先日の見島釣行でも、ぼちぼち釣れた「ウッカリカサゴ」ですが、いろいろ見ていると少し誤った意見などが見られ、気になったので私なりにまとめてみました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2e/ad/c5f0f22af808c09c7ef28937214f09d8.jpg)
↑これはウッカリカサゴ
まず「ウッカリカサゴ」と「カサゴ(関西ではガシラ、以下はガシラで表記)」は完全に別種です。
時々、大きなガシラを「ウッカリカサゴ」と呼ぶと思っている人や、逆にウッカリカサゴを「普通のガシラ」のデカいヤツと思っている人がいますが、これは間違いです。
テレビ番組の中で佐々木洋三が児島玲子に「オニじゃないよ。 普通のカサゴだよ。」なんて言っているのを見ましたが、ありゃ「ウッカリカサゴ」ですね!
ちなみに、この2種は当然ですが学名も違います。
ガシラは “Sebastiscus marmoratus”
ウッカリカサゴは “Sebastiscus tertius”
となります。
ウッカリカサゴは正式には
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区刺鰭上目
スズキ系 カサゴ目 カサゴ亜目 フサカサゴ科
カサゴ属 ウッカリカサゴ
だそうです。 、、、とんでもなく長いですね。
ちなみに以下がガシラとウッカリカサゴの差違です。
◇小型は特に判別が難しいが、カサゴでは側線より上方の斑紋が不明瞭であるのに対し,ウッカリカサゴは大型になると側線上方に明瞭な縁取りのある 円形小白点があり、体側の小白点にも明瞭な縁取りがでる。
◇ウッカリカサゴの体色は明らかに赤みを帯びる。
◇胸鰭の軟条数は,カサゴが17~19本で通常18本であるのに対し、ウッカリカサゴは18~20本で通常19本である。
、、、、、、ちょっと見分けは難しいですね。
正直、小型個体は見た目だけでは種の判別は不可能だと思います。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0c/87/2d0835077615e2e88e6cc833acbbb5d4.jpg)
↑これはガシラ
そして、名前の由来です。
なぜ、正式名称が「ウッカリカサゴ」などという、けったいな名前になったのでしょうか?
日本の魚類学者は長い間、ウッカリカサゴは深い場所に生息するタイプのガシラと考えていたそうです。
確かに,ウッカリカサゴは丹後などでは水深100mを超えるレンジでのジギングなどでも釣れますが、ガシラのように磯に生息することはありません。
ところが,1978年にバルスコフとチェン(Barsukov and Chen)が長崎産の標本を基に、ウッカリカサゴを新種S. tertiusとしてロシアの学術雑誌に発表しました。
1979年に和名「ウッカリカサゴ」を提唱したのは、日本魚類学会の会長を務められた阿部宗明博士です。
阿部博士によると「うっかりするとカサゴと区別しないことになる」ということと、日本の魚類学者達がその存在を知りながら「うっかりして新種と気付かずに、外国人に新種登録をされてしまった」という残念な思いをもってウッカリカサゴという和名を付けたそうです。
しかし、上記のように識別形質が明確でない為に、新種として記載された後も両者は「同種だ」「いや別種だ」という論争が長く続いたそうです。
現在は、分子生物学の成果も加味されて完全に別種として扱われています。
種小名のtertiusは「3番目の、3つ目の」を意味するラテン語の序数ですから、本種の学名は「カサゴ属の3番目の種」という意味になります。
私が調べた限りではウッカリカサゴの日本記録は2007年に三重県大王崎沖、水深140mから餌釣りで上がった全長60㌢重量3.9㎏でした!! デカッ!!
そんなウッカリカサゴですが、食味は残念ながら、本家のガシラより落ちるように思います。
特に刺身では身の繊細さや旨味の濃さではガシラには及ばないように感じます。
そこで、お薦めなのは火を通した調理です。
先日、うちで食べたウッカリカサゴ料理を紹介します!!
ウッカリカサゴの白ワイン煮
大型のウッカリカサゴはちょっと長めに寝かした方が絶対に美味しくなると思います。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/05/78/a9c23a074905bf2c9a63010ee1d586ff.jpg)
うちの場合は43cmのウッカリカサゴでしたので、鱗はそのままで、内蔵と鰓を取り、水分を良く取って、腹にキッチンペーパーを数枚入れて、新聞紙できっちりと包み、ビニールに入れてなるべく空気を抜いてチルドルームで5日間寝かせました。
あと、浮袋と胃袋は湯引きや炒め物にすると美味しいのと、肝も取り出して煮付けにしました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/37/80/62315a5e7d37084e3cc426b5cd3327f3.jpg)
まず、鱗を落として水洗いした後、全身にけっこう多めの塩を振り、10分程度放置!!
そして、しっかりとその塩をキッチンペーパー等で拭き取ります。
この処置は皮ごと食べる全ての魚に有効で、塩が生臭さを吸い込んでくれます。
なので、生臭くなった塩はしっかりと拭き取らなくてはいけません。
水洗いすると、水臭くなりますので、拭き取りましょう!!
背骨に沿って、しっかりと切り込みを入れます。
身の厚い魚は、この背骨周りの身に火が通り難く、この切り込みにより背骨から全体に熱が伝わります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/64/18/43036360e3396490bd38f6aee076ea00.jpg)
多めのオリーブオイルでガーリックスライスを揚げて風味を付けて、ガーリックスライスを引き上げ、その油で魚の表面をしっかり目にソテーします。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/23/77/469196e7dca9c769d60badcd126361ba.jpg)
フレッシュトマトをかなり多めに投入!!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/59/fe/a60172954ac3d85427af2c0add25d320.jpg)
そこに白ワインを500ccと、先程引き上げたガーリックスライス、ローリエを1枚入れて強火で一煮立ちさせ、蓋をして弱火で10分ほど煮込みました。
かなりのボリュームがあり、食べきれなかったので、翌日は、丁寧に骨を取り除いて少し煮込み、ホウレンソウのソテーを加えて、パスタに掛けて食べました。
どちらも最高に美味しかったです!!
ウッカリカサゴは釣れる時はけっこう釣れますので、刺身以外にも加熱調理もお薦めですよ!!
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↑これはウッカリカサゴ
まず「ウッカリカサゴ」と「カサゴ(関西ではガシラ、以下はガシラで表記)」は完全に別種です。
時々、大きなガシラを「ウッカリカサゴ」と呼ぶと思っている人や、逆にウッカリカサゴを「普通のガシラ」のデカいヤツと思っている人がいますが、これは間違いです。
テレビ番組の中で佐々木洋三が児島玲子に「オニじゃないよ。 普通のカサゴだよ。」なんて言っているのを見ましたが、ありゃ「ウッカリカサゴ」ですね!
ちなみに、この2種は当然ですが学名も違います。
ガシラは “Sebastiscus marmoratus”
ウッカリカサゴは “Sebastiscus tertius”
となります。
ウッカリカサゴは正式には
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区刺鰭上目
スズキ系 カサゴ目 カサゴ亜目 フサカサゴ科
カサゴ属 ウッカリカサゴ
だそうです。 、、、とんでもなく長いですね。
ちなみに以下がガシラとウッカリカサゴの差違です。
◇小型は特に判別が難しいが、カサゴでは側線より上方の斑紋が不明瞭であるのに対し,ウッカリカサゴは大型になると側線上方に明瞭な縁取りのある 円形小白点があり、体側の小白点にも明瞭な縁取りがでる。
◇ウッカリカサゴの体色は明らかに赤みを帯びる。
◇胸鰭の軟条数は,カサゴが17~19本で通常18本であるのに対し、ウッカリカサゴは18~20本で通常19本である。
、、、、、、ちょっと見分けは難しいですね。
正直、小型個体は見た目だけでは種の判別は不可能だと思います。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0c/87/2d0835077615e2e88e6cc833acbbb5d4.jpg)
↑これはガシラ
そして、名前の由来です。
なぜ、正式名称が「ウッカリカサゴ」などという、けったいな名前になったのでしょうか?
日本の魚類学者は長い間、ウッカリカサゴは深い場所に生息するタイプのガシラと考えていたそうです。
確かに,ウッカリカサゴは丹後などでは水深100mを超えるレンジでのジギングなどでも釣れますが、ガシラのように磯に生息することはありません。
ところが,1978年にバルスコフとチェン(Barsukov and Chen)が長崎産の標本を基に、ウッカリカサゴを新種S. tertiusとしてロシアの学術雑誌に発表しました。
1979年に和名「ウッカリカサゴ」を提唱したのは、日本魚類学会の会長を務められた阿部宗明博士です。
阿部博士によると「うっかりするとカサゴと区別しないことになる」ということと、日本の魚類学者達がその存在を知りながら「うっかりして新種と気付かずに、外国人に新種登録をされてしまった」という残念な思いをもってウッカリカサゴという和名を付けたそうです。
しかし、上記のように識別形質が明確でない為に、新種として記載された後も両者は「同種だ」「いや別種だ」という論争が長く続いたそうです。
現在は、分子生物学の成果も加味されて完全に別種として扱われています。
種小名のtertiusは「3番目の、3つ目の」を意味するラテン語の序数ですから、本種の学名は「カサゴ属の3番目の種」という意味になります。
私が調べた限りではウッカリカサゴの日本記録は2007年に三重県大王崎沖、水深140mから餌釣りで上がった全長60㌢重量3.9㎏でした!! デカッ!!
そんなウッカリカサゴですが、食味は残念ながら、本家のガシラより落ちるように思います。
特に刺身では身の繊細さや旨味の濃さではガシラには及ばないように感じます。
そこで、お薦めなのは火を通した調理です。
先日、うちで食べたウッカリカサゴ料理を紹介します!!
ウッカリカサゴの白ワイン煮
大型のウッカリカサゴはちょっと長めに寝かした方が絶対に美味しくなると思います。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/05/78/a9c23a074905bf2c9a63010ee1d586ff.jpg)
うちの場合は43cmのウッカリカサゴでしたので、鱗はそのままで、内蔵と鰓を取り、水分を良く取って、腹にキッチンペーパーを数枚入れて、新聞紙できっちりと包み、ビニールに入れてなるべく空気を抜いてチルドルームで5日間寝かせました。
あと、浮袋と胃袋は湯引きや炒め物にすると美味しいのと、肝も取り出して煮付けにしました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/37/80/62315a5e7d37084e3cc426b5cd3327f3.jpg)
まず、鱗を落として水洗いした後、全身にけっこう多めの塩を振り、10分程度放置!!
そして、しっかりとその塩をキッチンペーパー等で拭き取ります。
この処置は皮ごと食べる全ての魚に有効で、塩が生臭さを吸い込んでくれます。
なので、生臭くなった塩はしっかりと拭き取らなくてはいけません。
水洗いすると、水臭くなりますので、拭き取りましょう!!
背骨に沿って、しっかりと切り込みを入れます。
身の厚い魚は、この背骨周りの身に火が通り難く、この切り込みにより背骨から全体に熱が伝わります。
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多めのオリーブオイルでガーリックスライスを揚げて風味を付けて、ガーリックスライスを引き上げ、その油で魚の表面をしっかり目にソテーします。
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フレッシュトマトをかなり多めに投入!!
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そこに白ワインを500ccと、先程引き上げたガーリックスライス、ローリエを1枚入れて強火で一煮立ちさせ、蓋をして弱火で10分ほど煮込みました。
かなりのボリュームがあり、食べきれなかったので、翌日は、丁寧に骨を取り除いて少し煮込み、ホウレンソウのソテーを加えて、パスタに掛けて食べました。
どちらも最高に美味しかったです!!
ウッカリカサゴは釣れる時はけっこう釣れますので、刺身以外にも加熱調理もお薦めですよ!!
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