自分にごほうび、ではないが、もとよりH氏には期待していないので、自分にバースディプレゼントを企画してみた。「アールブリュット 交差する魂」というボーダレスアートギャラリーNO-MAの企画展である。
いや、これは嘘だ。企画ではなく、ほんの思いつき。たまたまその日の読書会の場所の近くにボーダレスアートNO-MAのもうひとつの会場である旧吉田邸(ごく普通の古いお家)があったので、ふらっと入ってみた。以前見た私のかなりのお気に入り、とげとげの摩訶不思議な造形を生み出す澤田真一氏の作品(ャXターやチラシのメイン作品)が展示されていたので、これは見なくちゃと。
吉田邸会場は、床がギシギシ鳴って、下手をすると踏み落とさないかとおそるおそる歩いたような、古い小さな普通のお家で、ぎしぎしという音と共に、間違えようも無い「イッツ、澤田!!」な世界に入り込む。イグアナのようにトゲトゲな作品たちがチャーミングで、ウインクしているような愛嬌がある。魂を持って行かれそうになる魔力に溢れた造形である。
しかし、ここにあったのは、澤田氏の作品だけではない。インドの解体工事現場で働く(だったように記憶する。ちょっと自信無し・・・)ネック・チャンドのシンプルかつ天衣無縫な造形に魂を奪われた。魂を奪われる、というのは私の場合、「ほしい・・・」と切実に思うことである。セメントで土台をつくり、解体後の廃材タイルを貼付け、動物や人間を作り上げるのだが、それがもう、ちょっと不気味でユーモラスで、太古にあったアートへのぶっといエネルギーみたいなものが噴出していた。ちょっとこんなのは、そうそう「アートの会場」ではお目にかかれない。こういうのは、野外が似合いそう。公園とか(子どもが浮ェるかも知れないが)。ああ、そうだ、インドのセメント像の王国をつくるガウディみたい、といえばイメージしていただけるだろうか。
その後、いつもの旧野間邸のボーダレスアートギャラリーで、その他の作家たちの作品群に出会う。なまなまとしたアートが生まれる瞬間の秘密を垣間みるような気分を、確かに感じる。この感想を言葉にするのは難しくて、もうこれは現物を見て下さい!としかいえない。ハマるものも、スルーするものもあったけれど、「なんでこんなにええんや!?なんでかわからんけど」、みたいな感じかな。
私は「ドン・キホーテ」をモチーフにしたャXターのように豪華絢爛な色使いのシリーズがお気に入りだった。緻密で遊び心溢れて書かれた文字たちに、作者の「ドン・キホーテ」への汲めども尽きぬ愛を見た。
それとは別に私を狂喜乱舞させた作品があった。あの諸星大二郎の『栞と紙魚子』っぽい不思議な絵があったのだ。テイストはまさに諸星さん。でもそれは海外の方の作品なので、絵の作者が諸星さんに影響を受けたとは思えない。モノトーンで顔が浮遊している奇妙な絵。
もしあなたがこの企画展に今後行かれるなら、ぜひチェックしてみてください。2Fの奥の、玄関の庭に面する(今回はパネルで窓が覆われているけれど)廊下の手前にあります。
いや、これは嘘だ。企画ではなく、ほんの思いつき。たまたまその日の読書会の場所の近くにボーダレスアートNO-MAのもうひとつの会場である旧吉田邸(ごく普通の古いお家)があったので、ふらっと入ってみた。以前見た私のかなりのお気に入り、とげとげの摩訶不思議な造形を生み出す澤田真一氏の作品(ャXターやチラシのメイン作品)が展示されていたので、これは見なくちゃと。
吉田邸会場は、床がギシギシ鳴って、下手をすると踏み落とさないかとおそるおそる歩いたような、古い小さな普通のお家で、ぎしぎしという音と共に、間違えようも無い「イッツ、澤田!!」な世界に入り込む。イグアナのようにトゲトゲな作品たちがチャーミングで、ウインクしているような愛嬌がある。魂を持って行かれそうになる魔力に溢れた造形である。
しかし、ここにあったのは、澤田氏の作品だけではない。インドの解体工事現場で働く(だったように記憶する。ちょっと自信無し・・・)ネック・チャンドのシンプルかつ天衣無縫な造形に魂を奪われた。魂を奪われる、というのは私の場合、「ほしい・・・」と切実に思うことである。セメントで土台をつくり、解体後の廃材タイルを貼付け、動物や人間を作り上げるのだが、それがもう、ちょっと不気味でユーモラスで、太古にあったアートへのぶっといエネルギーみたいなものが噴出していた。ちょっとこんなのは、そうそう「アートの会場」ではお目にかかれない。こういうのは、野外が似合いそう。公園とか(子どもが浮ェるかも知れないが)。ああ、そうだ、インドのセメント像の王国をつくるガウディみたい、といえばイメージしていただけるだろうか。
その後、いつもの旧野間邸のボーダレスアートギャラリーで、その他の作家たちの作品群に出会う。なまなまとしたアートが生まれる瞬間の秘密を垣間みるような気分を、確かに感じる。この感想を言葉にするのは難しくて、もうこれは現物を見て下さい!としかいえない。ハマるものも、スルーするものもあったけれど、「なんでこんなにええんや!?なんでかわからんけど」、みたいな感じかな。
私は「ドン・キホーテ」をモチーフにしたャXターのように豪華絢爛な色使いのシリーズがお気に入りだった。緻密で遊び心溢れて書かれた文字たちに、作者の「ドン・キホーテ」への汲めども尽きぬ愛を見た。
それとは別に私を狂喜乱舞させた作品があった。あの諸星大二郎の『栞と紙魚子』っぽい不思議な絵があったのだ。テイストはまさに諸星さん。でもそれは海外の方の作品なので、絵の作者が諸星さんに影響を受けたとは思えない。モノトーンで顔が浮遊している奇妙な絵。
もしあなたがこの企画展に今後行かれるなら、ぜひチェックしてみてください。2Fの奥の、玄関の庭に面する(今回はパネルで窓が覆われているけれど)廊下の手前にあります。