紙魚子の小部屋 パート1

節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物のあれこれ、家族漫才を、ほぼ毎日書いています。

昆虫時代劇

2006-10-20 22:57:32 | 読書
 今日は習い事のある日なので、Kちゃんを学校まで迎えにいった。ドラマ化した「のだめカンタービレ」をすっかり気に入ってしまったKちゃんは、ブックマーケットにいきたい!とおねだりしたので、久々に立ち寄ってみる。

 彼女がマンガのチェックを入れている間、私は夢中で児童書のチェック。ああ、楽しい♪ 習い事の時間があるので、てきぱきしないといけないのに、見落とすまいと細かい字の背表紙も必死で読む。「こどものとも」は要チェックだもん。

 するとなんだか見たようなタッチの絵の表紙に視線が絡めとられる。「くものすおやぶん とりものちょう」(秋山あゆ子/さく 福音館書店 ・「こどものとも」2003年2月号)である。
 このひとは、もしかしたら・・・あの昆虫マンガ、『こんちゅう稼業』や『虫けら様』の秋山さんでは?? とひらめいた。時間がないので中も開かず、大喜びでレジへ。

 ウチに帰ってチェックしてみると、はたして『こんちゅう稼業』や『虫けら様』の秋山亜由子さんだった。愛情込めて丁寧に描かれた虫キャラや、きちんとした趣味のイイ和風テイストは絵本でも健在。

 タイトルは「昆虫時代劇」と書いてしまったが、主人公は昆虫ではなく鬼蜘蛛の岡っ引きである。時代劇風むしの町のみまわりをする「くものすおやぶん」と「はえとりのぴょんきち」が橋を渡る最初のシーンから、擬人化された虫達が、こだわりの役柄で描かれている。

 コバエが橋のたもとでキセルを吸っている。タガメの魚屋が天秤棒を担いでいる。蝉のお坊さんが杖を突きつつ橋を渡っている(これをみて夫婦で「蝉丸や!」とウケてしまった)。遠景に、カブトムシとクワガタコンビのカゴ屋だっているのだ。次の頁にいくまで、結構な時間がかかる。

 大人買い?だから別にかまわないんだけど。寝る前にこれを子どもに読んであげたら、絵を見るのにしっかり時間がかかる上、子どもの目がらんらんとしてしまい、寝かしつけるどころではないかもしれない。

 こだわって描かれるのは虫キャラだけではない。道に面したお店の佇まいも、それは丁寧だ。お座敷の床の間や欄間や箪笥の上のダルマ人形まできちんと、しかも遊び心満載で描かれている。
 見開きの端から端まで楽しめる、こんなお買い得な絵本が、なんと100円だったのだ。「神はわれを見捨てず」という気持になるラッキーなお買い物だった。