシロバナマンテマもピンクのシロバナマンテマも、花が違うだけで、他はみな同じなのだそうですが・・・
そして「マンテマ」という面白い名前ですが、由来がはっきりしません。
「・・・「マンテマ」という不思議な和名の由来は、牧野の植物図鑑には、「海外から渡って来た当時の呼び名のマンテマンの略されたもので、このマンテマンは多分にAgrostemma(ムギセンノウ)という属名が転訛したものではないかと想像する。」と書かれています。因みに、「センノウ」は、嵯峨の仙翁寺にあったナデシコというような意味です。」(PLANT LIFE SYSTEM 研究紹介「3-2. Silene latifolia (ヒロハノマンテマ)」)




マンテマは毛むくじゃらです。長い毛と腺毛がいっぱい付いています。




「マンテマには長い毛と短い腺毛が多い。特に萼筒には腺毛が多い。この粘液は大切な花を守るためのものである。毛だけでも防虫効果がありそうであるが、腺毛もあわせ持っていると小さな昆虫は這い登ることが困難であろう。」(植物雑学事典「マンテマ Silene gallica var. quinquevulnera」)




「粘液に忌避物質を持っているとさらに効果は高いであろうが、その点はわからない。」(同上)






ムシトリナデシコ

いまさらですが、ナデシコ科マンテマ属の帰化植物です。
ムシトリナデシコはムシトリマンテマだったのです。
地中海沿岸原産で、日本には幕末に観賞用として移入、全国の野に広まりました。



萼はマンテマが太いのに対して ずいぶんほっそりしています。



「雄しべは10個あって、早番の雄しべ5個と、遅番の雄しべ5個があるようである。」(続・樹の散歩道 「ムシトリナデシコの花の観察」 )




「虫取り」の名の由来は 花の下の葉の下の茶色い部分にあります。ここから粘液が出ていて、花のほうに上がって行こうとする虫をくっつけて動けなくしているのです。







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ノラニンジン - 初夏らんまん?!

2023-06-04 15:00:00 | みんなの花図鑑

<初夏の野草>きょうは「ワイルドキャロット(野生の人参)」ノラニンジン です!(^^)!




「根は直径約1㎝と細く、食べられない。昭和の初期に牧野富太郎博士によって見出され、現在では日本全土で見られる。特に北海道では普通に見られる。」(三河の植物観察「ノラニンジン」)
「ヨーロッパ原産の帰化植物で、昭和の初めに見い出され、今では全国の道端や畑、荒れ地に広がっている1年草~越年草。」(Tam's 素人植物図鑑「ノラニンジン」)




「従来ニンジンが野生化したものだといわれてきたが、根は赤くも太くもならず食用にならない。日本にあるものは別の複数の経路から入ってきたものと考えられている。」(同上)




マイ・バイシクー といっしょに (^_-)-☆




「白い5弁花。花弁は舟形に丸まり、花序の外側の花弁がやや大きい。花序の基部にある苞は糸状に細裂している。」(wiki「ノラニンジン」)




ノラニンジンには アカスジカメムシがよく来ます。



ハエ(ツマグロキンバエ?)もよく来てます。




ニンジンの葉によく似ています。
というのも、ノラニンジンでなく、野菜のニンジンをとう立ちさせてもこのような花になります。私自身は育ててないので、元が野生か、野菜だったのか区別できません(´・ω・)

ニンジンとレースフラーワー




「茎の先に複散形花序を出し、白色の花を密生してつけるが、花序の中心部にしばしば暗紫色の花が数個混じる。」(Tam's 素人植物図鑑「ノラニンジン」)




「大花柄は10-50個で基部に糸状に細裂した総苞片があり、花後に直立して花序を包む。」(同上)




「小花柄の基部には線形の小総苞片がある。花弁と雄しべは5個、雌しべは1個。中心部の花の花弁は同大だが、周辺部の花の花弁は外側が大きい。」(同上)




以下、過年度に撮った画像より

とても野生とは見えません。イングリッシュガーデンなどに居ても似合いそう (´∀`)



田植えの終わった田んぼのあぜにも。



見上げれば、真夏の空が。



牧野富太郎の描いた植物画のよう。
(いま安城デンパークのフローラルプレイス(大温室)に行くと、牧野富太郎氏の植物画がみられます)




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麦畑のカラスムギの戦略?!

2023-06-03 15:00:00 | みんなの花図鑑
カラスムギ

初夏の野草第3回は 第1回ヤグルマギキのときと同様、麦畑に生えていたカラスムギです(@_@)
(バックの青色がヤグルマギクです)



麦畑にこんな風に我が物顔で生えてます。




穂がまだ青いとき。
「カラスムギの小穂は下に垂れ、中には3つの種子ができる。そのうちの2つには長い芒(のぎ)があり、包頴(ほうえい)から飛び出している。」(植物雑学事典「カラスムギ」)



そして熟してくると、包頴(ほうえい)が白くなってくるんですね。




今回初めて発見したのですが、針のような芒(のぎ)が途中で折れ曲がっているんですね。



たまたまかと思ったら、どれもこれもみな折れ曲がっています。




これに関して 面白い話がありました。
カラスムギの芒(のぎ)は縄をなったように捻(ね)じれている、というのです。しかも・・・
「ねじれた芒(のぎ)は濡れるとねじれがゆっくり戻ってほぼ直角に曲がった先端部がくるくる回転し、これが何かに引っ掛かると種子(穎果)自身がドリルのように回転することになって土の中にもぐり込むというのである。」(続・樹の散歩道「カラスムギの芒(のぎ)がくるくるまわって種子が土にねじ込まれるなどということが本当にあり得るのか?」)




実際、YouTubeにもこの現象を扱った動画がいくつかあります(芒の表面はより糸のようによじれていて、水でぬれるとより糸が解けるように戻っていくので、直角に曲がった芒の先が地面に当たると今度は小穂(しょうすい)のほうが回転するのです)。




これに対する記事を書いた方の見解は以下のようです:
「軽いものがいくらジタバタと転がったとしても、土の中にもぐり込む力は生まれないと思われる」
「地味なカラスムギに係わる意外な話題として、このストーリーは面白いが、変な妄想は健全な青少年を惑わす恐れがあり、仮にエネルギーを余しているのであれば、カラスムギの芒に強いねじれが生じるとともに、直角に曲がる不思議な現象について、そのメカニズムを解明することに努力願った方がよいと感じた次第である。」(同上)






コムギ

本来の畑の栽培物 コムギ のほうです。



やはり麦のシンボル?である長い芒(のぎ)が伸びていますが・・・



こちらの芒(のぎ)は真っすぐです。



でもこの芒(のぎ)も伸縮運動をしているという報告があります:
「コムギの種子は先が尖っていて,長くて毛のついた芒(のぎ)という付属物がそれぞれに2本ついている。ドイツのゴルムにあるマックス・プランク・コロイド界面研究所のチームは,芒についている小さなセルロース線維が,湿度が上がると伸びて芒を押し出し,乾燥すると縮んで引き戻すことを発見した。この伸縮運動が平泳ぎの足の動きのように機能し,種子が地表を動いたり地中にもぐり込んだりする。」(SCOPE & ADVANCE「コムギの筋肉 〜日経サイエンス2007年9月号より」)





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マメグンバイナズナ - 初夏の野草

2023-06-02 15:00:00 | みんなの花図鑑

きょうは台風の影響で、線状降水帯が発生するかもしれないと警戒していますが、これはその前の初夏らしい天気のときに撮ったものです。



この野草の名を教えてもらったのは今はなき?「みんなの花図鑑」掲示板でした。2016年のことです。
そのときアップしたコンデジ画像

も、今とよく似た集合写真でした(^_-)-☆



ひとつの花を拡大して観察すれば、アブラナ科ということはすぐ分かります。十文字型をした白い花なので。



でも、私が好きなのは 花ではなく、花後の果実のとき。



葉っぱのように見える茎いっぱいに付いた果実が、緑色から赤褐色に遷移するときのグラデーション。



生えているところはたいてい田んぼのあぜ。



マメグンバイナズナという名前ですが、果実が軍配のような形をしたグンバイナズナという野草があって、これはその小型版ということ。






時間が前後しますが、全体がまだ緑色のときのマメグンバイナズナ。



グンバイナズナの果実は軍配のようですが、マメグンバイナズナはもっと丸いので、もはや「グンバイ」ではないかも?
なお、ナズナのほうは
ペンペングサ
の愛称どおり、三味線のばちに似た格好をしています。



ハハコグサと一緒に。




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