BAMBOO-JET  ~うみの部屋~

タケノコジェットでどこへでも!
読んだ本や見た映画、食べた料理、旅先、育児や日常のことなど、趣味をつらつら語ります

JSA

2007-05-29 22:27:00 | のほほん日記
さて、今回のソウル滞在の目的は板門店(PunMunJeon)ツアーに参加することです。こういうのって、なかなか友達にも誘いづらい。女の子はやっぱコリアンスターだ、お買い物だ、エステとかでしょ。板門店行きたいなんていう人まずいないしね。
しかし、板門店は外国人旅行者のみに開放してる場所で、韓国人はいけないのでソウルの友達も誘えない。ということで、JTBを通して大韓旅行社の日帰りバスツアーに参加しました。
板門店は北朝鮮との軍事分断線(北緯38度)にあり、その周りは非武装地帯であります。そこは国連&北朝鮮&韓国で警備しており、いわゆるJoint Secirity Area(JSA)gがココ。何を隠そう私はあの映画が大好きである。あの映画を見てから一度来てみたかったのである。
さて、朝ロッテホテルでツアー客が集合。日本語と英語のツアーであり、それぞれのガイドさんが交互にスピーチしながらバスは北に進む。1時間ほど走ったところで、北朝鮮との分断線のそばを流れる漢川とイムジン川の合流地点に来た。ここに統一展望台というのがあり、北朝鮮が見渡せるビデオなどの説明があり、ココから見える北朝鮮サイドには宣伝村と言う実際人が全く住んでない村が見えるという。何階建てかのアパートがあり、夕方には音楽を流すそうだ。韓国に対する威嚇か見栄かそれとも韓国人に北朝鮮は豊かだというアピールか、いずれにしろ恐ろしいと思う。今の世の中かこんなことをやってる国があるなんて。資料館もあり最近の北朝鮮から入手した、現地の人々が見につけてる衣服や学校の教科書などの生活用品が飾ってあるのだが、ツアーに来た人たちは年配の人などは「これは戦後の日本だよなぁ、懐かしい。。。」と言っていた。そんなものなのである。
さて展望台にいったのだが、この日の天気は快晴であり川の向こうには霞がかかっていた。白くて北朝鮮の陸がうっすら見える程度で宣伝村もあまりはっきりわからない。残念だが仕方ない。でも目の前のイムジン川はきれいに見える。あの歌にもある有名な川であり、自分がその目の前にいるなんて、なんだか感動である。
お昼をその近くのレストランで取り、いよいよ板門店へ向かった。途中2回ほど軍の検査を受けた。いよいよリムジン川を越えた。そこから先は地雷の森である。一歩森に入るとそこは地雷だらけだという。恐ろしい。しかしそんな非武装地帯にも村がある。農業を営む小さな村で、ココでは住むのも町へ行くのも軍の許可を受けねばならないという。しかも男はこの村に移住することはできないが、女は嫁に来るという理由で入ることは(移住する)できるという。めっちゃ懐古的である。
村を通り過ぎ、いよいよ国連の管理するキャンプの中に入る。途中、ゴルフ場もあったりと(世界一危険なゴルフ場と言う看板が)さすが、こんなとこまでゴルフ場があるのはアメリカンチックである。戦車もあって、いつでもすぐに出動できるように24H態勢で兵士が戦車から顔を出してた。なんか、すごいなぁ。
いよいよ38度線で北朝鮮と対じする軍事分断線上にある会議場へいくことに。映画同様韓国側の軍人があの衣装でサングラスwかけて、定位置に建ってる。両脇の建物から体を半分だけ出して北朝鮮のほうを向いてるのが不気味だ。しかし北朝鮮サイドでは兵士らしき人は誰も見られない。会議室の中はテーブルが並べられてあり、両国の代表が軍事会議をするときいつも使うそうである。実は次の日からその会議が予定されており、このツアーは当分ないそうだ。そうとも知らず今日で申し込んでおいて、私はラッキーだったかも知れない。こういう会議は急におこることもあるので、ツアーも急に亡くなることは珍しくないとか。私のバスの隣の席に乗ってた人は今回2回目で、前回はやはり会議のために急に中止になったといってた。実際会議室の中には床に線が引かれていて、その線にテーブルの真ん中が通るように設置されてる。ツアー客はごく限られた時間、5分か3分か、、、だけこの線をまたいで北朝鮮側に立つことができる。警備の韓国サイドの軍人が2箇所に立っていて、その人たちとも写真が取れる。この人たちだって、兵役の義務を負った若い韓国人の学生の兄ちゃんだろうに。それを思うと複雑である。
その次が「自由の家」(韓国側)という展望台。ココからは北朝鮮の板門店の建物と先ほどの会議場が良く見える。北朝鮮の軍人は建物の正面に一名だけ見えるのみである。しかし私達が展望台に上ると、北朝鮮の建物の窓が開いた。あそこからカメラなどで35人の軍人が見てるという。なんか気持ち悪い。もちろん北朝鮮側からも観光客がココを見物に来るそうで、向こうは主にロシアや中国が多いらしい。
その後は別の展望台へ行き、乾燥したヤブ畑の前に見える、杭で等間隔に打たれた分断線を眺めた。その杭の向こう側はあまり木が見れない裸の山や丘が続いていた。なんとなく韓国側とは全然違う感じだ。やはりその杭の向こうは別の国なのだ。その向こうにはなんと北朝鮮で3番目に大きい年都市があるそうだ。なんだか韓国へきて、東京(特にソウルは)と変わりないなぁと思ってたのだが、その向こう際の風景を見てなんとなく外国なんだなぁと思った。中国かどこかの山奥にある発展途上国の街みたいであった。
最後に帰らざるの橋と言う映画にも出てきたあの有名な橋が出てきた。なんてことないみすぼらしい寂しい橋なのだが、この国が分断するとき多くの人がこの場で北か南を選択して橋を渡ったはずだ。そして渡った後は2度と戻れない。そんな悲しい橋である。もともとあった一つの国が二つに分かれてしまうなんて、ドイツも昔はそうであったのだが、悲しいことである。