2年前『大津絵展』という大満足な企画展をされた大津市歴史博物館が、またもやってくれました。『楳亭・金谷(ばいてい・きんこく)ー近江蕪村と呼ばれた画家ー』という企画展に行ってきた。以前ちらしを見た段階で、すっかり掴まれてしまったのだ。
「いきたい、いきたい」と云っていたのを覚えていたH氏は、「よし明日いくで!」と、ドライバーを買って出てくれた。昨日実は、私がイマイチな体調だったので、様子をみて行くかどうかきめよう、と言っていたが、問題無し。
もっとも昨日も朝からしんどいまま、ヴォーリズ展行きを決行したのだが、くるくる寿司を食べているとき、「なんか熱がでてきたみたい」と手を差し出した。触ってもらうと、「あ、ほんまや。あんた熱あるで」と心配するも、皿の数はうずたかく積まれており、食欲は良好だったのだ。
花粉日和とでもいいたいくらいなピーカンのお天気で、今日もやっぱり無謀にも何の防御もしない。しかし攻撃は最大の防御なり、というじゃありませんか。
『楳亭・金谷』展は江戸時代の俳人&文人画家、与謝蕪村の弟子、紀楳亭(きばいてい)と、蕪村に私淑した心の弟子、横井金谷(きんこく)の作品を集めてある。まさに学決ウんの面目躍如、二人の江戸時代中期の文人画家たちへの敬愛にあふれた企画展にほかならない。
当時流行ったらしい中国の故事や歴史上の出来事をテーマにした絵や、山水画など、まっとうな絵もあるが、脱力感あふれる動物や人物のパワーが絵の中から「どやどや!」と呼び込むのである。それをキャッチした学決ウんの目の良さ、着眼点のユニークさに脱帽である。
「これこれ!! これ、オモロいやろ~!! この肩の力の抜け方、サイコーやろー!? このトボケた造形、笑てしまうやろ~!」と、「みてみて!!」観に溢れているのだ。H氏とつっこみコメントを炸裂させながら、絵の前でこんなに爆笑した展覧会は初めてかもしれない。ほとんど「みうらじゅんといとうせいこうのスライドショー」状態。他にお客さんが少なくて助かった。
「みて、この恵比寿さん! 恵比寿さんは上機嫌の笑顔やけど、持ってはる鯛はものすご不機嫌に怒ってるで」
『釈迦七羅漢図』をみて
「このお釈迦様、人相の悪いフランシスコ・ザビエルみたいやな。羅漢もそろって目つき悪いし、ほとんど山賊集団みたいや」
「この荒巻鮭、『妖怪人間ベム』のオープニングで妖怪人間がぎゃお~って叫んでるときの顔にそっくりや!」
「金谷上人一代記」という絵巻物(字もいっぱい)に、上人が小坊主時代、仏像を蓮華座から降ろして、自分が蓮華座を占拠しているの図とかもあったりして、いかにもやんちゃ坊主のまま大人になった人みたいだ。
蕪村一門は大津絵ファンらしく、大津絵キャラ(藤娘とか、鬼の寒念仏とか、奴さんとか)を自在に描き、楽しい作品を作り上げている。蕪村一門のとぼけたほのぼの画風に、大津絵はぴったりフィットなのだ。
彼ら二人には、『へうげもの』の5巻に登場する人物で、利休が「私があった中で一番の数寄者」と断言するザ・キング・オブ・数寄者、「ノ貫(へちかん)」キャラ(見かけも!!)に通じる、素晴らしい脱力感があるのだ。
これぞ企画展! 展示作品への愛に溢れ、ツボをきっちり押さえた流れと作品群に大満足な企画展だった。
「いきたい、いきたい」と云っていたのを覚えていたH氏は、「よし明日いくで!」と、ドライバーを買って出てくれた。昨日実は、私がイマイチな体調だったので、様子をみて行くかどうかきめよう、と言っていたが、問題無し。
もっとも昨日も朝からしんどいまま、ヴォーリズ展行きを決行したのだが、くるくる寿司を食べているとき、「なんか熱がでてきたみたい」と手を差し出した。触ってもらうと、「あ、ほんまや。あんた熱あるで」と心配するも、皿の数はうずたかく積まれており、食欲は良好だったのだ。
花粉日和とでもいいたいくらいなピーカンのお天気で、今日もやっぱり無謀にも何の防御もしない。しかし攻撃は最大の防御なり、というじゃありませんか。
『楳亭・金谷』展は江戸時代の俳人&文人画家、与謝蕪村の弟子、紀楳亭(きばいてい)と、蕪村に私淑した心の弟子、横井金谷(きんこく)の作品を集めてある。まさに学決ウんの面目躍如、二人の江戸時代中期の文人画家たちへの敬愛にあふれた企画展にほかならない。
当時流行ったらしい中国の故事や歴史上の出来事をテーマにした絵や、山水画など、まっとうな絵もあるが、脱力感あふれる動物や人物のパワーが絵の中から「どやどや!」と呼び込むのである。それをキャッチした学決ウんの目の良さ、着眼点のユニークさに脱帽である。
「これこれ!! これ、オモロいやろ~!! この肩の力の抜け方、サイコーやろー!? このトボケた造形、笑てしまうやろ~!」と、「みてみて!!」観に溢れているのだ。H氏とつっこみコメントを炸裂させながら、絵の前でこんなに爆笑した展覧会は初めてかもしれない。ほとんど「みうらじゅんといとうせいこうのスライドショー」状態。他にお客さんが少なくて助かった。
「みて、この恵比寿さん! 恵比寿さんは上機嫌の笑顔やけど、持ってはる鯛はものすご不機嫌に怒ってるで」
『釈迦七羅漢図』をみて
「このお釈迦様、人相の悪いフランシスコ・ザビエルみたいやな。羅漢もそろって目つき悪いし、ほとんど山賊集団みたいや」
「この荒巻鮭、『妖怪人間ベム』のオープニングで妖怪人間がぎゃお~って叫んでるときの顔にそっくりや!」
「金谷上人一代記」という絵巻物(字もいっぱい)に、上人が小坊主時代、仏像を蓮華座から降ろして、自分が蓮華座を占拠しているの図とかもあったりして、いかにもやんちゃ坊主のまま大人になった人みたいだ。
蕪村一門は大津絵ファンらしく、大津絵キャラ(藤娘とか、鬼の寒念仏とか、奴さんとか)を自在に描き、楽しい作品を作り上げている。蕪村一門のとぼけたほのぼの画風に、大津絵はぴったりフィットなのだ。
彼ら二人には、『へうげもの』の5巻に登場する人物で、利休が「私があった中で一番の数寄者」と断言するザ・キング・オブ・数寄者、「ノ貫(へちかん)」キャラ(見かけも!!)に通じる、素晴らしい脱力感があるのだ。
これぞ企画展! 展示作品への愛に溢れ、ツボをきっちり押さえた流れと作品群に大満足な企画展だった。