話題になってた本を借りて読みました。
馳星周さんの「少年と犬」。
本作品で直木賞を受賞しています。
男、泥棒、夫婦、娼婦、老人と5人の人間に出会い、
それぞれの人と過ごしながら、最後にずっと探していた人間の元へたどり着く犬の物語。
「犬は人間の友達」とはよく言ったもので、一度飼うとわかるのです。
鳥や魚、猫など愛玩動物はたくさんありますが、
それを超越して「犬」という存在は私たちにとってどこか違うようです。
警察犬、盲導犬、救助犬、セラピードックなど社会でも私たちの手助けになってくれる存在。
なぜ犬はあんなに尊いのか。
どうしてそばにいるだけでそんなにも人の心を癒してくれるのか。
この本を読むと、犬好き、動物好きにはピンと来てしまう話ばかり。
とにかくみんなどこか不幸で悲しい存在であるのに、
この犬といるときは幸せを感じている。
でもみんなこの犬の幸せを思っている。
犬って本当に不思議な存在。
最後の少年と犬の場面は涙なくしては読めません。
東日本大震災で辛い思いをしたのは私たち人間ばかりではないのです。
津波で亡くなった動物たち、取り残された動物たち、家族を失い孤児になった動物たち。
今も里親を探している被災したペットがたくさんいるはず。
どうか一匹でも不幸な動物が減りますように。
この話を書いてくれてほんとうにありがたいです。