アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

サルスベリとミソハギ - ミソハギ科

2024-08-07 15:00:00 | みんなの花図鑑
サルスベリ
ミソハギ科のサルスベリ、いろんな色があります。



毎度同じコメントばかりですが、サルスベリのおしべには 不稔性の黄色い葯のおしべと稔性の黒っぽくて長いおしべの2種類があります。








サルスベリが属するミソハギ科は主に熱帯地方に分布するグループで、サルスベリ属は東南アジアからマレーシア、オーストラリアに分布します。屋久島あたりが分布の北限といえると思いますが、じつは本州でも鮮新世と洪積世の地層から果実が出土しており、古い昔に絶滅した植物です。
(びわこ文化公園植物だより 〔β 版〕「サルスベリ.pdf」)


















ミソハギ

一方、同じミソハギ科のミソハギ。 サルスベリの花とどこが似ているのか? ちょっと分かりません。
強いて言えば、花弁がくちゃくちゃと揉まれたような姿をしていることかな?




雄しべにも2種類あるのですが、サルスベリの雄しべのように、虫の餌用と生殖用の2種類ではなく、長い雄しべと短い雄しべの2種類。



そして雌しべの長さも株によりちがい、上は 2種類の雄しべよりも めしべのほうが一番長いタイプ。











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アレチハナガサ、ヤナギハナガサ

2024-08-06 15:00:00 | みんなの花図鑑
アレチハナガサとヤナギハナガサはどちらもクマツヅラ科の植物で、名前もよく似ています。

ヤナギハナガサ

「ハナガサ」の名は菅笠に花飾りしたように見えることからだそうですが、こんな感じをイメージしたのでしょうか?!(^^)!





どうちがうかよく分かりませんが、ヤナギハナガサのほうがどちらかというと園芸品種風かな?



侵入経路
園芸種や緑化資材として利用されたものが逸出したと思われる.
(国立環境研究所 侵入生物データベース「ヤナギハナガサ」)



侵入年代
1940年代後半ごろから東海地方で確認されるようになった
(同上)







なお、雄しべや雌しべですが、花筒の中に隠れていて外から見ることはできません。
セセリガやハチの仲間が訪花しているから、花筒の奥に蜜があるのでしょうが、上の画像のように花筒の入り口付近には侵入を阻害する毛が生えていて中を覗くことが出来ません。






アレチハナガサ





侵入経路 侵入経路不明
(国立環境研究所 侵入生物データベース「アレチハナガサ」)



侵入年代 1957年頃から,福岡県・神奈川県で記録されはじめた.




やはり見ることはできませんでしたが、雄しべは4つ、雌しべは1つ、あるそうです。






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アメリカフヨウ ‐ アオイ科のシベ

2024-08-05 15:00:00 | みんなの花図鑑

多年草でフヨウによく似ていますが、フヨウは落葉低木であるのに対して、アメリカフヨウは宿根草です。




花は大きく、シベも大きいです。
アオイ科のシベは、雄しべが合着して出来た筒(雄しべ筒)のなかをめしべが貫通して 筒の外で柱頭を展開するという体制をとります。






アメリカフヨウの雌しべ(の柱頭)は雄しべ筒からでて上を向きます。




このアメリカフヨウは 雄しべ筒から一斉に花糸を上に向けて出しています。



アズキ色をした葯が割れて花粉が飛び出しています。







雄しべ筒の真下から出た花糸も底を這ったのち上に向けて葯を付けています。




雌しべの柱頭は5つに分かれています。




柱頭には細かい繊毛が付いています。




最後に、いつもの通り、雄しべ筒と雌しべの境目を観察します。












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日曜特集・本證寺のハス

2024-08-04 15:00:00 | みんなの花図鑑
ハリス副大統領の名前「カマラ(Kamala)」は「桃色のハス」という意味だそうです。(wiki「アマラとカマラ」)

初出 2021-8-1

本證寺は西尾市に近い安城市野寺にある、三河一向一揆で家康に対峙した三河三ヶ寺(他は岡崎市の上宮寺、勝鬘寺)のひとつ。




鼓楼や土塁を備えた城郭寺院で、ハスの花はその土塁前の内堀に咲いています。







このハスは2009年、本證寺ハスの会という自主グループの方たちが再生されたものです。























ピンクの蓮は南側の堀にあります。




































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グロリオサ - 炎のような

2024-08-03 15:00:00 | みんなの花図鑑
初出 2021-08-03

知人宅のグロリオサが真っ赤に燃えてます。




グロリオサ(Gloriosa)は熱帯アジア及びアフリカ原産のイヌサフラン科(APG植物分類体系。 旧分類ではユリ科)の植物(wiki 「グロリオサ」)




「グロリオサの一種、Gloriosa rothschildiana はジンバブエの国花であり、かつてローデシアの国花でもあった。」(同上)
種小名のrothschildiana は、イギリスのラン育成家 Jacocb Rothschildの名に因んだものだそうです。




グロリオサ(Gloriosa )の名は 「光栄、見事、立派」などの意味を持つラテン語「gloriosus」から。(てゆうか、gloriosusの複数形が Gloriosa ?)





この炎のような花びら、反り返って、おしべや雌しべと遠く離れています。
虫は当然、炎のほうに飛んでいくと思います。




でも、それでいいんですって?
「花が咲き終わると、花びらが閉じて、雌しべと雄しべをくっつけ合うんですよ。そうやって自家受粉するので、虫たちに頼る必要がないんです」って。




とすると、炎のような花弁は何のため?






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ナギ - ある神社にて

2024-08-02 15:00:00 | みんなの花図鑑

自転車で安城市の宇頭茶屋町の神社を通り抜けようとしたら、懐かしい樹が目に留まりました。
ナギ(梛)の木です。






ナギは神社でよく見る木のひとつです。
「熊野神社及び熊野三山系の神社では神木とされ、一般的には雄雌一対が参道に植えられている。また、その名が凪に通じるとして特に船乗りに信仰されて葉を災難よけにお守り袋や鏡の裏などに入れる俗習がある」(wiki 「ナギ」)





ナギNageia nagi(ナゲイア ナギ)
種形容語のnagiは、植物学者のカール・ツンベルクが日本の名を学名にしたものです。
(サカタのタネ園芸通信・東アジア植物記「梛の木(なぎのき)」 小杉波留夫)





樹皮は暗い緑色で地肌が褐色をしています。表面の皮がパズルのピースのように剥がれ褐色の地肌が現れます。(同上)






海南島や台湾、日本の本州南岸、四国九州、南西諸島などの温暖地方に分布する。しかし、紀伊半島や伊豆半島に生育する個体は古い時代に持ち込まれたものが逸出したものが起源と考えられる(史前帰化植物)。少なくとも春日大社のものは1,000年以上前に植栽されたとされている。(wiki)





アーカイブ
ナギ (和志取神社・安城市)

高さは20mくらい。



「葉の形は楕円状披針形で、針葉樹であるが広葉樹のような葉型である。」(wiki)








ナギ(京都の石清水八幡宮)

2018-03撮影
ナギ(梛)は マキ科ナギ属の(← wikiによる。他の記事では イチヰ科の)常緑高木で、
熊野神社及び熊野三山系の神社では神木とされるなど
神社とは 切っても切れない木です。



針葉樹ですが 広葉樹のような葉形をしています。
平行脈が走っていて 横に裂くことはできても
縦には切れないそうです。



独特の樹皮をしています。







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クサギ - 二段ばね

2024-08-01 15:00:00 | みんなの花図鑑

風が強かったので、

ごちゃごちゃしてますが、、

クサギの花はまず萼のつぼみが開いて、中から花冠のつぼみが突き出して、最後に おしべとめしべが伸び・・・というように、2段階で開花します。








シベの乱舞。
先が黒いのがおしべ。
先になにも付いていないのがめしべ。







雄しべが先に活動し、そのあとめしべが成熟します。
めしべの先が2つに割れているのが成熟したしるし。







蜜は花冠の奥にあるので、ふつうの昆虫は蜜腺まで届きません。クサギの「有力な虫媒花昆虫は、大型のチョウ類であるアゲハチョウの仲間で、カラスアゲハ、クロアゲハ、オナガアゲハ、モンキアゲハなど黒系のアゲハ」となります。(森と水の郷あきた「樹木シリーズ71 クサギ」)







巻き取られたようなシベがありますが、これは活動が終わったおしべ。おしべの活動期は開花してから約1日間。
そのあと雌しべが約2日間活動します。






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