とてもデリケートな話です。
出生前診断にて誤診で生まれてしまった命の本。
出生前診断とは母親が妊娠しているときに、
おなかの中にいる胎児について行う遺伝子検査である。
通常は羊水検査のことを指しますが、
今は新型の検査があり血液だけで胎児に障害があるのかがわかります。
ただし、この検査でわかる障害というのは一部であって、すべてではない。
生まれてこなければわからない障害や先天性の病気もある。
この本で扱われているのは、確定検査といわれる羊水検査で正常と結果を受けた子供が、
実は担当医の誤診であって、
生まれてきたときは重いダウン症で苦しみながら数か月で亡くなっていった。
もし医者が誤診しなければ母親は中絶を選択した可能性があり、
子供は生まれることもなく、よって苦しんで生きることもなかった。
とてもとてもデリケートな話です。
私も高齢出産だったので、妊娠中はこの検査の説明を受けました。
希望するならいつまでに申し込まなくちゃいけない。
でももし検査で陽性だったならどうするのか。
検査を受けることすら怖くなりました。
35歳以上の妊娠には話すことになっている。
義務的に話す看護師の言葉。
自分でも年齢が高くなると確率が上がっていくことは十分わかっていたし、
正直いって産むのが怖いと思ったことさえあった。
この時点で親として失格だと思ったり。
しかし上の子供の時はまさに検査を受けるかどうか決めなくてはいけない時期に、
大出血で切迫流産で入院。
毎日毎日トイレで出血の有無を確認しながらびくびくし、
看護師さんの子供の心音の確認で無事とわかると安堵し、
もう検査を受けるかどうかより、命があるかどうかの方であたふたしてました。
妊娠14週を過ぎてやっと安定期手前で退院した時、
もう検査を受けなくてもいいと思ってしまいました。
下の子供の時はもう40歳を超えていたので、さらにリスクは上がっていてこれまた悩みました。
上の子供の負担になってほしくない。
でもおなかの中にいる子も同じ自分の子供、、、
私を選んできてくれた子供だしやっぱり会いたいななどと思って、
検査を受けたら安心するかもしれないけれど、検査も100%じゃないと知り結局受けませんでした。
本を読んで検査を受ける妊婦さんの気持ちが痛いほどよくわかるし、
診断を受けるのも受けないのも、
陽性と知って中絶するのも産むのも自由ですが、
このような大きな判断を悩まねばならない現代女性はなんと大変なんだろう。