アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

大輪朝顔 - 安城デンパーク

2024-08-17 10:00:00 | みんなの花図鑑
安城デンパークのフローラルプレイス(大温室)でアサガオを見てきました。ただし、午後のアサガオなのでいささかくたびれていますm(_ _)m

以下、コメントは安城デンパークの解説板より
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DENPARK
大輪朝顔
夏の朝に涼しげな花を咲かせるアサガオは、 古くから日本人に好まれ、さまざまな花色や形 を咲かせる品種が作られました。
その中から「大輪朝顔」をご紹介します。








アサガオは奈良時代に日本へ渡来され、初めは種子を 下剤として利用していました。花も5~6cmと小さなもの でした。





江戸時代になると花や葉の色・形に変異が起こったものが「変化朝顔」として栽培されるようになりました。 「大輪朝顔」もこのうちの一つです。花径は10cm以上、 大きいもので25cmにもなります。






展示株は葉の形が蝉に似ていることから「蝉葉」と呼ばれ、明治時代に朝顔愛好家によって作出されました。







「大輪朝顔」は花ができるだけ大きく、葉は小ぶりで しっかりした美しい草姿になるように栽培し、鑑賞します。









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アメリカンブルー、オジギソウ - 閉じるとき

2024-08-15 15:00:00 | みんなの花図鑑
アメリカンブルー

アメリカンブルー(エボルブルス)はヒルガオ科エボルブルス属の匍匐性多年草。
属名の Evolvulus はラテン語で「地をはって伸びていく」という意味です。




太陽の光に合わせて開花するため、日陰で育てていると花が咲きません。



また、曇りの日は花が閉じます。








オジギソウ

オジギソウは マメ科ネムノキ亜科の植物。
オジギソウの別名に ネムリグサ、ミモザがあります。



あれっ?と思われるかもしれませんが、
オジギソウの学名 は Mimosa pudica で、
アカシア類の花に「ミモザ」の名を用いるのは、あきらかな誤用です。



オジギソウで閉じるのは葉です。
Wikipediaによれば オジギソウの葉は、
・天敵によって傷付けられたとき
・水分の蒸発防止のため、
・昼夜の就眠運動により
開閉します。



「接触、熱、風、振動といった刺激によって小葉が先端から1枚ずつ順番に閉じ、最後に葉全体がやや下向きに垂れ下がる。この一連の運動は、見る見るうちに数秒で行なわれる。」(Wikipedia)







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アカメガシワ、サンゴジュ - 花から実へ

2024-08-14 15:00:00 | みんなの花図鑑
アップし忘れた2つの木ですが、紅い柱頭と赤い実で<赤>つながりとします。

アカメガシワ



アカメガシワはトウダイグサ科アカメガシワ属の落葉樹。





早くも鉄瓶色の実が。


秋になると。。。








サンゴジュ

サンゴジュはガマズミ科ガマズミ属(Viburnum)の常緑高木。



サンゴジュの名前の由来はもちろんこの赤い実です。



よく見ると、果実の頭には柱頭のなごりが深く残っています。

どんな花だったのかというと、以下です。









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wishbone flower と呼びたい水田雑草たち

2024-08-13 15:00:00 | みんなの花図鑑
きょうは アゼナ科の水田雑草をいくつかまとめて取り上げます。
かれらには wishbone flower と呼ばれる(呼びたくなる)共通する特徴があります。

ウリクサ

ウリクサは日本全国、朝鮮半島、中国、東南アジアの田んぼの畦や庭の隅などで見かける野草です。他のアゼナ科同様、立ち上げるよりも匍匐して伸びるほうが主の一年草です。春に芽を出して夏~秋にちっちゃな花を咲かせてのち枯れる一年草です。



唇形花で長さは7mm~8mmで非常にちっちゃいですが、白地に紫色がグラデーションのように入り、かわいらしいです。


アゼナ科の植物は 下表のように アゼナ属、アゼトウガラシ属、スズメノトウガラシ属、ツルウリクサ属の4属がありますが、ウリクサ は 最後のツルウリクサ(ハナウリクサ)属を代表する植物です。

(三河の植物観察)




さ~て、ここからが本題です。一つ前の画像で 勢い良く花弁の外に突き出ていた長いほうの おしべ2本が 手を結ぶようにアーチを作っています!


このアーチ型をしたおしべ、どこかで見ましたよね !(^^)!
そうです、花壇や園芸コーナーのトレニアと同じ「しぐさ」長いほうの雄しべ2本がアーチを作っているのです。


トレニアと似ているなんてちょっと世界が違うように思われませんか? 私も最初はそう思いました。
ウリクサは アゼナ科の ハナウリクサ属に属してます。ウリクサ属ではないのです。
じゃ、ハナウリクサってなんだ?!
勘のいい方ならお分かりのように、ハナウリクサとは トレニア のことだったのです (´∀`)



トレニア

ここで 元祖wishbone ash と呼ばれる花 「トレニア」の花のおさらいをしておきましょう。


トレニアには長短2組のおしべがあるのですが、長い一組同志、また短い一組同志が左右から花糸を出しアーチを作っていることが多いのが特徴です。



ところで、このトレニア(Torenia)は何科の植物なんでしょうか?
安城デンパークの名板では「アゼトウガラシ科」となっていますが・・・


ヤサシイエンゲイでは「ゴマノハグサ(アゼナ)科」となっていて、
Wikipedia では 「Torenia、トレニア属)はアゼナ科の属の1つ。」となっています。



トレニアが最初に挙げた水田雑草ウリクサに似ているのもそのはずで、実をいうと、トレニアの別名は「ハナウリクサ」なのです。



ハナウリクサ属というのは Torenia属 のことだったんです !(^^)!


一方、三河の植物観察によると、最初に掲げた水田雑草ウリクサは「アゼナ属からツルウリクサ属に移動された。」とあります。
あれ?と思って、「ツルウリクサ属」とは何ぞや?と調べると、「ツルウリクサ属(学名:Torenia、トレニア属)」とあります。
日本語属名がいろいろあり混乱しますが、結局、「ツルウリクサ属=Torenia トレニア属 =ハナウリクサ属」だったんですね (´∀`)



トレニアでは5本ある雄しべの1本が退化してなくなり、上側の2本の雄しべはアーチ形につながり、下側に2本の雄しべは短く雌しべの基部にあります。


トレニアは 英語で Wishbone flower と呼ばれています。
なぜそう呼ばれるのでしょうか?
そもそも「ウィッシュボーン」とは何のことでしょうか?

よく日本語サイトの説明では
 「wishbone flowerは、先が二つに割れためしべの形が鶏のウィッシュボーン(胸骨)に似ていることに由来しています。」 ??
との説明がありますが・・・実はそれは間違いです(キッパリ "(-""-)")


wishbone flower の由来は、左右から雄しべの葯がくっついて花糸がアーチを作った姿が

ウィッシュボーン(暢思骨)(wiki 「叉骨」より)
に似ているからなのです (^_-)-☆





ヒメアメリカアゼナ

上の「ウリクサ」と一緒に 田んぼの畦に生えていたアゼナ科のひとつです。
花しか撮ってきませんでしたが、本当はアゼナ類を区別するのは 葉による区別が最も分かりやすい、ということです。


アゼナ属


アゼナ類の葉による区別 (写真は 三河の植物観察 各記事より借用しました)

東北農業研究センター 「アゼナ類の区別の仕方について」より (ただし 4番目は 三河の植物観察「ヒメアメリカアゼナ」より引用)

アゼナ 葉は葉柄がなく、全縁(鋸歯がない)。卵状楕円形で5本の平行脈が目立つ。
アメリカアゼナ 葉の基部が葉柄状に細くなる。葉に明瞭な鋸歯がある。
タケトアゼナ 葉の基部が丸く葉柄はない。葉に鋸歯があるがやや不明瞭。
ヒメアメリカアゼナ 葉は対生し、長楕円形で、はっきりした鋸歯が葉に2~3対つき、上部の葉の基部は円形、下部の葉の基部は楔形。(三河)



肝心の葉の写真がありませんが、花も整理して比較してみると、これは ヒメアメリカアゼナ と分かりました (^^)/



「花柄の長さが苞葉の2~3倍と長いのが特徴である」(三河の植物観察「ヒメアメリカアゼナ」)



花冠の中を覗いてみると・・・
何やら おしべではないものが 動いています。虫の幼虫でしょうか? とっても小さいです (^^♪




アメリカアゼナ

水田雑草アゼナの仲間は 花で区別しようとしてもとても小さく個体差が微妙なので、区別するには 葉のほうを見るのが近道なようです。

これが アメリカアゼナの葉です。アメリカアゼナは 葉の縁に鋸歯があります。よく似た アゼナは全縁です。



アメリカアゼナは葉に明瞭な鋸歯があります。




アゼナ



アメリカアゼナとよく似ていますが、


葉が全縁なので アゼナと判定しました。






長いほうの雄しべ2つが wishbone を作っています。















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ヘチマ、ナス、トウモロコシ - 野菜など

2024-08-12 15:00:00 | みんなの花図鑑
ヘチマ




はじめ キュウリかと思いましたが。。。


こういうつぼみはできないので、ヘチマのほうですね










トウモロコシ

雄花は上にあって風が吹くと花粉を下の雌花に振りかけます。
(もっともトウモロコシの花粉は 200~250mも飛ぶそうですが)



雌花から絹糸が出て来ました。これが めしべの花柱です。


絹糸の一本一本がコーン(めしべの子房)と繋がっています。





ナス

巨大な雄しべの葯。


ナス科の花はよく似ています。





ジャガイモ



















ついでに、野菜じゃないけど・・・



ヤイトバナ

ヤイトバナは 標準和名 へ○○カズラ のことです。














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ムクゲ - アオイ科のシベ

2024-08-11 15:00:00 | みんなの花図鑑
ムクゲ(自宅)

自宅のムクゲです。よく見る中心が紅い(日の丸型の)花です。




雄しべ筒の外周から段々になって花糸が出ています。


雄しべと雌しべは別物なので、雄しべ筒の中から雌しべが突き出しているわけで、その境界があるはずなのですが、このムクゲでは 花粉粒にまみれて 境界がはっきり確認できません。






中心部分に小さな花弁が一枚見えますが、おしべが花弁化しているところです。






ムクゲ(神社)

やはり中心部が紅いムクゲです。










自宅のムクゲでははっきり分からなかった 雄しべ筒と雌しべの境界。



あまり期待せずに撮ってみたら、今度はバッチリ写ってました (^_-)-☆





ムクゲ(八重)

八重のムクゲの花弁は 雄しべが花弁化したものだということです。



他の花では八重になるとシベが無くなってしまうものが多いのですが、ムクゲではシベがまるでなくなるまで花弁化することは、逆に、珍しいようです。








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イソトマとミゾカクシ - キキョウ科

2024-08-10 15:00:00 | みんなの花図鑑
キキョウ科の似た者同士(´∀`)

イソトマ



イソトマ属(Isotoma)とはキキョウ科の属の1つ。オーストラリア、ニュージーランド、ソシエテ諸島、西インド諸島に10種程度が分布する。(wiki 「イソトマ属」)
普通、単に「イソトマ」というと学名: Isotoma axillaris、シノニム:Laurentia axillaris)のことである。オーストラリア原産。(同上)






属名の Isotoma は isos(等しい)+ tome(分割)の造語で、5枚の 花弁が同サイズであることを表したものだそうですが、私がこれをとりあげたのはむしろ 5枚の花弁が上2枚 下3枚に分かれていて、後述のミゾカクシの花弁を連想させたからです。
なので、いわゆる「イソトマ( Isotoma axillaris)」ではないのかもしれません。






もともと5本あった雄しべは葯を内向きにして合着し筒状となっています。雄しべ筒の中に花粉が排出された後、筒の中を未成熟の雌しべがゆっくりと上がってきて、外に顔を出すと、柱頭が2裂して受粉活動を始めます。〔2枚目の画像を参照〕




ミゾカクシ

ミゾカクシ (溝隠、Lobelia chinensis)はキキョウ科ミゾカクシ属の雑草。和名は、溝を隠すほど茂ることから付けられた。また、田の畦に筵を敷いたように生える様子からアゼムシロ(畦筵)ともいう。」(wiki 「ミゾカクシ」)




花弁が特徴的です。基本合弁花なのですが、先端が深く割れた唇形花なのです。
「ミゾカクシの花は、上唇が大きく2裂し、下唇が3裂するという表現になるが、元々合弁花なので「花筒の先端は5裂し」でもよいのかもしれない。」(植物雑学事典「ミゾカクシ(アゼムシロ)」)




そしてシベがまた特徴的です。鳥の嘴みたいな恰好をしているのです。




「花筒の上側は深く切れ込んで花の内部が見える。花柱の周囲には筒状に合着した雄しべの葯がある。」(同上)
「雄しべは上部で合着する。」




「雄しべは葯が合着して花柱を取り囲み、ヘビが鎌首をもたげたように見える。雄しべが花粉をだしてから、雌しべの柱頭が顔をだす。(野に咲く花)」(松江の花図鑑「ミゾカクシ(アゼムシロ)」)


そして・・・
「筒の先にある毛が押されると花粉が押し出されます。花粉が全部出たあとに雌しべがでてきます。」(沖縄の自然を楽しむ野草の本)」(同上)


(これまでの画像はすべて筒の先に雄しべの毛がある雄性期の花でした)

ここからは 雌性期の花です。

花粉が全て出ると柱頭が伸びてきます。




葯筒から伸びだした2裂する柱頭。







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アオツヅラフジ - ブドウ科

2024-08-09 15:00:00 | みんなの花図鑑
雌花

アオツヅラフジは雌雄異株で、こちらは雌花です。



花はとても小さく、花のときの雌雄はこれ位近づいてみないと区別できません(笑)
この雌花は子房の周囲にたくさんの蜜が付いています。




アリが来ているのをよく見ますが、雄株で花粉をつけて別の雌株に花粉を届けるためには一度地上に降りなければならず時間がかかりそうですね "(-""-)"




子房は6つの部屋(心皮)でできていて、受粉すると花被片を落とし柱頭は黒くなり、6つの部屋(心皮)が6つの果実へと成長しだします。



青い果実
ひとつの雌花は6つの子房を持つので、首尾よくいけば、6つの果実が出来ます。



果実
秋には美味しそうなブドウの房が出来ますが、アオツヅラフジの果実には毒性があり食べられません。




アンモナイト?
ひとつの果実には アンモナイトの化石のような種子が必ず入っています。





雄花

果実の実らない雄花のほうは、(気づかれても)花のときにしか気づかれません。




それも小さな花なので、それと知らなけば見向きもされないでしょう。




アオツヅラフジの花は6数性で、花弁と萼片は6個、雌花の雌しべは6個ありました。




雄花の雄しべも6個あります。









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中国大葉ヅタ、ノブドウ - ブドウ科

2024-08-08 15:00:00 | みんなの花図鑑
ブドウ科のつる性植物を2種類。

中国大葉ヅタ

最初は ナツヅタの仲間で、安城デンパークにある中国大葉ヅタです。
学名は Parthenocissus laetevirens


特徴は このごわごわして脈がクッキリ浮き出たこの葉です。
他には無いので、この葉を見れば 中国大葉ヅタと分かります。
実はこのツタにも花が咲いているのですが、分かりますか?!(^^)!






これがその花です。




今年は上のように地味な花ばかりしか見られなかったのですが、実はこの花には他のナツヅタに見られない特徴があります。



例年ですと、このように子房の下腹部?のほうがこのようにピンク色をしている特徴があります!(^^)!





ノブドウ













以下は10月になって撮ったノブドウの果実です。

ノブドウの果実はチャイナマーブルのようです。
だからといって、私は食べてみようとは思いません。



ノブドウの果実の色についての図鑑の説明には大きく分けると2つの説明があり、説明要旨が大きく異なっているのです。

説明 A : 果実は(緑色から順次)白色、(淡)紫色、青(碧・空)色となって成熟する。
 (日本の野生植物、原色日本植物図鑑、APG原色牧野植物大図鑑)

説明 B: 果実の色は虫(ノブドウタマバエとかブドウトガリバチ)が寄生して作り出したもの(いわゆる虫こぶ・虫えい)で、正常な果実はほとんどない(少ない)。
 (牧野新日本植物図鑑、樹に咲く花、植物の世界)

(以上、続・樹の散歩道「ノブドウの果実の多様な色は虫えい故なのか?
  そもそも正常な果実とはどんな色なのか?」より抜粋編集)




2つの説のうち、どちらが正解かは私には判りませんが、虫が寄生して出来るという説は一度聞くと(たとえそれが正解でなくとも)耳から離れないほど強烈なので、私は決して食べてみようとは思いません。それに観察すると熟した果実の表面って傷が多くありませんか? "(-""-)"

しかし、だからといって、採ってきたノブドウの枝をゴミ箱にポイ捨てしてはいけません。


野ぶどうは民間野草の中で驚異の効能の持ち主です。
脂肪肝、肝硬変(肝臓の線維)改善が組織培養実験で立証されています。血流循環の改善や免疫力が高まることで糖尿、高血圧、腎炎、リウマチ、神経通、肩腰膝肘の痛み、手足のしびれ、不整脈、花粉症に有効とされています。また、低下した臓器の働きを良くすることで、毒素分解、血行改善、抗腫瘍作用等も実証されています。

※ 参考文献等
・日本で野ぶどうについて記された本)
「磯崎常光、村上昌久 共著、薬草ウマブドウ、リヨン社1986年」
・野ぶどうについての記事
「獨協医科大学 中元隆明教授 野ぶどうエキスの生活習慣病に対する有効性を確認」
https://www.f-pw.jp/healtycare/nobudou.html


(以上、ふるさとチョイス「山形県西川町 束松農園の野ぶどう茶」 より)






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