紙魚子の小部屋 パート1

節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物のあれこれ、家族漫才を、ほぼ毎日書いています。

夢の喫茶店

2006-10-05 16:32:40 | テレビ
 今週から朝の連続ドラマ『芋たこなんきん』が始まった。藤山直美主演、國村隼、岸部一徳などが出演、大阪放送局制作、バックは昭和レトロとくれば、期待は高まる一方。ガイドブックまで購入し、楽しみにしていた。

 が、なんということだ。仕事のある日はしょうがないとして、休みの日までが、なんやかやの用事に押し切られ、まだ2回しかみていない。それも最初から最後までのたった15分を完璧にみたのは1回のみだ。こうなったら土曜にまとめてあるのを録画して時間のあるとき、ちまちまとみるしかないだろう。

 ものすごいペースで会話が進んで行くので、眼を凝らし耳をそばだて必死である。大阪商人のかけことば?や駄洒落が開陳されるのは面白かったが、休日テンションのゆるい頭の回転のなか、記憶出来たのは「八月のやり」が「ぼんやり=盆やり」の意味だけであった。

 国村隼さんは、かつて我家で旋風を巻き起こした『ふたりっこ』の「猿渡先生役」で始めてみたときから、チェックしていた役者さんだ。
 その後のドラマで、藤山直美さんと夫婦役でメインな役をもらっていたが、あのときは、たぶん藤山さんのテンションに合わせたのだと思うが、かなり頑張りすぎていて、彼の飄々とした持ち味が損なわれていたように思う。惜しい。

 今回のドラマは「みんなでつくる」感が漂っていて、まだ1週間も見ていないのに、ますます期待が高まる。それぞれの役者さんたちが、全力投球なので、瞬きするのも惜しい。出演される役者さんはもちろん、演出、美術方面の気の配り方や工夫に、子役さんたちのいきいきした表情に、「現場の空気のよさ」が伝わるようだ。背景やセットの昭和レトロなテイストも見逃せない。

 時間軸も過去から現在に流れるのでなく、町子の思い出として「子ども時代」「少女時代」がはさまれて行く。このため過去の出来事が現在の人間を作っているというリアルな手応えがあり、うなる。そしてもちろん「笑える」ドラマである。

 このドラマで私がはっとしたのは、ヒロイン町子が文学仲間と集う喫茶店である。私が20才頃、夢の中で見た最高の喫茶店と同じつくりなのだ(夢の中のはもうすこし照明が暗かったが)。もう一度見たい、行きたい!と思っても、夢の中の喫茶店なので無理な話なのだった。

 ドラマには全く関係ない。しかしそれがブラウン管に頻繁に現れ、私を「これや!ここや!」と、どきどきさせるのが、単純にうれしい。